『タガタリススムの、的、な。』 公演情報 『タガタリススムの、的、な。』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★

    「世界観」を投影した空間の心地よさ
    「装置」と照明、音(楽)の贅沢さに尽きる。座高円寺1を見渡す会場は壮観で圧巻。座席の組み方がユニークで、何列にも渡したプラットホーム(というか床)を見上げる対面式(宴会場式)の席がズラリと場内を埋め、両サイドに二列の座席が組まれ、これを見下ろす格好になる。私の座った席はそれに加え、手前の壁に一列並べられた座席だった(恐らく来場者多数につき設えたものだろう‥が、当日券目当てで直前まで入れるかどうかと言われてた割に私の隣数席は終演まで空いてた)。
     劇場の壁に似た色彩の軍隊服を揃えた俳優たちは、広大な場内のあちこちで一場面を演じたかと思えば移動し、走り回る。
     ストーリーは電脳世界の中で起きてるらしいお話で、大企業の秘密に勇気をもって迫るという「肩入れしたい」筋だったが、どうも電脳世界と現実世界の区別が付きにくく、ウェルメイド風のエンディングも手伝って「切実さ」がぼやけてしまった。
     しかしあの空間は忘れ難い。1階ロビーとの間を仕切る大扉がゆっくりと閉まり、開演すると、始めロビーから子供の騒ぎ声が漏れて来ていた。が、全く気にならない、強固な「世界」が出来ていた。憂いを帯びた世界を出現させた事が、私の評価の全て。

  • 満足度★★★★★

    無題1508(15-196)
    19:00の回(雨)。

    18:40会場着、受付(M列)、昨夜に続いて2回目、やはり女性率が高い。入って左の壁際、背もたれがあり楽チン、スタッフの方が傘は椅子の下にと丁寧に教えて下さる、会場全体が一目で見渡すことができ、セリフもよく聴こえる。

    初回は掘り炬燵に入ったので目の前だったりするとそうとう見上げながらでしたが、今夜は、やや見下ろすような位置。反対側(向こう岸)まで見通せるし、全体に拡がる照明、正面スクリーンへの映像投影も観やすい。会場全体にわたるムーブメントや広範囲のポジションなども視界良好。

    恵比寿の「Site」でみた「増殖島のスキャンダル(2011/12)」「初演(2013/11)」も美術が異色でしたが、今回の公演では空間から受ける感覚も未経験のものでした。

    18:46/18:56前説、19:09入口扉が閉まり「では、始めましょう」という第一声で開演~21:13終演。DVD化はないそうで、再々演があればまた観たい。

  • 満足度★★★★★

    怒りをエレクトリカルに表現
    観てほしい。比べてほしい。
    初演で白を基調に、悲哀を表現した地下空港が、再演では、暴走する日本への怒りにまでボルテージをあげた。それも、エレクトリカルに、シャープに、ひたひたと、めらめらと。
    演出、舞台装置、衣装、映像、生演奏、音響、動き、みな先鋭的。
    ただ主演の原嶋元久は、人気があり、この表現にしては健全な好青年すぎる。初演の磯村勇斗は幼さと凄みと悲哀がもともと備わっていた。
    原嶋のおっかけ女子が客席を占める雰囲気も、地下空港の空気に合わない。興業的には大成功だろうが、初演よりダイナミックなのに、観たい人が見れず、なかなか評価が出てこない理由か。。
    地下空港には、人気と芸術性との間で大いに悩んでもらったうえで、また再演をぜひ観たい。多くの人に見てほしい。

  • 満足度★★★★

    はこ 
     オープニングの科白、間の取り方に難あり。間の抜けた物言いに、興味が一気に白けてしまった。 特に”的な”などの一連のこの劇団独自の大切なハズの科白に、役者のヴィジョンが感じられなかったのは、問題。

    ネタバレBOX

     ある朝、クルイドダイナミクス社の社員食堂には、手足の無い遺体が置かれていた。一人だけ集合時刻に遅刻してくる派遣労働者がいる。名をオウスマコトと言う。派遣会社の連絡ミスが原因だが、彼が到着するまでに、殺人犯は彼だとの疑いが掛けられる。何故なら、彼と被害者は、何度も喧嘩している姿を同僚から見られていたからであり、つい最近も「殺してやる」というマコトの発言を聞いた者があったからである。SNSによって情報は瞬く間に拡散され、偶々、別件で取材に入っていたメディアのスクープとしても報じられることになって、結果、彼は、真犯人として追われる羽目になった。彼は、職場内で付き合いのある彼女の「逃げましょう」の言に従い彼女の手を取って工場の食堂から逃げ出す。然し、ニュースの流れる中でも、肝心な所になると、意識障害でもおきたように雑音や乱れ、頭痛などが起こって情報は伝わらない。ニュースの流れる度に、このようなことが起こる。二人は何とか逃避行を続け、途中でヒッチハイカーを装って夫婦者と彼らの車を支配下に置くことに成功、夫妻と共に隣国へ忍び込むことに成功するが、そこで明かされるクルイドダイナミクスの秘密は、其処で作られているのが、何かであり、誰が何の目的でそんな物を作り、人々に供与しているのかについてであった。最後の最後に、マコトの真の姿と彼の為してきたことが明らかにされる。
     因みにここで言及されていることは、フィクションであるが、似たことは、現実にアメリカのペンタゴンとウォールマートが組んで本当に実現しようとしていたプロジェクトに現れている。そのプロジェクトとは、人体にマイクロチップを埋め込み、其処から発信されるデータに基づいて埋め込まれた人間の位置、移動等のメタデータを衛星を用いて得ることであった。此処まで、小型化はされなかったものの、性犯罪を犯したことのある人間の体に鍵付き発信機を取り付けて監視していたことがアメリカで問題になったことはある。無論、この時にもメタデータが収集されていた。
     今作で描かれている世界で人体に埋め込まれているのは、LC即ちliquid computerである。目的は、埋め込まれた人々の操作である。無論、情報操作、感情操作等を含む、為政者に逆らわせない為の操作総てである。これは、他人事ではない。日々、この植民地でアメリカとその手先によってTV、出版物などのメディアを用いて行われていることである。その点を喚起することこそ、今作の意味だと解釈した。
     但し、演劇的には、今回、スターシステムに乗っかって初演の時のような緊迫感も無く、役者も主人公の演技レベルが低い。良かったのは、彼女役の方である。マイクを装着しているにも拘わらず、高円寺1のキャパを充分に計算しているとは言い難い演出で、科白が聞き取り難いシーンが多すぎる。演出家はイギリスに行っていたようだが、シェイクスピア俳優の演技力と日本の役者の演技力の差をキチンと計算しているとは思えない。猛省すべきだろう。折角のシナリオが泣く。
  • 満足度★★★★★

