パソドブレ 公演情報 パソドブレ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★★

    アツい!
    それぞれのキャラクターがきちんと人生を背負って生きているのが伝わってくる。
    脚本演出がいいのであろうことはもちろんのこと、
    役者さんたちも軒並み実力者であるとお見受けできる。
    拝見できてよかった。

  • 満足度★★★★

    初見
    無茶苦茶なストーリーといってしまえば、それで終わりだが。。いくつかの伏線があり、面白かった。

  • 満足度★★★

    2・26事件との関連
    過去の人たちの現れ方に一工夫ほしかった。夏だから雷とか・・・ふつーすぎ?でも、なんにもないよりいいような・・・唐突にあらわれても面白くない。

    ネタバレBOX

    2・26事件のころ女学生で警官に憧れていた大家さんがデリヘル嬢に乗り移っていたのがおかしい。さらに大金払っていたのには大笑い。田中は将校たちに何を変えてほしかったのか?まず、自分が変わらないと世の中は変わらないよ~
  • 満足度★★★★★

    やんわりと、だが深く
     パソドブレとは、闘牛場の行進曲として発達した音楽のことである。ライター役の信楽が、作中、闘牛の話をするのは、無論、このタイトルと無縁ではない。それどころか、1936年7月フランコ独裁に対し共和国を支持するスペイン内戦が起こった。対フランコ戦線には、アンドレ・マルローなど著名な作家を始め義勇軍が世界のあちこちから集まった。ジョージ・オーウェルの「カタロニア讃歌」は余りにも有名である。(因みに2.26は1936年2月26日に起こった)
     今作の舞台が、夏(2013年)になっているのは、タイトルと以上のような理由から、スペイン内戦との対比に於いて書かれているからであろう。

