マッチ売りの少女 公演情報 マッチ売りの少女」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★

    マッチ売りの少女の…
    交響曲(シンフォニー)のようだった。
    「死」を連想させる原作に比べ、本公演は「生」を感じた。



    ネタバレBOX

    原作は大晦日の夜、少女が寒空の下でマッチを売っていた。なかなか売れず、あまりの寒さに、少女は少しでも暖めようとマッチに火を付けた。その時流れ星が流れた。祖母が「流れ星は、消えようとしている誰かの命なんだよ」と言っていたのを思い出す。最後のマッチに火を付けた。その時、祖母が現れ、少女を優しく抱きしめて空へ昇っていった。新年を迎えた翌朝、少女はマッチの燃えかすを抱えて、幸せそうに微笑みながら死んでいた。

    本公演は、逆に希望の火(灯)が見えたかも…。戯曲をダンス表現で観(魅)せてくれた。
    自分のイメージは、スズキ拓朗氏の太いマッチ棒(独舞)は擦らない。精神的支柱のようで、いくら弄ばれても揺らがない。一方、少女マッチの群舞は、紅蓮のようであるが、その先は儚さを感じてしまう。同一場面において、「独舞」「群舞」は交わることはないが、常に対比させるような印象を持たせる。そして、群舞のマッチ棒は静かにマッチ箱へ…不条理を逆手に取った逞しい公演に感じた。
    今後もすばらしい公演を期待しております。
  • 満足度★★★★★

    マッチ売りのダンス
    不条理劇にダンスは合いますね。

    ネタバレBOX

    メインの姉に付属的な姉が7人いて、姉は全員で8人でした。その8人の姉が男にマッチを売っていたところを表現するダンスは素晴らしかったです。

    ズロースをチラ見させるために前転したり男の肩に足をかけたり、複雑な構成のダンスを何度も何度も繰り返すのはよく間違えないものだと感心しました。8人の中には男性が二人いたのですが、男性の姉が逆立ちしてパンチラしようとすると、お前のは見たくないと言わんばかりに男が押し返すのが愉快でした。

    映像を映したりもした大きな箱がマッチ箱だったのにはビックリ、7人の付属的姉たちが実はマッチ棒で、それぞれがマッチ箱に収まったのも素敵でした。
  • 満足度★★★★

    面白い
    別役作品はどちらかというと苦手な方だが,こういうダンス公演にして生演奏も入ると,とっても興味深く,楽しく観られる。ダンスももちろん良かったが,歌が綺麗だったなぁ。70分の公演,堪能しました。

  • 満足度★★★★


    上演時間70分。ダンスなのに戯曲でもあった。別役作品をダンスにしたのはさすが。演劇色が強めで、もっとダンス寄りのほうが個人的には好み。

  • 満足度★★★★

    表層と深層
     スズキ 拓朗氏のソロ、火の用心は、巨大マッチとのバランスダンス。マッチ売りたちのダンスは組みダンス。(こういう言い方が正しいかどうか分からないが)いつも通り、バランス感覚の良いダンスだが、元々を辿ればアンデルセンの悲劇童話だ。が、今作のテキストは別役 実バージョンである。

    ネタバレBOX

    手元に別役テキストが無いので確認できていないのだが、今作では、マッチ売りの少女が模範的な市民の住まいを市役所で確認した後訪ねてゆくシーンがある。
    生じ入れられた家では、丁度、お茶を飲んでおり、少女もお呼ばれに預かるのだが、出されたカップは1つ。然し背後には同じ身なりのマッチ売りの少女がまだ7,8人は居る。その約半数は、男の役者である。而も招かれた少女を含む全員がオープニング直後のダンスシーンでは、マッチを擦った後、股間に灯りが点るダンスを披露している。答えは自ずと明らかであろう。因みに少女の年齢は7歳である。
     少し、世間を知ると言う者なら、マッチする束の間に、彼女達は生者の果てのない闇を見せていたのだ、とでも言わねばならないだろう。それは、行儀よく、模範的小市民として暮らしている夫婦の居間の暖かさの陰には、陰惨で鬱々とした年端も行かない男娼、娼婦の現実が横たわっている現実を示しているのだ。
     そして、招じ入れられた1人の少女の背景にたくさんの同じ格好をした子供達が居るのは、無論、彼女1人が例外ではないどころか、子供達の行きつく先が此処にしか無いことを暗示している。その意味で、マッチを売る総ての子供が、「善良」な市民の子なのである。おまけに、7歳の子供から、こんなことを思いつくわけでもあるまい。
     少女の訪ねた一角には、暖かい火の灯った家は2軒あった。2軒の間に小さな隙間があった。朝、少女の命は消えていた。彼女は手に殆ど燃え尽きたマッチの束を抱えていた。“彼女は寒かったのです”とナレーションは告げるが、彼女の寒さは単に冬枯れの寒さのみではあるまい。親切や善良を売りにしている小市民の陰の部分、普段決して他人に見せることのない、本能に支配された部分をひた隠そうとして様々に偽装する。その浅ましさにこそ凍りついたのではなかったか?
  • 満足度★★★★

    今回も美しい
    観劇後にはいつも美しいものを見せてもらったなと思える、とても好感度が高いパフォーマンスは健在。

    コンテンポラリーダンスと演劇との融合も楽しい。これを観るとダンス公演をもっと観てみたいと思う。
    …空間の使い方としては、過去作品の方が優るかも。

  • 満足度★★★★

    ダンスなのに、
    ちゃんと別役さんの「マッチ売りの少女」になってました。生演奏もいいアクセントに。ただ、少女が複数いるのは青年団が円形でやった「マッチ売りの少女たち」を観ているんで意外性はないよね。

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