平田オリザ・演劇展vol.4 公演情報 平田オリザ・演劇展vol.4」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
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  • 満足度★★★★

    忠臣蔵、OL編観劇
    武士編を先に見ているので物語の構造がわかっている分、違いを楽しめて良かった。ビジネス現場に置かれて、相手との対話を求められる社会的役割を忠臣蔵の討ち入りが決まるまでの流れを相関しているのがうまいなぁと思った。

  • 満足度★★★★★

    忠臣蔵 武士編
    一見、ものすごくバカバカしい喜劇。青年団もこういうグダグダな感じもやるんだって新鮮。でも、中盤〜終盤できちんと討論が成されて、余計なものが削ぎ落とされて結論にいたるくだりはスカッとする。わかりやすく深いなぁ。

  • 満足度★★★★★

    働く私観劇
    ロボット演劇は3回目。見る度、人間とロボットは何が違うんだろうって思うし、何も変わらないかもって思ってしまう自分にビックリ。30分の短い上演中にもグッとくるセリフはいくつもあるけどラストシーン好きだなぁ。

  • 満足度★★★★★

    『ヤルタ会談』観劇
    実に面白い。

    ネタバレBOX

    やや小太り型のスターリンとルーズベルト、そして極端なデブのチャーチルの登場、そして彼らの特徴的な服装に、一気に引きこまれてしまいました。

    秘密会議があって、その後の世界情勢は誰もが知っている、となれば何が話し合われたかは想像できます。その後を1年後と見るか5年後と見るかで、密約の内容を膨らませたり縮めたりすることもでき、実に面白いと思いました。

    ドイツのこと、ポーランドのこと、日本のこと、バルカン半島のこと、ユダヤ人のこと、パレスチナのこと、ソ連参戦のこと、原子爆弾のこと、きちんと話したり、結論先送りだったり、ちらっとほのめかしたり色々あったのでしょう。

    田舎っぺ言葉で元気そうに振る舞っていたルーズベルトでしたが、本当に体調が良ければ違った結論になっていたかもしれませんね。

    6月1日のアフタートークで、『忠臣蔵』や『ヤルタ会談』の他にも、第一次世界大戦後のパリ講和会議で、切れて帰ってしまったイタリア、何も発言しなかった日本、そもそも破れたドイツが第二次世界大戦の敗戦国になった史実に関心があり、会議シリーズはいくらでもネタがあると平田オリザさんがおっしゃっていましたが、そうそう、そうだったんだろうねと思わせる面白い話をまた作ってほしいものです。
  • 満足度★★★★

    『働く私』観劇
    ユニークな設定。

    ネタバレBOX

    夫婦二人の家に男ロボット、女ロボットがいて、夫は鬱で、男ロボットも鬱という話。面白い設定でした。

    人間の細かい機微に合わせて話し相手をしたりすると、相手に似てくるのかもしれません。

    人間にとって夕焼けが美しいという感覚をロボットも認識できるかという問題については、危険がなくて、低いけれどもある程度の頻度で出現する自然の姿を見た場合には一々警戒する必要もなく、それならば珍しさに応じて気分を高揚させるプログラム設定もありかなと思います。
  • 満足度★★★★★

    働く私/星新一に似て非なる世界
    観ながら思い出したのは中学時代によく読んだ星新一のショートショート。

    ロボットと人間の交流を扱うところも星新一なら、ちょっとブラックな味わいも星新一。ただ、ラストシーンに色濃く漂う叙情性は星新一にはないもので、この終幕こそ本作の肝。

    2体出てくるロボットは本物のロボットが演じていて、そのなめらかな動きに加え、顔がクシャッとなったり、目が泳いだり、黒目が収縮したりして、微細な表情まで作れることに度肝を抜かれた。

