汽水域 公演情報 汽水域」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-10件 / 10件中
  • 満足度★★★★

    動画観劇です
    水に冠したタイトル通りに
    簡易波止場風に板の渡しと杭打ちしたようなパイプの突き立った舞台です

    金は命より重い裏社会の暗黙のルールが主人公を
    絡めとってゆく様子が淡々と描かれていました・・・・・・

    でも明るく感じるのは主人公の強さでしょうか

    ネタバレBOX

    勝手に課した借金の返済で
    主人公とペアにされた相手と共にどちらかを殺せという選択は
    状況もさることながら地上波のTVとかではあまし出てこないよなぁと
    結局半年の猶予中相手が自死してしまうのですが
    後に温かく迎えてくれた日本の水場で
    同じ顔した人から(配役利用の妙ですね(^^)邂逅を得られるつくりは
    明るさに追い風で観ていて爽やかでありました
  • 満足度★★★

    てがみ座初観劇
    以前から評判は聞いていたのですが、中々タイミングが合わず
    今回初のてがみ座観劇となりました。
    少し難しく複雑な内容だったので、予備知識があれば尚更物語世界に感情移入することが出来たと思います。
    それでも全体的に物語性も社会性も高く、とても見応えのある素晴らしい舞台でした。
    舞台上が暗い水面のように役者を写していたのが印象的。次回公演が楽しみな団体がまた増えました。

    ネタバレBOX

    家族を愛しながらも孤独な二世の父親。
    父親の国で暮らすことを夢見た長男。
    生まれ育った場所をひたすら愛する次男。
    人は何処にどう暮らしていようと最後は一人なんだと切ない気持ちになりました。
  • 満足度★★★★★

    心に残る舞台
    てがみ座は「地を渡る舟」以来2度目ですが、壮大なストーリーでありながら、とても繊細な作りで今回も引き込まれました。風琴工房で拝見した事がある佐藤誓さん、「地を渡る舟」 でファンになった中村シユンさんはじめ役者さんも素晴らしかったです。

  • 満足度★★★★★

    無題1322(14-371)
    14:00の回(晴)。13:40会場着、受付(全席指定)。

    初日に続いて2回目、同じ列でやや中央より、千秋楽です。

    14:02開演〜16:10終演。

    正面、所々穴のあいた網が天井近くまで張ってあり、その高さをぼんやりと眺めていると…タイトル「汽水域」とは別に、深海に至る層同士の間で混じり合わない「温度躍層」のことを思うのでした。

    混じり合ったように見えても、時の流れによって分離してしまう関係。そもそも、越えられない境界線が存在する関係。縦にも横にも孤立し、繰り返し、繰り返し…分散し、溶け込み、薄れ、色を喪い、消失する…そんな世界をみているようでした。

    川は、海は、月は、きっとそんな人々の想いすら流しさってしまうのでしょう。

    フィリピンと日本の場面転換、異なった時間の並存…空模様が変わるほんのひと時…意識が重なり、移り、遡るような感覚でした。

    「てがみ座」の公演は、今年、本作で終わりですが、できるだけ客演作も観に行こうと思っています。

  • 新たな作劇への旅立ちの決意ともとれる作品
     ここしばらく続いた評伝劇スタイルを離れ新たなテーマ、モチーフを求める作劇へ旅立とうとする作者の並々ならぬ決意の表れともとれる舞台作品のように感じました。新作についてはしばらくは模索の旅が続くような予感がします。

    ネタバレBOX

     長田さんの戯曲は長田さんの生真面目さがそのまま戯曲に出てしまい(このこと自体は美点なのですが)ややもすると一本調子になりがちになるところがあり、息の抜きどころがあまりなく緊張感を常に高く保つため観ていて疲れることがあります。肩の力を抜き緩急の落差をもっと大きく効かせた遊び心というかゆとりの要素が加われば、さらによりよい戯曲にそしてレパートリーの幅が広がることにもつながるのではと思います。
     また、長田さんのアイデアなのか扇田さんのなのかはわからないのですが、最初のほうの場面で賭け将棋もとい賭けチェスで紛失したクイーンの駒の代わりにメトロン星人のフィギュアが使われていた(かなり前方の席から観ないとはっきりわからないかもしれません)のにはニヤッとしてしまいました。ナベゲンの畑澤さんの「さらば!原子力ロボむつ」でもそうですが、演劇の方でもウルトラシリーズのファンは結構いるようです。
  • 満足度★★★★


