追憶のアリラン【ご来場ありがとうございました!】 公演情報 追憶のアリラン【ご来場ありがとうございました!】」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
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  • 劇団チョコレートケーキにしかできない
    終演後アフタートークがあった回を観劇。

    アフタートークで、劇作家の古川さんが「5年後にはできないのではないかと思って。やるなら今しかないと。」とおっしゃっていましたが、今でも、このご時世の中、劇団チョコレートケーキにしかできないと思う。この劇団だからこそできたのだと思う。韓国の演劇祭で上演できなかったのは最もだろう。
    というか、むしろこれは日本でさえも、やって良かったのか?とさえ、思う。
    それほどデリケートな問題にぶつかった作品である。

    本当に、この劇団の作品は期待を裏切らない。濃厚で重厚で繊細で緻密。一人一人が主人公。どの人の気持ちも分かる。
    その時代背景の中、各人の立場、思想、思惑、役割…人間とは何か?戦争とは何か?人種とは、祖国とは、誇りとは…そういったものを考えさせてくれる。
    歴史問題(戦争責任)とかってことよりも、「人」に焦点を置く作品。

    ただ、今回の作品は、今までと違って、分かりやすくはない。着いてはいけるけれども。
    過去の作品でも、現代からのモノローグ→過去の回想、の繰り返しの多用(扱うテーマ的にそうなる)はあったが、今回は、シーンごとの時系列が前後したり、モノローグが現代からのものであったり、過去のモノローグから更に過去の回想になったりした為だと思う。

    舞台衣装の眼鏡にレンズは入れないとか、フレームは光らない素材にするとかした方が良い。
    牢獄の中では少し声が響くようにしてあった。細かいこだわり。
    客入れの音響の重低音がずっと続くのは…頭痛くなってくる。

    色々書いたけど、やはり劇団チョコレートケーキの世界観は素晴らしい。名古屋から見に来て良かった。

  • 満足度★★★★★

    追憶のアリラン
    今回も見応えあり、最初から最後まで息をつかなかった気さえする作品。見逃さず良かった。ますます大好きチョコレートケーキ!こんなスイーツ大好きみたいな感想は合わないと思うけれど、私はいつもこの劇団に忘れてはいけないことを気づかされます。
    エッシャーのだまし絵のような階段のある美術が印象的(美術:蒲田朋子)入り組んだセットで入り組んだ人間模様。
    あらゆる人たちにお勧めしたい舞台です。

  • 満足度★★★★

    とても上質な舞台
    初日観劇しました。
    ただただ、俳優さんの演技に浸り、居られる舞台。 色んなものを削ったからこそ見える、俳優陣の根っこからの芝居が興味深かったです。
    特に浅井さんの演技に目が留まり、感情よりも行動で魅せる姿が素敵でした。

    久しぶりにとても上質な現代口語演劇を観たという印象で、満足でした。
    観劇からは時間が経ちましたが
    これからも、ニュースを眺めたり、ふとした時にこの空気を思い出すのかな、と感じました。

  • 満足度★★★★★

    圧倒的な作品
    完成度の高さは他の追随を赦しません。
    テーマといい、脚本、演出、演技 圧倒的です。
    全く無駄のない台詞を訓練された役者が伝える。これぞ演劇!

    国という観念が我々を不必要な諍いに参加させているのかも知れませんね。
    個人同士の「信」で付き合えたら、多くの問題を解決に向かわせることができるのかも知れません。
    正しく生きる…当たり前の事が難しいのだと改めて感じました。が、そうせずには「信」が生じない。

    虚言に埋もれる現代に確実に一石を投じている作品だ。

    絶対に観て欲しい。

    ネタバレBOX

    月影さんが出演しているのに驚いたが、出来れば黒髪で出演して欲しいなと思いました。
    時代的にも、役柄的にも。
    それだけが不満でした。
    …重箱の隅ですが。
  • 満足度★★★★

    贅沢なのはわかってるんですが。
    緊張感がね、やっぱりよかったです。場面転換もなんかも、広い空間をうまく使っていて。ってなんか偉そうですが。
    ただなんというか、全体にすごくわかりやすくて。言葉で全部説明してくれているので、理解しやすくて、そういうのは悪くはないんですが、その分、なんというか演劇的にはいつもの濃密さが半減したかなあと。
    すごく面白かったし、考えさせられもしたんですけどね、だから贅沢な感想なんですが、わかりやすさが逆に演劇的には浅くなったかなあと。ごめんなさい。ほんとにごめんなさい。すごく面白かったんです。
    それはそうなんですが、「でも」っていうところがあって。
    すいません、うまく言葉にできなくて。
    すごくよかったと思うんですが、手放しで喜べない感じもあって。広さのせいですかね?

