満足度★★★★
幻視の内に焦点を結ぶラスト
うまい作りだと思いました。サスペンデッズ3公演目。最初が震災時、次が一昨年。インターバルが長い。たまに観てみたくなる劇団です。
考えて書いてるな、という印象がまず。(私のみた)1作目と2作目の色合い、雰囲気が全然違うその違いに驚き、今回のも、あと新国立劇場に書き下ろした芝居も、類似点より差異に目がとまる。では共通するものは何かと言うと・・伏線を静かに置いて解決せぬまま謎が長時間放置され小エピソードが進む、割と最後に大きな謎解きがあって結構引っ張るその間合いが似ている。つまりよく考えて書かれてる感じがする。だが、この芝居の面白さの中心が「伏線とその解消」かと言えばそうではなく、きっちりとその作品なりの世界(その中でドラマが起こる)をこまやかに成立させ、人物たちの関係から立ち上る空気感が「おいしい」芝居に仕上がっている。今回は吉祥寺シアターのタッパに加え、奥行き感もあって「森」の深さを感じる事ができた。今思えば、「森」の空気感に関する非言語情報が、行為の端々に盛られていたように思う。主人公は「森」であった、と言って良いかも知れない。
満足度★★★★
2つの世界のストーリー
人間と擬人化した動物たちが織りなす2つの世界のストーリー。その2つが交差し、最後には微かの光が残る様はとても印象的でした。少し切なさを感じる部分もありますが、それも含めて楽しませていただきました。また、個人的には仕事観(人生観)的な部分も思い入れできるところがあり、非日常の話でありながらも自分の日常を重ねることができたことも良かったです。
満足度★★★★
幻想的な世界
舞台上は森をイメージした木と落ち葉そして机と2つの椅子だけ。
この上で現代と幻想的な森の舞台を交互に組み合わせる。
少し難解な、個人個人で捉え方が異なる作品。
公演中なので、以下ネタバレで。
満足度★★★★
不思議感覚が心地よい
冒頭の演出が上手い。多くの公演は完全に暗転させて、キャストを舞台上に登場させてから始まる。ところが、本公演は上手からアユミ(石村みかサン)がゆっくり森の中を散策するような感じで幕が開く。その舞台セットは樹木(6本)が立ち、その根元に枯葉が…実に落ち着いた、そして雰囲気のある情景を演出していた。もちろん登場する人間・動物などは魅力的に描かれているが、それは透明感・神秘性ある大きな風景画の中で活かされている産物のようであった。
満足度★★★★
二つの世界の先にあるもの
人間社会と森の動物達の世界。似て非なる二つの世界が交差し、絡み合う。その行為に意味はあるのか、何故そうするのか...
初演から時が経ち、内容も薄れてしまいましたが、ストーリーが展開する度にジワジワと思い出しながらの観劇でした。音楽とムービングが加わった新演出とありましたが、はっきりとした違いはわかりませんでした。ラストに待っている衝撃の事実が、二つの世界を繋ぐ架け橋のようにも思えて希望を感じました。
満足度★★★★
摩訶不思議な内面劇(?)
面白かったです。
森の存在がとても良い発想ですね。
これが何であるのかは、各人の採り方で微妙に解釈に違いが生じるかもしれませんが、それは観る側の我々が各々想えばいいことなのでしょう。
「心」なのか「脳」なのか。そりゃ「心」でしょ!?ってのも短絡的かもなあと深読みしたくなりますが、これが案外作者の狙いかも…。
ファンタジーとはちょっと趣を異にする時間にまずは身を置いてみる事でしょう。
満足度★★★
夢か現か幻か
個人的に久々にサスペンデッズの舞台を見る。今作は再演だが初見。
舞台上は森の中をイメージした大木が幾つか並び、劇場内はそれを助長するような薄暗さなので、上演前の待ち時間にチラシに目を通そうと思っていたら読み辛いw
某人気バンドの楽曲をイメージしたかのような衣装かわいい。
病弱な少女と大人向け恋愛要素も含んだ寓話のような森は生きてる感、だったけど他の作品より分かりやすかった。
系統は違うのだけど、漠然とCB成井作品を思い出したり。約2時間。
満足度★★★★
やさしさ溢れる癒しの物語
森の包容力とそこの住人達のやさしさ溢れる癒しの物語だった。ショッキングな場面は後方カーテンの後ろに移すなどの配慮も良かった。舞台セットも音響も照明もすべて的確で効果的。役作りもしっかり作り込まれていて、全体的に完成度の高さを感じた。