カルメン 公演情報 カルメン」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.1
1-10件 / 10件中
  • 満足度★★★

    視点の置き方がチグハグ
    新奇性のある幕開けからスタートして期待したが、まだ脚本も演出も演者も力不足の感あり。視点の置き方がチグハグで観客をおいていき過ぎ。終盤演者が泣いていたのは、演技だとしたら問題あり、そうでなければ引いてしまう。発表会ではないのだから。

    ネタバレBOX

    一生懸命なのは伝わってくる。何かを伝えたいという思いも感じる。ただ、同年代でもっと出来る人達がいるのも事実。あくまでも印象でしかないが、他団体とか観てるのかな?と感じた。当日制作とかもバタバタしていて、劇場の規模に追いついていない。
  • 満足度★★

    <ものがたり>の方が面白いですねぇ・・
    大学生の研究発表という形をとった舞台設定でしたが、
    実際は役者によって決め事以外自由に演じるという設定だったようです。

    ・・・正直期待感が高すぎたかなぁ・・・・新春の初観劇だったしなぁ

    昔語りに徹底するか、裁判芝居風に料理するか、
    学生の研究発表に徹するとかして基本をしっかりとして
    表現の簡素化を狙った方が良かったのでは?と思われたデス。

    ネタバレBOX

    ホセの方言とカルメンの奔放さ→というか昆虫みたいな反射行動は楽しかったし役者さんもらしくて良かった。 が鍛え上げられていない肉体を見せるのは勘弁だなぁとも思ったです。

    結末が解明に至らず道程も不案内になってしまった感あり

    免罪符の変形=イエスちゃん人形は受けたが
    他にも笑いをとるシーン数々入れてはいたが、
    内輪受け的な様相もありちょっと厚みが不足していたなぁ。

    裁判風にして主役二人の経歴や育成環境などのプロファイリング付けて観客に示した方が方向性が良かったのでは?細かいところは原作に無いだろうから作者や他の上演者の解釈とかも交えて報告し演じてもらう=または語ってもらうと言う表現をしてほしかったかしら?
  • 満足度★★★

    設定は興味深い
    が、全体の構成と演出意図がびみょー。
    新規さにとらわれすぎて、一番大切なものを見失ってはしまいか。

    (長文失礼)

    ネタバレBOX

    ざわざわ感の残る舞台に立つ女子大生が「なぜドン・ホセがカルメンを殺したのか」の研究発表を始める。この導入部分はいい。
    彼女の仲間が『カルメン』を演じながら、「なぜ」を探っていく、という展開になるはず。
    しかし、劇中劇が始まるやいなや、その「劇中劇」に発表者である女子大生が取り込まれていく。

    そこで、劇中劇への視点が変わる。
    劇中劇は、発表者の視点なのか、発表者を取り込んだ劇中劇からの視点なのか。
    さらに、そもそもの、「研究発表」自体が、「劇」であって、そのことはラストに近づいて行く中で強調される。

    そういう「視点」のブレていき方は面白いと思うが、本来の「視点」、「何を見せたいのか」をポイントとしてきちんと整理すべきではないだろうか。

    発表者である女子大生の立ち位置がわかりにくい。
    劇中劇に取り込まれたときには、死刑になるところを逃げてきたドン・ホセの人質のような立場。つまり、「ドン・ホセが自分の話を聞いてほしい」と女子大生に言ってくるという「聞き手」の位置。

    そして、女子大生はその話を聞く、という体(てい)でストーリーが動き出すのだが、ストーリーへの関わり方は、もとの「発表者」としての女子大生というよりは、「今、演劇に出ている、女子大生の役を演じている人」の視点なのだ。特にラストにかけては。

    つまり、「発表」といいながら、何かがわかって発表しているというのではなく、「観客と一緒にそれを探っていこう」というものだとも言える。

    であれば、それを観客に知らせないとわかりにくい。
    そして、彼女がなぜ「なぜドン・ホセがカルメンを殺したのか」をテーマに選んだのか、が見えてこないので、ラストが唐突なのだ。

    「シアターカンパニー象の城として、この公演に参加している人たち」という立ち位置が常に意識される。
    ラストの女子大生役の感想もそうだが、「では、この公演はあなたたちにとって何だったのか?」が問われているはずなのに、役から役者に戻るシーンでは、各々感想がとても薄い。「え?」って思うほど。

    最初の役者紹介にしても、「自分の言葉がない」。
    ここは本来の台詞がない部分なのだろう。
    にしても、あまりにも貧弱だ。
    そして、最も大切な女子大生の、最後の感想はあまりにも浅くて薄すぎる。