  • 満足度★★★★★

    意義のある、素晴らしい作品!
    “朝鮮半島と日本の関係(問題)”に関しては、諸説ありデリケートではあるが、当劇団による本作品上演は意義があると思う。

    史実を基にしたフィクションの本作。
    脚本、演出、役者の演技、どれも良かった。

    また、セットの使い方や、照明がとてもいい感じでした。

    ただ、BGMに関しては、私だけかもしれないが、Highが出すぎでちょっと耳が痛かった。

    ネタバレBOX

    発声・滑舌がよい役者さんがほとんどだったので台詞が明瞭に聴こえた。
  • 満足度★★★★★

    これだけスキなく出来た作品は...
    相互の立場の違いや心情が複雑に絡み合って、目が離せないまま終演した感じでした。浅井さんに泣かされちゃった!ハンカチが必要な作品は(知っている人が少なくなったが、昔の『ぴあ』には、そんな作品にはハンカチのアイコンがついてました)あらかじめ教えて下さい!!! 当日パンフレットにあったように、相互が理解しあえて共栄できる日が来ることを祈りたいです。ぜひ、ご覧頂きたい。

  • 満足度★★★★★

    最高の舞台でした
    出演者の方から薦められて、今回、こちらの劇団さんの舞台を初めて拝見しました。
    全てにおいて素晴らしかった!
    脚本も、舞台セットも、役者さん達の演技も。。。
    2時間以上の芝居にずっと入り込んでました。

  • 満足度★★★★★

    個の魂VS政治の愚
    ハードルがどんどん上がる宿命を背負う劇団になったチョコが、
    シアターイーストの広い空間をどのように見せるのか楽しみにしていた。
    正統派の構成、性善説に則ったストーリーと、奇をてらわない作りながら
    日韓双方の国民の思いが粒立ったように鮮やかに描かれる。
    強烈に脳裏に焼き付いたのは、浅井伸治さん演じる朴(パク)青年。
    その姿勢、声や肩からも、誠実さと信念がこぼれるようで本当に素晴らしい。
    今日本で一番軍服の似合う俳優(と私が勝手に思っている)佐瀬弘幸さんはじめ、
    艶のある声で権力を語る大内厚雄さん、人間味溢れるオヤジを演じた辻親八さんら
    充実の役者陣が繰り出す無駄のない台詞が、わかっているのにこうも泣かせる。
    こういう題材を選んで、無難で浅いだけの作品にならないのは
    登場人物全ての人の本音を、隠さずきちんと言わせているから。
    その上で“完璧でない理想像”豊川(佐藤誓)に
    終盤あの爽快な台詞を言わせるから効き目抜群。
    私の中で間違いなく2015年の忘れられない1本になった。

    ネタバレBOX

    三方囲み舞台の中央奥には、階段が幾重にも重なった
    高さのあるセットが組まれている。
    所々に踊り場のようなスペースがあり、そこが様々な場面の舞台となる。
    階段の下も、その手前の広場も、的確な照明によって効果的に使われる。

    ラジオから「挑戦動乱の収束間近・・・」というニュースが流れる。
    朝鮮から日本に帰国した豊川(佐藤誓)と妻(月影瞳)は、
    ひとりの青年のことを思い出していた。
    かつて豊川は朝鮮総督府の検事局に赴任、三席検事である彼についたのが、
    事務官の朴(パク)(浅井伸治)だった。
    検事局の主席検事(岡本篤)や次席検事(菊池豪)、四席検事(渡邊りょう)らは皆
    朝鮮人を差別しなかったが、憲兵隊長荒木(佐瀬弘幸)だけは弾圧の姿勢を崩さない。
    やがてソ連が日本領に侵攻して日本軍は敗走、荒木は真っ先に民間人と船で逃げ出す。
    残された日本人の動揺を抑えるため、検事局の4人は身柄を拘束されるのを覚悟で残る。
    そして日本人に対する裁判が始まり、豊川も裁判にかけられることになった。
    人民裁判委員(大内厚雄)の元、日本人への報復を誓う取調官(西尾友樹)の厳しい
    取り調べが続く中、朴青年は、豊川の誠実さと正義感を信じ、彼を救おうと奔走する。
    身の危険をも顧みずに・・・。