    ネタバレBOX

    ある夫妻に仕える男女のロボットの物語。

    ロボットのお約束通り、彼らは美を感じられず、ベランダに出て夕焼けの美しさに見とれる夫妻に羨望を覚えながら、男ロボット・タケオは人間だけが美を感じられるワケを次のように語る。

    「例えば夕焼けは、2人で見るからいいらしいんだ。1人で見ても、誰かと2人で見た時のことを思い出すから、夕焼けを美しいと感じるんだ。だけど僕らは、まだそこまで進化していない…」

    それでも、女ロボットのモモコと夕焼けを見にベランダへ繰り出してみるタケオ。

    すると2人を、淡いオレンジ色の光が包み込む…。オレンジの光に包まれた2人は、オレンジという色の効果で、互いに照れているようにも見えて…。

    ロボットが美に、そして恋に目覚めたことを暗示するかのようなこの幕切れの胸にクること!

    御大には悪いが、星新一にこんなシーンは作り出せまい。
  • 満足度★★★

    ヤルタ会談/2人トークが醍醐味
    チャーチルとルーズベルトとスターリンが第二次大戦の戦後処理について秘密裡に話し合ったあの会談を戯画的に描いた会話劇。

    何度かある、1人が席を外して2人トークになるくだりを私は面白く鑑賞。外れた1人に配慮して言わずにおいたあれやこれやを互いにぶっちゃけ合う展開になり、ハジけた面白さがありました。

    ネタバレBOX

    全員が男である3国首脳の演じ手2人が女性だったり、3人とも演技がおどけていたり、そうしたことに多くを負って笑いを取っていたのが残念。
    そうしたケレンを排し、各人の名の書かれた全身黒タイツ姿の3人が淡々と戦後処理について話し合うといったドライな作りにしたほうが、会話自体のおぞましさがより際立って良かったのではあるまいか?
  • 満足度★★★

    忠臣蔵/武士編に軍配!
    武士編、OL編とも鑑賞。より引き込まれたのは今演劇展のために作られたという武士編のほう。
    大石内蔵助ら赤穂藩の武士7名が藩主の起こした刃傷沙汰とそれに伴う切腹を受けて今後の身の振り方をざっくばらんに話し合う会話劇なのだが、それぞれのキャラが立っているうえ会話にドライブ感があって、とてもノれました。
    とりわけキャラが立っていたのは一同の長である大石内蔵助。ある熟年男優が演じた大石は飄々としていて親しみやすい反面、どこかに貫録も。この人になら皆がついていくに違いないと思わせる魅力があって、大石を議長とするこの会議劇に多大なる説得力を与えていました。

    武士たちが忠臣蔵の時代にはありえない現代的アイテムを携えて登場する演出にどんな意図があったのかは最後まで分からずじまいでしたが、意図不明ながらも面白かったです。

    ネタバレBOX

    OL編の脚本が武士編とほぼ同一だったのにはびっくり! 「ならば一方は観るまい」と考える人のためにも、両作の脚本に大差がないことは事前に告知したほうが良かったのではないだろうか?

    いや、その前にそもそも、大差がないこと自体に問題がある。

    武士編は良いとして、もう一編は「OL編」と名づけた以上、忠臣蔵のストーリーをOL社会にアジャストするよう作り変えるべきだった。OLの世界で起こりうる“忠臣蔵的事件”を創作し、それを軸に話を回すべきだったのだ。
    ところが、実際に上演された作品は、武士編とほぼ同じやり取りをスーツや事務服のOL7人が社員食堂でランチしながら交わすというある意味シュールなもので、彼女たちが自分たちはOLであって武士ではないという現実に目をつむり、“武士としての大変後の身の振り方”を「仕官」「討ち入り」「籠城」などの言葉を使って議論しても真実味など出るわけがなく、最後までノれなかった。