    ドキュメント的な要素を入れ、「劇」「劇中劇」を上演してまで、つまり『カルメン』を上演することで「何か」を「知りたい」「得たい」という欲求があったはずだ。

    当然、その段取りはある程度予定されていたのだから、各役者は自分の設定された役、つまり、「カルメン」を演じる発表者の仲間の設定の役になり切って、どうこれから取り組んでいくのかを見せ、さらにそれがどう自分(たち)に作用したのかがないと、まったく意味がない。

    ラストで発表者の女子大生が「演じた彼らも……」という台詞を言うのだが、演じた彼らの立ち位置も意味合いもまったく表面に出てきていないので、見ている側としては「知らねーよ、そんなこと」になってしまう。

    女子大生本人は、「愛」とか「情熱」とかそんなものを信じていないまま公演をしていたが……と、ラストでようやく語り、自らの公演に感動して話しているのだが、それが伝わってこないのだ。「何」に「どうして」感動しているのかが。
    そこから丁寧に伝えようとしなければ、女子大生役が涙ぐんだりしていても、しらけてしまう。

    自分たちだけでわかったつもりになっていてもしょうがない。

    「それ」を「見せる」こと、「感じさせる」ことがこの作品の目的なのではないだろうか。
    つまり、自分たちが感じたことを、「感じました」とだけ言うだけでは作品としての成り立たない。

    自分たちが作品を作り上げる上で「感じた」ことを、いかに観客に伝えるかが、大切なのではないだろうか。それがこの作品のキモではないか。
    演出は、それをもっと掘り下げなくてはダメだ。

    自分たちが感動しただけ、のレベルでは伝わらない。
    伝えるためには、手順を追って、説明する責任がある。

    「言いたいこと」が本当に、ドキュメント的にラストの女子大生の台詞に集約されているのならば、もっとシンプルな構造でも十分ではなかっただろうか。

    叫ぶ台詞が(特に前半)多いのだが、叫んで効果を出すのならば、叫ばない台詞も大切だ。ムダ叫びは聞いていて楽しくない。

    カルメンのキャラ設定が、彼女の激しい口調で見事に現れていたのだが、すべて同じ一本調子なのが辛い。演出が気を回さないと、役者の苦労が台無しになってしまう。
    もっと、シーンによって演技(演出)を変えたほうがいい。
    今のままだと、カルメンという人が、自由奔放なでけの、深みのない女性にしか見えてこない。

    主人公である女子大生が、自分が信じられないことを、「カルメン」という演劇を通じて、その中に入り込み、ストーリーに思考を預けながら、辿っていくというというのがこの作品ではなかったのだろうか。

    であれば、先にも書いたように、「カルメン」という演劇を選んだ理由が、テーマにかかわってくるし、そうした一番大きな全体像が、小手先のメタな設定に気を取られて、しっかりと提示されていないことが残念でたまらない。

    また、主役であるドン・ホセは、人となりや、内面がなかなか見えてこない。葛藤が見えてこないのだ。ラストのほうでなんとなくぼんやりと見えてくるのだが、それでは「なぜドン・ホセがカルメンを殺したのか」という命題がクリアになっていかない。
    女子大生が辿る意識の中(劇中劇)の主人公であるドン・ホセは大切なキーマンだからだ。

    つまり、女子大生の意識=ドン・ホセであったのではないか。

    面白い要素はいろいろあったし、意欲的な作品だと思ったが、この作品のレベルを上演するのであれば、課題は多いと思う。

    しかし、ちょっと気になる劇団ではある。
  • 満足度★★★★

    カルメン解体
    大学の研究発表のような雰囲気でカルメンを解体してしまったアイデアは新鮮。「ドンホセはどうしてカルメンを殺したと思うか」という問いを事前に投げがけられたので、考えながらの観劇だったが(該当シーンでは、ふと、近松の心中ものが脳裏をよぎりました)、解体後には多少なりとも再構築を行なうか、私のように考えるのが苦手な人用に、方向性くらいは示してくれたら親切だったかも。最後に思い切って自説を発表しても良かったと思います。

  • 満足度★★★

    日本の情況でどう生き残るか
     構成としては現代に視点を置き強調したい点があっての現在を過去の物語が包み込むような二重構造になっている。女子大生、咲が銃で脅され、廃ホテルに人質として監禁されたのが発端だが、犯人は凶悪には見えない。咲きは彼に事情を訊ねる。彼が話したのは、メリメの名作、「カルメン」に似た情熱的な話だった。

