満足度★★★
兵庫県立文化会館
シーンごとに美しいなと感じたものはありました。
自分は誰かに感情移入したい方なので、ちょっと合わなかったかな。
西牟田さんの出番が少なかったのも個人的には残念でした
満足度★★★★
いつの時代も
好き嫌いが分かれる作品なんだろうなぁって感じました。しかしあの配役はばっちり嵌っていたと思います。若さを感じたし。こうなる背景は今も昔も何ら変わりのないようなそんな気がします。
満足度★★
聖俗が重なり合う物語
新国立劇場の公演にしては物語的にも表現的にも尖った作品でしたが、その尖り具合いが中途半端で、全体としてぼやけた印象を持ちました。
ドラッグとセックスに溺れる青年ジェイコブとその周囲の人達の殺那的な生き方を通じて、呪われた血の繋がりや、若者の燥焦感が描かれていました。
原作を読んでいないので、戯曲化にあたって松井周さんがどこまで新たな要素を加えたのかは分かりませんが、ギリシャ神話や聖書の世界と性的・社会構造的に普通ではない人々の世界が重ね合わさる趣向が松井さんらしかったです。
暗転の後に突如現れる、ヤコブ(=ジェイコブ)の梯子を思わせる冒頭の光景が印象的で、普通ならラストに持って来そうな場面を最初に出しつつも、その場面を最後に繰り返す様な常套手段を用いなかったのが良かったです。しかし、その後の展開で冒頭シーン程に引き込まれる瞬間が無くて、物足りなく感じました。
維新派の特徴である変拍子のリズムに乗せた台詞や幾何学的な動きは用いられてなくて、比較的普通のスタイルで演じられていましたが、モノトーンが中心的な色彩構成や、時間や空間を飛び越えて人物を舞台上に配置する手法が松本雄吉さんらしく、独特の緊張感を生み出していました。
真っ黒な空間に十数台の傾いたベンチ状の木製のオブジェを様々な並びで配置して異なる場所を示していたのが演劇ならではの表現で良かったのですが、所々で奥の壁面に実写やCGのリアリスティックな映像が映し出されるのが逆に安っぽく感じられて、残念でした。
本水の使い方も冒頭は良かったものの、終盤のシーンでは床を濡らさない為にそれまでベンチだけで表現していた舞台に異物的に感じられる小さなステージをわざわざ出した割りにはあまり効果があるとも思えず、興醒めでした。
満足度★★★★
迸る緊張感
故中上健次の青春文学を、松井周さんが戯曲化し、ジャン・ジャン・オペラでおなじみの「維新派」・松本雄吉さんが演出するという、ある意味、異質な取り合わせの舞台。
内から溢れ出す怒りから、ドラッグに、セックスに、革命思想に溺れる、様々な境遇の若者たちの青春像を、冒頭からラストシーンに至るまで、緊張感をとだえさせることなく描ききっています。
コルトレーンのジャズが、迸る緊張感をさらに効果的に高めていきます。
観客にこびず、それでも、松本さんらしい、「言葉の洪水」のうまい使い方で、観るものを惹きつける手腕はさすがでした。
欲を言えば、キレのあるアンサンブルの動きが、もっっと多用されていてもよかったかなと思います。
のど元にナイフの切っ先を突きつけられ続けるような、緊張感の迸る2時間でした。
満足度★★★★
松本雄吉ワールドに陶酔/約120分
松本ワールドを初体験。
松本雄吉という人はこういう演出をするのかぁ…
スタイリッシュで抑制を効かせた演出が緊迫した劇世界を作り出し、登場人物のセリフの一つ一つ、一挙手一投足がビンビンと胸に響いて、最後まで前傾姿勢のまま夢中で観入っってしまった。。。
話の鍵を握る三人の男たちそれぞれの狂気が劇世界を食い破るようにして客席までひしひしと伝わってくるのも、この抑制の効いた演出のゆえだろう。
むろん、狂気を表現する俳優陣の演技も素晴らしく、ことに、高木直一郎のイカれっぷりを生々しすぎるほど生々しく表現した某熟年俳優の鬼気迫る演技は圧倒的!
主人公ジェイコブのやさぐれた生活、鬱屈した心象を描きながら、時にハッとするほど美しいシーンが挟まれるのも効果的。
照明や音響、そして構図の妙が作りだすそれらのシーンの妖しさには息を呑んだ。
満足度★★★
良くも悪くも
新国立でのお芝居と言う感じ。もっと過激にしてもいーだろうし、もっと抽象に責めてもいーだろーし。そのバランスの悪さが露呈してました。
結果としては上品に仕上がっていたのが残念。
もっと攻めを