    いや、大変後の身の振り方を真面目にでなくざっくばらんに語り合うところに平田版忠臣蔵の眼目があることは理解できるし、“ランチ中のOL”という設定が会話にざっくばらん感を出すために作られたものであることも分かるのだが、それでも、OLコスをした女たちが社食で上のようなことを語り合っても説得力は極薄。
    OL編しかなかった今までは百歩譲ってこの作りで良かったとしても、正編とも言うべき武士編が作られた以上、OL編は上に示したようなものに改作されるべきである。
  • 満足度★★★

    忠臣蔵・OLB
    面白い。80分。

    ネタバレBOX

    こっちが元の作品ということで、休憩室でOLが飯食べてるところに浅野の刃傷沙汰の知らせが入ってきて、一同今後の身の振り方を話し合う…。

    あくまで忠臣蔵の討ち入り前段階の話し合いという内容で現代OLの格好をした女性たちが論をぶつけ合う。論が空中に舞うかのようなサラリーマン会議を皮肉った異色作というった感じ。

    田中を演じた長野海の勢いのいいような演技がなんとなく気に入った。小瀧万梨子のOL姿がきれいだった。
  • 満足度★★★★

    『忠臣蔵・OL編』【Bチーム】観劇
    A>Bが好み。

    ネタバレBOX

    Aチームが刀に特徴があったのに比べて、こちらはぱっと見特徴は見られませんでした。ゼネコン編と呼ばれる所以かもしれません。

    武士編を観ると、侍C(田中)と侍A(鈴木)は同じくらいの地位で、大石に次ぐ中間管理職という感じでした。二人は、と言うか侍たちはほぼタメ口でした。

    だからこそ、なぜOL編では侍C(田中)が制服で、侍A(鈴木)がスーツ姿なのか、益々その理由が分からなくなりました。二人の関係は事務職と総合職のような関係では無いはずです。サラリーマンのことが分かっていないのかもしれませんね。
  • 満足度★★★★

    『忠臣蔵・武士編』観劇
    ほぼ同じ。

    ネタバレBOX

    『忠臣蔵・OL編』とほとんど同じ。男だけ、食事をしない分、ホワイトボードを使わない分で武士編が5分ほど短いのが違いと言えば違いでしょうか。

    侍A(鈴木)の持つ竹刀とは別の小刀は背中をぐりぐりする肩たたき棒でした。その棒のくるっと曲がっている様子が如何にも関ヶ原から100年経ち、武士道がねじ曲がってしまっていたことを象徴しているようで笑いました。

    そして確かに、決意して以降、みんなに武士道精神が身に付いていったのでしょうね。

    ところで、侍C(田中)がタブレット端末を持っていましたが、じゃあネットで刃傷事件の詳細は分かるんじゃないのって気もしました。
  • 満足度★★★★

    忠臣蔵・武士編
    面白い。50分。

    ネタバレBOX

    鈴木(大竹直)…討ち入りや篭城に消極的。
    佐藤(海津忠)…日和見主義と揶揄される。
    田中(河村竜也)…篭城派。武士道を重んじるが良く分らなくなる。
    佐々木(島田曜蔵)…討ち入り派。
    大橋(山本雅幸)…仕官派。
    久保田(前原瑞樹)…泣いてうるさい。
    大石(大塚洋)…まとめ役。

    コーラとかipadとかレッドブルとかの現代的な小道具や子供の教育感とかで味付けされた武士たちが、現代人っぽい討論過程を経て、なんとなくの勢いと流れに押され、討ち入りという重大事項が決まるという作品。
    「だからさ、こう討ち入り目指していく過程で、だんだん武士道的になっていけばいいんじゃないの、みんなが」というセリフが象徴するように、武士道って大事と思えてたものが、よくよく考えるともやっとしたよくわからんものだから、後付な方向に置かれていっちゃう面白さというのか。