    ネタバレBOX

     時間軸にずれがあるが、もう少し落ち着いたら、内部から声が上がるだろう。さて、彼、ドン・ホセの話した内容である。時代は19世紀半ばのスペイン。ホセは元騎兵である。但し、カルメンが人を殺めた時、彼女を逮捕しそこなって3カ月謹慎させられた後、上官であった中尉の門衛に任命されて働くことになった。が、カルメンは中尉とできており、ホセがカルメンを口説いている席に中尉が現れた為、カルメンにのぼせ上っていたホセは中尉を殺し、追われる身となった。成り行き上、カルメンの紹介で彼女の属する密輸グループに加わることになるが、殆どのメンバーがジプシーなのに、ホセが仲間になることを認められたのは、ルーマニアで奴隷として遇されていた彼らが解放され、パイロ(ジプシーから見てジプシー以外の人々)との関係が改善されつつあったことに関係がある。後半のストーリー展開は観てのお楽しみ。
     原作を強調した部分に愛と自由、信と不信や宗教などのテーマが目についたのでちょっと気をつけて観ていると、若いメンバーで構成されているこのグループにあっては、今、殊に此処で生きるに当たって喫緊の課題は不信であろうと気付いた。
     企業は嘘ばかりついて、実際にはこき使い、おまけに使い捨てを歯牙にもかけず、それを問題にしようともせぬばかりか、政治と結託している。その証拠に、日夜仲間と食事会やゴルフに現をぬかして「国家」を私物化しているにも拘わらず、真反対の明日に夢を持てるような社会づくりなどと嘘しかつかないことに、己自身が気付かない程の阿保を首相に据えて恥を知ることもない大手産業会及びマスコミとそれに踊らされていい気になっている愚集ばかり見せつけられれば、どんなに鈍感であっても、若いというだけで信じられないということだけはわかるハズだからである。
     このように乱れ切った現代日本を19世紀中葉の矢張り乱れ切ったスペインに置くことで、其処に生きる不信感そのものの被差別民の持つ、不完全との認識すら持てずに求める自由と、彼らの自由にすら至りつけなかった哀れなスペイン旧社会の真面目さが哀しいまでに滑稽な普通の青年のドラマを演じてみせたのだ。無論、このドラマを悲劇とするか喜劇とするかは観客の判断に委ねられている。
     ところで、カルメンの至り着いた自由は、ほんの一歩目に過ぎない。第1、男に頼るという所から一歩も出ていない訳だし。完全自由が何を意味するのかを考えたこともない女として描かれていることも事実である。
     また、上演に当たっては口立てで舞台の科白をつけ、出演者達の素を引き出すよう努めたという。演劇の専門大学があり、基礎訓練をきちんとしている国々と日本はその辺り、根本的に事情が異なるので、本質勝負を掛けてきたわけだが、そうであったも、演技のタメは最低限必要だ。科白は観客に届けば良い。が鳴りたてたり、叫んだりする必要は、基本的にはない。それが必要な場合は物語の展開状況が要請するのである。呼吸法などによる身体制御も無論必要だ。以上挙げた点が舞台上で実行できなければ、役者の存在そのものを舞台上に曝け出せなければ、観客を引きずり込み、熱狂の坩堝に叩きこむことはできない。作家、演出家は、ここ迄考えておく必要があるのは当然のことである。高い物を目指すのであれば尚更だ。今後に期待している。
  • 満足度★★★

    カルメンごっこ
    終始カルメンごっこだったように感じました。
    殺陣のシーンはすごく頑張っていたけど、真面目に演じているのか
    コントなのか意味が理解できない部分もあって、少し残念な気がしました。
    カルメンが歌って踊ってくれれば、もっと良かったかも。

  • 満足度★★★★

    無題962(14-001)
    19:30の回(晴)。18:46会場着、受付。19:03開場、此処は2回目(前回、日本女子大の学生さんが客演する作品)で受付後、座って待つよう案内あり。受付の際もそうですが、終演後も外で対応しているスタッフのみなさんの対応はとてもよかったです。

    席に着くと「レジュメ」を渡され、見回すと、グレーの舞台...床、奥に設置された家具類、ベンチ、どこでもドア(?)、アナログプレーヤー、椅子、箒・モップ・デッキブラシ、霧吹き、ノート...、正面の大きい円をくり抜いたもの。その外側は会場そのもので黒...