    “統治”という言葉は知っていたが、実際現地でどのような心情が交差したのか、
    荒木憲兵隊長の言動や豊川の正義感が裏目に出るあたりがとてもリアル。
    豊川を信じ彼の家族の安全を見届けてから、再び平城へ戻って行く朴の
    恩返しと言うには余りに危険な行動が強く潔い。
    「友達を助けたいから平城へ戻る」と言う朴に、その友達が夫のことだと気づきつつ敢えて
    「お友達もきっとわかってくれる、行かない方がいい」と告げる豊川の妻もまた強く賢い。

    憎しみが先行して事実関係など二の次になりがちな朝鮮人の中で
    朴の説得に心動かされて証言を撤回する老人を演じた
    辻親八さんが味わい深く素晴らしい。
    人を見る目を持った人物はどこの国にもいるのだと感動する。

    大内厚雄さん演じる“ソ連の犬”と罵られながらもしたたかに生き抜く人民裁判員が
    日朝関係だけにとどまらず大国の意思に翻弄される国の複雑さを表していてよかった。

    浅井伸治さんはチョコレートケーキの中で、役になりきる度合いの濃い人だと思う。
    セリフ回しとか抑揚とか以前に、たたずまいそのものが違う。
    登場人物の中で最も抑制の効いた人物が、静かだがプラスのオーラを放ち感動を呼ぶ。

    西尾友樹さん演じる取調官が、日本人への憎しみだけで生きているような
    少々平板なキャラだったのが残念。
    証言を翻した老人や、裁判委員の言葉に、明らかな変化を見せて欲しかった。

    夫を日本人に殺された朝鮮人の妻を演じた永井若葉さんには少し違和感を覚えた。
    この人の芸風(?)はハイバイで“異質なもの”として突出するから面白いのであり
    民衆や日常に埋もれて生きる生活感のある人間には合わない感じがした。

    スピーディーな展開や緩急の効いた台詞の応酬、爽快感を呼ぶラストの対立など
    エンタメとしての要素もたっぷり、改めて古川氏の脚本の力を見せつけられた思いがする。
    “極限状態にあって人はどうあるべきか、どうありたいか”
    古川氏の作品にはいつもそれを問われているような気がする。
  • 満足度★★★★★

    思いつく言葉がすぐには見つからない
    終戦間際の日本統治下にあった国。今回も展開は重い。
    真面目に生きているだけなのに、それを粛々と受け入れる覚悟に、こちらは見守るだけしか出来ず、結審後の行く末から噎び泣きだった。
    何も気にせず明日の事を考えられる世の中は良き時代なんだよなぁ。
    役者さん全員素晴らしかった。階段の組み合わせのセットも面白い見せ方でした。

    約135分。

  • 満足度★★★★★

    濃密かつ重厚な舞台
    非常に濃密で重厚な舞台でした。
    テーマ的にも重く、息苦しいくらいの緊張感で、息を飲みながらの観劇。
    2時間超えの舞台で、客席側ではただの一度、終盤で笑い声が出たのみ。(晩酌代の箇所です。)
    内容的には、個人個人の受け止め方、考え方に差異があるので、色々な意見が出るかと思いますが、観れて良かったと思える舞台でした。
    噂に聞いていた劇団さんでしたが、他の公演も観てみたいと思いました。

  • 満足度★★★★★

    目の前50cmの「熱狂」はもう見られないのか?
    今回も史実を通じて人間を描くドラマだが、期待以上に見応えがあった。同じ良心をもった人間でも立場や過去の経験によってものの見方や判断が変わり対立が生まれる。大切なのは相手の立場で考えることと思いやり。ストレートだが強烈な訴求力だ。
    これまでと違うのは舞台が広くなったこと。立体的な構成で多面の舞台を作り、照明ワークで場面を使い分けることで広くなっても臨場感が損なわれることはなかった。しかし初めて観た時のサンモールスタジオ最前列での目の前50cmの「熱狂」が忘れられない。もっともっとメジャーになってもらいたいという反面、客席との距離が開いていくのは少しさみしい。

  • 満足度★★★★

    こんなもんかな
    捻りの無い直球の作り。
    分かりやすく性善説を地で行く作劇。
    期待し過ぎたかな!?