    OL編の前に見たけど入り込みやすく、笑えるとこも多かった。演技のメリハリもいい。
  • 満足度★★★★★

    先に武士編、次にOL編
    男性の方が分かりやすい気もした。

    女性編の方は、逆にちょっと分かりにくいかも(苦笑

    食べながらでも核心をついた議論がなんか可能になっちゃう
    女性ならではの女子会がリアルに感じられた・・たぶん(笑

    もう一方のOL編も観てみたいなぁ・・なんとか来週。

  • 満足度★★★★★

    ネタばれ
    ネタばれ

    ネタバレBOX

    平田オリザの【演劇展】を観劇。

    【働く私】【忠臣蔵・武士編】【忠臣蔵・OL編】【ヤルタ会談】の短編、中編を含む4本立て。

    特に面白かったのは忠臣蔵シリーズだ。
    武士編もOL編も設定が変わっているだけで、内容はほぼ一緒。

    大石を含む侍たちが、吉良邸に討ち入りするか否かの顛末を描いている。
    そこで大石たちは武士道精神に則って切腹するか?仕官になるか?
    自分の保身を考えつつも吉良に対する復讐などを現代風に描いているのだが、彼ら、彼女らは自分が武士であるが所以の悩みを抱えてつつ、今の置かれた環境の中で必死にもがいていくのである。それは昔から現代に至ってもなにも変わらない何処かに所属しているサムライ=サラリーマン、OLという図式だ。
    そして最後には一致団結して討ち入りをするのだが、そこで大石は名言を吐くのである。

    【自分とは何なのか?誰なのか?】

    現代口語演劇を武器に、現在の小劇場界の潮流を築いた平田オリザが、
    アングラごときのセリフを平然と書く辺りに現代口語演劇の本質を発見したような気がする。

    必見!
  • 満足度★★★

    「動く私」 ロボットと人間のふれあいを描いた25分
    人間2人とロポピーR3の2体の出演でなぜ、人間とロボットがコミュニケーションを取りながらも、ふれあいとは、芸術とはという技術の進歩とこれからのロボット演劇の未来を感じた、25分でした。

  • 満足度★★★★★

    『忠臣蔵・OL編』【Aチーム】観劇
    仮名手本忠臣蔵だと四段目評定の段、全てはここから始まったとも言える重大な会議でした。

    ネタバレBOX

    食堂に刀を持った制服姿のOLが登場。次に総合職らしき女子社員が来て今朝来た早駕籠(はやかご)のことが話題になって、あれっ本当に忠臣蔵、少なくとも江戸時代なんだと思いました。会社の倒産話などに置き換えられているのかと思っていましたので少し意外に感じました。

    そして、江戸で刃傷事件が起こったことが明らかになり、さらにOLが集まってそれぞれが赤穂藩取り潰し後どう対応するかの意見を言い合い、最後に大石が来て議論が始まりました。

    籠城して抵抗する派、家老に託す派、討入派、転職派、切腹して抗議する派などの意見があった中、最後は殿だけを悪者にした公儀に抗議するためには幕府を困らせることが一番と考え、仕官を勧められたときにはそれに従うことも已む無しなど秘密を守るためには臨機応変に対応することを前提に、討ち入りしてその後幕府の処分を待つということに意見がまとまり、大野は泣いて反対するだろうななどと言いながら全体会議に向かうような感じで食堂を後にしました。

    登場人物は7人。アフタートークで初演を演出した静岡県舞台芸術センターの宮城さんによると、意見を出し合う順序が左右対称的に構成されているとのことでした。平田さんからも、意見が分散し収束する過程に工夫がこらされていること、東京ノートでも舞台で二人だけになるのは丁度真ん中だとの話がありました。

    デコ刀があったり、パトリシアは洋剣だったり、刀の大きさで忠誠心のようなものが表現されていたりして笑いました。Aチームは外資系、Bチームはゼネコン系というのにも笑いました。

    制服姿のOLとスーツ姿のOLがいました。必ずしも事務職と総合職というわけでもないかもしれませんが、もしそれぞれが事務職と総合職だったとすると、事務職の方が偉そうな口の聞き方をしていたのは少し不自然に感じました。

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