公演情報
劇団青年座「ハード・プロブレム」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
人間の意識に関する学問的探究における「難しい問題」を扱ったタイトルで、主人公の女性個人の身辺のドラマは縦軸に置き、横軸に学問上の同僚、ライバルらと交わされる学問的な刺激的な議論、それに関わる主人公らの実験の成功から思わぬ展開に至るラスト。議論の詳細は忘れたが、個人が外界から受け取る感覚=クオリアの実証困難性に関係する疑問のように思われた。また感覚とは脳神経の単なる反応であり、将来それは分析そして再現可能だという楽観的立場に対し、感情、心は「反射」や「反応」にとどまらない要素を含むのではないか、なぜ悲しいのか、を脳が神経繊維から受け取った刺激に対する自動的な反応だ、とだけに還元できるものなのか、その疑問が、主人公にも、ある。
決着は付かない。が、人間への問いに真顔で、真剣に迫ろうとする営みを、作者は尊いものだ、と書いている。そしてそれらはまだ分からない、という事も重要なのだと恐らく言っている。「分からない」事を分かった事実であるかの前提を敷いて他を攻撃する言論状況。分からない事が逆説的にとても大切な事実になった。
トム・ストッパードの作品2本目を漸く観られた。