夜と森のミュンヒハウゼン 公演情報 夜と森のミュンヒハウゼン」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-11件 / 11件中
  • 満足度★★★★

    幻視の内に焦点を結ぶラスト
    うまい作りだと思いました。サスペンデッズ3公演目。最初が震災時、次が一昨年。インターバルが長い。たまに観てみたくなる劇団です。
    考えて書いてるな、という印象がまず。(私のみた)1作目と2作目の色合い、雰囲気が全然違うその違いに驚き、今回のも、あと新国立劇場に書き下ろした芝居も、類似点より差異に目がとまる。では共通するものは何かと言うと・・伏線を静かに置いて解決せぬまま謎が長時間放置され小エピソードが進む、割と最後に大きな謎解きがあって結構引っ張るその間合いが似ている。つまりよく考えて書かれてる感じがする。だが、この芝居の面白さの中心が「伏線とその解消」かと言えばそうではなく、きっちりとその作品なりの世界(その中でドラマが起こる)をこまやかに成立させ、人物たちの関係から立ち上る空気感が「おいしい」芝居に仕上がっている。今回は吉祥寺シアターのタッパに加え、奥行き感もあって「森」の深さを感じる事ができた。今思えば、「森」の空気感に関する非言語情報が、行為の端々に盛られていたように思う。主人公は「森」であった、と言って良いかも知れない。

    ネタバレBOX

    このお話の最後に解かれた「謎」の答えは、残酷だった。
    だがそのギザギザとした黒いものを包み込む「何か」を担保しながら、美しいシーンが現出した。きっと自信作だろう。てがみ座の石村みかが「らしい役」(看護師)を好演し、最後、佐野陽一演じる不思議な存在と対面して「説明」を聴くシーンは、静かで地味でだが、一つのクライマックスである。
    芝居は大変印象的なラストで終わる。われわれ今を生きる人間が如何に苦痛の中にあろうと、等しく死者から何かを得ている事実は普遍であるように思われる、その事を示唆する残像。都合の良い解釈(死人に口無し)であれ、(死者との関係についての解釈は)誰しもが心に抱く事を許される幻想であり、倫理的にそうすべきであるとさえ思われる。最後に解き明かされた「世界」(死者との関係を育む場所)は看護師の想念の中に作り上げた空想=非現実のようでありながら、そうではなさそうだ、という所がミソである。「謎」が解かれた後もその世界の住民である彼はそこが空想上の世界だとは認めない。実在する事実をあくまで言い続けるのだ。その事がこの芝居に骨を与えている。よくあるファンタジーものの夢落ちとは、一線を画した。
  • 満足度★★★★

    2つの世界のストーリー
    人間と擬人化した動物たちが織りなす2つの世界のストーリー。その2つが交差し、最後には微かの光が残る様はとても印象的でした。少し切なさを感じる部分もありますが、それも含めて楽しませていただきました。また、個人的には仕事観(人生観)的な部分も思い入れできるところがあり、非日常の話でありながらも自分の日常を重ねることができたことも良かったです。

  • 満足度★★★★

    夜と森のミュンヒハウゼン
    現実の世界と幻想の世界が丁度よくまじあってる劇場版オズ魔法使い同じ大人のぅファンタジーです

  • 満足度★★★★

    幻想的な世界
    舞台上は森をイメージした木と落ち葉そして机と2つの椅子だけ。
    この上で現代と幻想的な森の舞台を交互に組み合わせる。
    少し難解な、個人個人で捉え方が異なる作品。
    公演中なので、以下ネタバレで。

    ネタバレBOX

    まず、現代では病院を舞台に看護婦とその担当患者の父親との不倫を軸に描かれている。一方、幻想的な森では病気の少女と動物達(少女の前では擬人化して)生活しているが、その森の秩序が崩れていく様が描かれていく。
    この2つの世界が看護婦が森に立ち入る事により、つながりより幻想的な世界観を醸し出している。
    ラストに少女にまつわる事実が明らかになるが、森の世界が幻想なのか?人の心が作り出しものか?ではそれは誰の?(人ではないかもしれない)等、観劇後に色々と考えられ、個人により見解が異なる舞台に思えた。

    役者さんは、この2つの世界でそれぞれの役(2役)を演じられる方が多く、
    それを見事に演じられ、また2つの役柄が世界観での共通点もあり、それも見どころかと思えた。
    個人的には、サキ役の地村瑞穂さん、アユミ役の石村みかさん、そして金田役の白洲本樹さんが印象深かったです。

    別作品も見てみたいと思う劇団さんであり、役者さんでした。


  • 満足度★★★★

    不思議感覚が心地よい
    冒頭の演出が上手い。多くの公演は完全に暗転させて、キャストを舞台上に登場させてから始まる。ところが、本公演は上手からアユミ(石村みかサン)がゆっくり森の中を散策するような感じで幕が開く。その舞台セットは樹木(6本)が立ち、その根元に枯葉が…実に落ち着いた、そして雰囲気のある情景を演出していた。もちろん登場する人間・動物などは魅力的に描かれているが、それは透明感・神秘性ある大きな風景画の中で活かされている産物のようであった。

