公演情報
「ハード・プロブレム」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
人間の意識に関する学問的探究における「難しい問題」を扱ったタイトルで、主人公の女性個人の身辺のドラマは縦軸に置き、横軸に学問上の同僚、ライバルらと交わされる学問的な刺激的な議論、それに関わる主人公らの実験の成功から思わぬ展開に至るラスト。議論の詳細は忘れたが、個人が外界から受け取る感覚=クオリアの実証困難性に関係する疑問のように思われた。また感覚とは脳神経の単なる反応であり、将来それは分析そして再現可能だという楽観的立場に対し、感情、心は「反射」や「反応」にとどまらない要素を含むのではないか、なぜ悲しいのか、を脳が神経繊維から受け取った刺激に対する自動的な反応だ、とだけに還元できるものなのか、その疑問が、主人公にも、ある。
決着は付かない。が、人間への問いに真顔で、真剣に迫ろうとする営みを、作者は尊いものだ、と書いている。そしてそれらはまだ分からない、という事も重要なのだと恐らく言っている。「分からない」事を分かった事実であるかの前提を敷いて他を攻撃する言論状況。分からない事が逆説的にとても大切な事実になった。
トム・ストッパードの作品2本目を漸く観られた。
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2026/09/10 (木) 19:00
脳科学…果たして楽しめるのか?との多少の不安もあったけれど、始まったらぐいぐいとその世界へ連れて行ってくれた。
翻訳劇なしぐさがあったりにはクスッと笑ってしまったけれど。
女性としての立場や環境…、ヒラリーを演じた那須凛さんに目が釘付け。ラストも凄かった。
実演鑑賞
満足度★★★★
脳科学や進化生物学の用語や理論がふんだんに出てくるが、それがストーリー展開にどう絡むのかが今ひとつわからないまま唐突にデータ操作と養子の素性のエピソードが現れ、話に一区切りついて終わってしまった印象。劇中で繰り広げられるハード・プロブレムに関する議論のセリフの応酬はまあまあ面白かったが。話の展開の上で役割のよくわからない登場人物もいる(作者はどういう意図でこの人物を出したのだろう)。結局、ハード・プロブレムについて主人公はどんな考えを持つに至ったのか。データ操作や養子のことがハード・プロブレムに関わる問いの答えの一つなのか、とも思えたが、よくわからない。AIの時代になり、AIが主観を持ち得るのか、といった問題にも関連しそうな、時流にのる興味深いテーマであり、それもあって青年座はこの台本を取り上げたのだろうと思う。