    的な。
    5日マチネに観劇しましたが、気が付いたらソワレの当日券にも並んでいました。
    日本神話がベースとのことでもっとファンタジーなものかと思いきや、社会派な重いテーマもあり、会場全体を縦横無尽に走り回る大迫力な逃走劇。ストーリーにも演出にも、もちろん客席にも、最初から最後まで圧倒されっ放しでした。
    初演とラストが違うと耳にしたので、ぜひ初演のも一緒に台本を手に入れたいです。(物販では売り切れていたので、、)
    地下空港さんの舞台はダキニに続いて二度目でしたが、会場に入るとすでに始まっているあの異空間。ますます虜になりそう、、。

    ネタバレBOX

    終盤、父と息子が闘うシーン。
    演者の動きと音で三次元に作り上げられるあのバーチャル空間の演出には鳥肌が立ちました!
  • 満足度★★★★

    多少軽くなるも、
    初演時よりもハコも格段と大きくなり躍動感溢れる作りに。
    途中聞き取りづらかったり単調に感じてしまい、前回の方がスタイリッシュで生新な演出だったので一長一短か。

  • 満足度★★★★★

    早く感想を
    書きたいと思いつつ、時間がない。だが、あまりにも面白い見応えある舞台だったので、少しでもと思い、普段書かないスマホから。劇場入って度肝抜かれた!もう長いこと、舞台を観続けてきたが、こんな造りは初めて!かなり挑戦的!そして独特の赤、それをまとった出来る役者たちがすぐ目の前で、動き、発する。ストーリーも想像の域を超え、圧倒的。難点はあの見辛い席!!目の前で頑張っている子に背を向けて、メインに注目するのは心苦しい。(メイン追ってないと話が見えなくなる)
    時間のある時にじっくりblogに書くとして、一先ず。

  • 満足度★★★★★

    驚き
    開場したてで席についたらすでに別世界!開場したらすでに舞台が始まってます。
    座席もこんな形あるのかと驚き。会場全体を使った演出。音楽。衣装。小道具。本当にすごい!
    役者さんとの距離がとても近いので表情とかはっきり見えるので
    凄さが増す!
    情報量が多めなのか繋げていくのが大変だがそこが楽しい!
    役者さん達の演技にもどんどん引き込まれていきました。
    いい声の方たちが多く感じました!
    何度も観たくなる舞台です!

    これから観られる方は早めに行くことをおすすめします!

    ネタバレBOX

    主演の原嶋さんもとてもいい声ですが、個人的にラジオDJ役の山田翼さんの声がとても力強くて通っていて聞きやすかった!
    背中の通路側でもお芝居が繰り広げられるのでとても首が痛くなります(笑)
    小さな声で言っていることも聞こえるので面白いです!
    ラジオDJが場面でラジオを切られてもずっとしゃべり続けてるのが凄かった!
    スマートフォンを使った演出も壮観でした!
    文字を打ち込むときの指使い?にも注目!(笑)
    好きな人は好きなはず!
  • 満足度★★★★★

    無題1502(15-190)
    19:00の回(晴)。

    18:45会場着、受付(メールをみせる、指定席)、既に開場していて覗いてみると超特大宴会場のような配置。入口側から奥へ5列の大テーブル、その両側に座り、堀炬燵のように両足を下す、壮観。(普段の)左右壁際に椅子席、大テーブルには大きな布が敷かれ、誰か中に入っている。役者の方々が座席案内。大テーブルはお隣さんとの間に余裕あり。

    初演(@Site)とは全く違う雰囲気の会場づくり。お客さんのほとんどが若い女性。

    「OLと魔王」からで6作目。しばらく前、某お芝居に田代さんがいらしていたので「次回、行きますよ~」と言っていたのに即刻完売でかなり焦る、が、追加販売でなんとかチケットを確保。

    18:46/18:58前説(120分)...ゆっくりと開演~21:15終演。

    野田さん、田代さん、竹岡さんお馴染みのメンバー、初演時にも出ていらした方、コーラスの皆さんが大きな会場の隅々までつかってミステリー仕立ての物語をみせてくれます。

    掘り炬燵に入るとなかなかカラダを反転させるのが難しいですが、頑張りましょう。

    後ろでもお芝居をやるので目のやり場に悩む、そんななか照明が当たっていないところでも田代さんはずっと役になりきっているのでした。いや、それは客入れのときからだった。

    2回目行くのでまた書きます。

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