    ネタバレBOX

    虚実綯い交ぜの世界観であるが、その感覚は人の「心」か「脳」内というものである。目に見えないことは、表現することが難しいが、逆に言えば自由に描くことが出来る。その演出は幻想とも違う…静寂な森の中で不思議な空気が流れているようだ。人間に擬態化した動物たちの本当の人間との出会い、交流もあったが、現実の世界か虚構の世界か判然としない。その「曖昧さ」が不思議さを「鮮明な表現する」ものになっている、という反対感覚を醸し出している。現実話(森での迷い、不倫恋愛など)と空想話(動物擬態化、生存への戦いなど)が交錯しながら、一つの話(迷った森から抜ける)へ紡いでいく。
    森を抜けたら何が、またはどうなるか、という興味は尽きない。
    最後まで余韻を漂わせた、魅力的な公演であった。

    今後の公演にも期待しております。
  • 満足度★★★★

    人の心の闇の深い広がり
     一筋縄ではいかないやっかいな代物である人の心の闇の深さや広がりといったものを実にうまく扱っていた作品だと思います。

    ネタバレBOX

     女主人公が心の底に潜り夢と現実が交差しながら展開する凝った構成や登場人物の配置配役(アユミとサキ、クロ以外は対をなす一人二役など)が表層と深層を行き来する人の心の複雑さを表しているようにも感じられました。
     同様に人の心の奥底を扱った最近の作品としては、趣きは異なりますが、、例えば、モダンスイマーズの最新作「悲しみよ、消えないでくれ」は、雪深い山荘を舞台に死を巡って現実に追われ生きている人間の欺瞞や醜さが露呈してゆく様が実に緻密にうまく描かれていたのが深く印象に残っています。




  • 満足度★★★★

    二つの世界の先にあるもの
    人間社会と森の動物達の世界。似て非なる二つの世界が交差し、絡み合う。その行為に意味はあるのか、何故そうするのか...
    初演から時が経ち、内容も薄れてしまいましたが、ストーリーが展開する度にジワジワと思い出しながらの観劇でした。音楽とムービングが加わった新演出とありましたが、はっきりとした違いはわかりませんでした。ラストに待っている衝撃の事実が、二つの世界を繋ぐ架け橋のようにも思えて希望を感じました。

  • 満足度★★★★

    摩訶不思議な内面劇(?)
     面白かったです。

    森の存在がとても良い発想ですね。

    これが何であるのかは、各人の採り方で微妙に解釈に違いが生じるかもしれませんが、それは観る側の我々が各々想えばいいことなのでしょう。

    「心」なのか「脳」なのか。そりゃ「心」でしょ!?ってのも短絡的かもなあと深読みしたくなりますが、これが案外作者の狙いかも…。

    ファンタジーとはちょっと趣を異にする時間にまずは身を置いてみる事でしょう。

    ネタバレBOX

    演技部の活躍には拍手です。

    特にサキ役の地村さん、素晴らしいです!
    よくぞこの役にこの人がいた!ってくらいの拍手。


    明けない「昏迷」はないのでしょうが、そこに至る過程が非常に良くできています。
    少々、難解な印象を受けるのは、感覚的な手法で書かれた本だからでしょうか?
    全てを理解しようとするより、伝えられた情報に身を任せて、自分の感性だけをナヴィにして体感すべき作品のような印象を受けました。

  • 満足度★★★

    夢か現か幻か
    個人的に久々にサスペンデッズの舞台を見る。今作は再演だが初見。
    舞台上は森の中をイメージした大木が幾つか並び、劇場内はそれを助長するような薄暗さなので、上演前の待ち時間にチラシに目を通そうと思っていたら読み辛いw
    某人気バンドの楽曲をイメージしたかのような衣装かわいい。
    病弱な少女と大人向け恋愛要素も含んだ寓話のような森は生きてる感、だったけど他の作品より分かりやすかった。
    系統は違うのだけど、漠然とCB成井作品を思い出したり。約2時間。

    ネタバレBOX

    ポニーやウサギや狸、ホワイトソックスと呼ばれる動物たちが次々登場してくる幕開けに、一瞬面食らうも、そんな森の奥で暮らす動物たちと違和感なく会話する兄妹。
    ある意味、異次元世界なのに、冒頭から登場するアユミの不倫の末の選択の行為が現実的。なぜこの森に訪れることになったのかがわかってから、この作品に入り込めた。
    ホワイトソックスにより森に生きるルールを破られ、サキの存在も浮かび上がり疑問も解明するが、アユミとサキの2人の決意から森を出て行くあたりは精神医学用語でもあるタイトルの「ミュンヒハウゼン」につながるのかな、と自己判断。
  • 満足度★★★

    ムービング?
    はなかったよね?。石村さんさすが。

    ネタバレBOX

    裸木では森のイメージに欠ける。落葉用意しておいてもだめ。森は葉っぱが生い茂ってるのが私のイメージ。夜の雰囲気もない。真っ暗にしろとは言わないが夜の雰囲気がまったくない。タイトルロールがそこにあるのにそれを感じられないのがもどかしい。。ラストに一気のネタばらし?も好みじゃない。
  • 満足度★★★★

    やさしさ溢れる癒しの物語
    森の包容力とそこの住人達のやさしさ溢れる癒しの物語だった。ショッキングな場面は後方カーテンの後ろに移すなどの配慮も良かった。舞台セットも音響も照明もすべて的確で効果的。役作りもしっかり作り込まれていて、全体的に完成度の高さを感じた。

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