    大きな物語性は流石、と思わせます。ただ、、以前のファンタスティック性が薄まり、現実にシフトしつつあるように思え、特色を少し残して欲しい、かな。

  • 満足度★★★★

    大回遊
    スケールの大きなところはさすがでした。

    ネタバレBOX

    フィリピンの日系三世の青年が、ウナギの稚魚を獲っている最中に怪しげな日本人と知り合い、不法に日本へ渡り、泥水にまみれながら不法に暮らし、希望を失い入国管理局に出頭して帰国しようとするまでを、フィリピンの海辺の寒村と横浜の寿町を舞台にまるでウナギの回遊をなぞるかのように描いた話。

    不法滞在者は所詮ブローカーの食い物にされてしまっただけでした。同じように、ウナギの稚魚が漁れる海辺を港湾にするのがフィリピンにとって本当に良いことなのか、結局はODA予算を当てにする日本の建築業者の食い物にされるだけのようです。

    田舎は用地買収された上に家族は全員台風で死んでしまい、フィリピンに戻る青年は孤独です。

    玉ちゃんは何だったのでしょうか。もう一回ぐらい出てきたら賑やかしとしての意味もあったのかもしれませんが、役者さんの出番を増やしただけのようでした。メリーさんですか。私はメリーさんに二回ぐらい出くわしたことがあり、びっくりした覚えがあります。
  • 満足度★★★★

    とても実験的な舞台でした。
    てがみ座さんは、昨年11月に『地を渡る舟』を観劇して、風の記憶を記録するというその骨太な脚本と演出に驚き、期待して、新作『汽水域』の初日に、シアタートラムに伺いました。トラムは、『バリモア』以来です。作品は、日本とフィリピンが、ウナギと海川の水の流れを媒介して、相互に交流する舞台。評伝劇から、物や人が相互に交流する場(自然)を主題とする劇への展開を図る、とても実験的舞台でした。しかし、自然という舞台の上では、すべての人は、脇役に過ぎないとうことを思い知らされる舞台でもありました。

  • 満足度★★★★

    まじりあっても
    まじりあっても一つになれないものなのですね。海はつながっているのに、空も一つなのに…、生まれた時代・場所による格差。色々なものを感じました。また舞台美術も素敵。劇場内に潮風が吹くのを感じられました。

  • 満足度★★★★★

    無題1317(14-366)
    19:00の回(曇)。18:20会場着、18:30開場。

    水面に星の光が映っているような舞台、桟橋のような足場、浮き球、赤く細かい目の網、トタンのバラックのような佇まい。

    開演前、18:44、席に戻ると役者さんが舞台に2人、車や列車の音、帽子を深く被り、背中を丸めた人たちが集まってきました。

    いつ始まったのか、19:00開演(たぶん)~21:17終演、初日乾杯。

    佐藤さんは風琴工房「proof(プルーフ)-証明-」で観ていて、そのときの美術は「杉山至+鴉屋」、当パンをみると横山さんも出ていらしたのですね(来月の「みそじん」予約しました)。

    とても重い内容でしたので、少しずつ継いでゆこうと思います。千秋楽にもう一回観に来ます。

    ネタバレBOX

    Wikiをみると「満潮時には海水は河口をさかのぼり、干潮時には淡水がより下流まで流れ込む。この両者の影響を受ける範囲」とあります。どちらでもあり、どちらでもないような、ということが本作の背景を示しているようでした。

    地平が傾き始め、すべてのことがゆっくりと転がってゆく先は、分裂か崩壊か、であって、生きるために為すべきこと、こだわり続けなければならないこと、強い(=money)者と弱いものという二重構造は混じりあうことはなさそうです。

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