  • 満足度★★★★★

    戦犯とは
    重厚な内容ながら面白く観劇。民族、家族愛など感じ入る素晴らしい舞台。

  • 満足度★★★★★

    ザワザワ
    心揺さぶられ…。歯痒さも感じ、自分を守る事・生きる事とは!?を考え、そして他人とは?愛情、憎しみ…、国、仲間、家族…。観劇後時間が経てば経つほど色々と想いをめぐらすことのできる作品です。

    ネタバレBOX

    かなり客席の年齢層が…。若い方々にも観て欲しいな。
  • 満足度★★★★★

    必見の舞台
    「国家」、「民族」、センシティブなテーマを、奇をてらうことなく、真摯に、誠実に作り上げた素晴らしい作品。2時間以上ありましたが、あっという間でした。
    立場や考え方の違いを超え、一人でも多くの人に見てもらいたい、そう思える舞台でした。

  • 満足度★★★★

    優しく厳しい問いかけ
    現在の社会状況に対して、素晴らしい問いを発している。

    ネタバレBOX

    今の政権は過去の日本の植民地支配を正当化しようとしている。
    また、世相レベルでも、一時の韓流ブームが嘘のように、韓国への好感度が下がってきている。北朝鮮へのバッシングは以前から常態化している。
    そのような社会状況の中で、この作品の問いかける意義は大きい。

    なによりも、歴史に無関心な人、またはなんとなく偏見を持っているような人に届くように慎重に作られている。
    その姿勢が本当に素晴らしい。

    このようなテーマで作品を作ると、どうしても右か左のイデオロギーに偏ってしまいがちだ。それでは問いかけているようでいて、その実、観客を選び排除しているに過ぎない。そのメッセージに共感できる者は喝采し、共感できないものは軽蔑する。観る前と観た後で何も変わらない。何も届かず、何も問うことはできない。だが、この作品は違う。左・右・無関心などの立場に関係なく届く作品になっている。

    ただし、個人的には少し配慮しすぎなように思えた。歴史をよく知らない、または無関心である層への配慮に加え、韓国人や北朝鮮人、在日コリアンへの配慮が加わり、とても丸くなってしまっているように思えた。間違わない、誤解を与えないとの配慮。それも言葉ひとつひとつに至る配慮。そのために、差別の根本にある醜悪なものの濃度は減り、予想を裏切るようなもの、はみ出すようなものも見受けられなかった。つまり突き刺さるようなものがなかったのだ。個人的には観終わって「よかった」と思うよりも、「胸糞悪いけど、概念を揺り動かされた」と思うような作品が見たいと思っているタイプのため、尚更そう思うのかもしれない。

    とは言っても、構造の内部で身動きがとれなくなる人間の描写は素晴らしかった。戦争という極限的状況ではなくとも、私たちの日常的な生活の中でも同様の力学は常に働いている。様々な環境や条件の中でキレイゴトや信念を通すことができないということは、どんな人間でも多かれ少なかれ日々経験していることだ。そのように自分の実人生と重ねて作品を観ることができたことで、当時の人々の苦悩に少しは近づけた気がした。そう思えたということは、この作品が戦争という表面テーマを超えた普遍性を有したものだという証拠だろう。

    いずれにしても、このような作品をこの社会状況に問うていることが本当に素晴らしいと思う。
  • 満足度★★★★★

    不覚にも落涙
    いつもながら、なかなか採り上げられることのない題材を見事に作品として仕上げる、脚本家:古川氏と演出家:日澤氏の手腕に脱帽です。無論、役者さんたちの演技も素晴らしく、初日でここまで仕上がるのなら回を重ねると一体どこまで進化するのか恐ろしさすら感じます。
    人と国、国と国、そして国と人の関わりをいかに持つか。それが悲劇を生まないようにするにはどうしたらよいか。考えさせられる作品でした。

    ネタバレBOX

    人民裁判の判決後、4人の検事が別れるシーンで不覚にも泣いてしまいました。芝居を観て涙するなど、いつ以来だったか記憶にありません。
  • 満足度★★★★★

    アリラン
    よかった。人間のいいところ悪いところを垣間見たような気がする。
    豊川検事の人間性がよかった。スーツと着物の衣装変えの速さに驚きました。照明の使い方もよかった。チョコレートケーキ。他の作品も観てみたい!

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