    中央にホワイトボードがあり、手前のプロジェクターが「なぜドン・ホセはカルメンを殺してしまったのか」慶応大学総合政策学部(サイトをみると「総合政策学部は、21世紀の世界の問題を発見し、問題を解決して社会を先導する『問題解決のプロフェッショナル』を育成します、と)3年 松本咲、とあります。

    開演前から役者さんたちは舞台に、19:25前説、19:30プレゼンに入るということで開演~21:01終演、その後アフターイベント。

    松本さん開始の挨拶、堀口研究会(?)のプロジェクトメンバー、演りつつ動機を探る、6人メンバー紹介、誘拐され廃ホテルに連れられ、カルメンを殺すに至った話を聞くことになった松本さん...どうする。

    2年前の「ミュージカル地獄八景亡者戯(片倉さん、曽原さん、中川さん、松本さん)」とはガラッと変わった内容でした。

    プレゼンという('客観的な)形式が終盤崩れ、個々の感情(身に着けているものを手渡す行為によって?)が表に現れたのかやや唐突感を感じました。

    どこまでが大きな枠組みで、どこからが役者に任せられた部分なのか、1回だけではつかみきれず...永遠の謎。

    叶わぬ想い(あるいは一方的な感情、はたまた根本的な思い違い)に突き動かされ殺してしまう...のは今でも起きていているので、研究発表として関連づけることができたのではないかと思いました。

    ネタバレBOX

    初めてみるプレゼンという型式、役者さんが後方で眺めているところなどリラックスした雰囲気が新鮮でした。なので、逆に終盤で感情が乗ってくるあたりから???(もともとこういう進み方だったのかな?)と思ってしまいました。

    チラシの表...さりげなく、スペイン/マドリードの案内図。手にしているのは、るるぶのスペインあたりか...演出者名が駐車禁止とは意味深。

    廃ホテル=Hi Hotelかと思いました。

    ちょっと間が空いてしまうシーンが気になりました。

  • 満足度★★★

    カルメンに魔性が感じられず
    「なぜドン・ホセはカルメンを殺したか」このテーマで学会にてプレゼンをする女子大生が聴衆にカルメンという物語を知ってもらうため、そして自身が考えるヒントを得るため学友たちに同作を演じてもらう、という趣向。
     プレゼンの一環ゆえ演劇的完成度はさほど求められないということなのか、演じながら役者が素で笑ったり、ギャグがてんこ盛りだったりと、このカルメンはかなり自由。
     そこが面白味となっているのだが、カルメンまでがふざけているのはどうかと思った。
     カルメンは幾多の男を虜にする魅惑的な女であり、殺された背景にはこの魔性が大きく関わっているのであってみれば、プレゼンのための資料演劇として見た場合、カルメンはもっと魅力的な女として描かれるべきである。なのに、ああもふざけてばかりでは色気の“い”の字も感じられず、そんなカルメンにホセが惚れたこと自体が嘘くさく思えてくるし、少なくともバルブはあのカルメンには決して惚れない。
     カルメンがあんな風ではそれも当然、という気もするが、カルメンへのホセの愛があまり伝わってこないのも問題。“ホセがカルメンを殺した理由”を探るための資料演劇として見た場合、カルメンに対するホセの愛の深さも、やはりきちんと描かれるべきである。

    ネタバレBOX

     ホセによるカルメン殺害の「暖かな真相が、いま明かされる」と釣り書きにあるのに、結局明かされないのも残念。
     手放しでは褒めづらい一作だったが、“プレゼンの一環として演じられる”などの工夫を盛り込み、カルメンをストレートに舞台化しなかった点には大学生らしい野心が感じられ、好感を持った。
     数あるギャグの中では、ホセの告解を聴く修道僧が教会の経営難から“イエスさん人形”(でしたっけ?)なるオモチャを売り歩くシーンがお気に入り。お腹を押すとピコピコサンダルのような音がする可愛いキリスト人形からはキリストが備えるべき権威が根こそぎ奪われていて妙におかしく、クスクスと声を立てて笑ってしまった。
  • 満足度★★

    熱演ではある
    一生懸命な気持ちは伝わってきたが、大声と怒鳴り声は使い分けてほしい。悲劇の中でのコント風ののりが軽薄に感じた。

  • 満足度★★★★

    カルメンの紛い物は、
    思ったよりもちゃんとカルメンしてました。個人的には、愛だの情熱だのというより、時代に弄ばれ差別を受ける者たちの普遍的な物語の印象。また、ポストドラマをデフォルトで装備している世代(ですよね?)だと思いますが、ドラマとの向き合い方が誠実で好感を持ち待ちした。

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