    ネタバレBOX

     当然のことながら、その民主化のレベルに於いて、現在のスペインと日本との比較も行われていることは自明の理である。実際にスペインを歩いてみた経験から言えば、スペインの方が、この腐り切った日本などよりよほど民主的だというのが、自分の感想ではある。
     本題に移ろう。主人公、田中の住むアパートは、築ん十年。風呂なし、トイレ共同、大家も同じ棟に住む典型的な木造おんぼろアパート、設定では4畳半である。この部屋には、アルツハイマーになり掛けた大家が、合い鍵で勝手に上がり込んでくる。何をするというのではないが、偶にTVを見る以外は、座って背を丸め、うつらうつらしている。田中の愉しみは、その大家の生き死にを確かめることである。他の彼の趣味と言えば、制服物のAV・DVDを見ること。デリヘルの女の子を部屋に呼んでにゃんにゃんすることである。だが、大家といい他の人間、近くの部屋の住人でライターの信楽やら、治験のアルバイトをした時に知り合った九谷やら、九谷を追っ掛けている押し掛け彼女や様々な人間が集まってくる不思議スポットでもある。田中は当然迷惑なのだが、来る連中は全然気に掛けていない。何しろ、田中の非常食、冷蔵庫に入れてあるビールなどの飲み物も勝手に持ち出して飲み食いし、おまけに世帯主である田中の分はいつも無いのだ。
     まあ、ハチャメチャなのだが、兎に角、人が集まる不思議スポットであることだけは確かなようで何と1936年2月26日から首相暗殺直前の織部中尉、暗殺を阻止しようとした益子巡査2人が、20年後の1956年からは織部の元妻が、この部屋へタイムスリップしてきたのである。
     タイムスリップしてきたのは、最初は2.26の二人組。首相を銃殺しようとする織部に対して守ろうとする益子のくんずほぐれつの取っ組み合いの果て、中尉は、余りに職務に忠実な警官を撃ち殺すことになってしまうが、タイムスリップした時点では、まだ、くんずほぐれつ状態である。いきなり現れた、2.26組を、現代組は誰も本物だと思わない。ドッキリかコスプレだと思っている。丁度、田中の呼んだデリヘル譲とおぼしき女性が来たこともあって、大がかりな演出迄含めたニュータイプデリヘルと解釈する者まで現れる始末だ。
     これに対し、2.26組は、将校も警官も元を辿れば、貧農の出であることが、示唆されている。警官の故郷は弘前、従軍した戦争で父は他界し、姉は飢饉の年に女郎に売られた。母も父の後を追うように亡くなる。彼は弟妹を支える為に警官になった。一方、将校とて例外ではない。イデオロギー的には北一輝の「日本改造法案大綱」などに影響を受けた訳だが、背景にあるのは、民衆の貧しさである。決起した将校は全員、民衆の貧しさに心を痛め、為政者の腐敗に憤っていた。その憤懣は、噴出するマグマのように強いものであったことが、決起将校らが、上級軍人に対して2.26以前、盛んに様々な形で民衆の窮状を訴え、改善策を具申していたことでも知れる。彼らの議論は、白熱すると、激論の果に鼻血を出す程のものであった。これに対して、上層部の対応は一部の例外を除いて木で鼻を括ったようなものであったことは、今の事態と変わらない、為政者共の無責任と集団的退廃、無能、無策を表すものである。2.26に決起した将校のうち実際に自分の姉妹を売られた者もいたはずである。そんな貧乏人の倅が何故、将校になれたかと言えば、優秀だった所為で、奨学金を得て陸士を出ているからである。従って、貧しさは彼ら自身の大問題であったのだ。
     だが、2.26組もタイムスリップした先で、その後の歴史がどのように動いたのかを少しずつ知ることになる。織部の妻は、娼婦になっていた。それは、彼女が織部を愛しながらも自立する為であったが、惚れた女が娼婦になったというのは、無論、男にとってはショックである。 これに対し、田中他現代組にも、彼らがヤラセで出て来たのではなく、タイムスリップして来た本物であるという認識が生まれ、彼らの意思を確認した後、居た時代に帰す方法が、模索される。その結果、彼らが田中の部屋へ現れた原因として、田中の持っていた2.26決起組に共感するような心的エネルギーや、織部の妻がタイムスリップする刹那に出会ったガス爆発時のエネルギーポテンシャルの高さが原因で、このようなことが起こったのだという結論に達した。織部の妻がここへ来たのは、結婚記念日で織部の事を考えていた丁度その時、ガス爆発に逢い、エネルギーポテンシャルの高まった時点でのベクトルが、織部へ向いていたということであると解釈される。何となく来た時の状況にムー的説明がついたので物語は進展するが、本当に命懸けで決起した者とそれを命懸けで阻止しようとした者と現在の間にあるギャップは大きい。その事の差異も劇中でキチンと描かれる。それは、言葉だけで遊んでいる謂わば自慰行為としてのクーデターごっこと人生を背負った者との差である。
     一方、2.26が、結局は、賊軍として処理されたように、将校達の知的限界を露呈したのも事実であろう。その後の裕仁の戦中・戦後の態度を見ても、己と親族を守るため、また天皇家を守る為なら他はどうなろうと構わない、という天皇の本質を暴くことができなかった点が決起将校達の限界でもあった。
     2.26組は当時のその場所へ、戻ることになる。誤って益子を殺してしまったのは、劇中の展開で益子に憧れていた女学生であったことになっているが、殺害の罪は、織部が負い、益子の遺体と共に1936年2.26日の雪景色に消えて行く。ところで、女学生に憑依されていたのは、田中が呼んだデリヘル譲であった。憑依が解けて我に返ったデリヘル譲は部屋に居た男3人に輪姦されたと勘違いし、オトシマエをつけろと凄む。事務所へ電話を入れてマネージャーを呼び出し、田中達を脅しに掛かるが、寝ていたように見えた大家がむっくり起き出し、財布の中から1万円札を掴んで彼女に渡す。彼女が黙っていると更に、次を。もう良いと言っても更に余計に。と彼女は、そのまま、帰って行った。大家が二ーっと笑う。
     無論、大家の役回りは、一種の重しである。時空間が入り乱れる中の安定項なのである。たえず存在することで、重しの役目とトリックスターとしての役目、更には最終的に頼るべき者・所として機能している。
     ところで、現在の我々が暮らす日本と、内戦以降数々の苦難を経て現在に至るスペインとで民度の差は如何様であろうか? 国際オリンピック委員会総会でアメリカの実質的植民地・日本の恥、安倍が「状況はコントロールされている」と語ったと報道されているが、「情報はコントロールされている」の間違いではないか? 無論、後者がホントのことであり、それをアイロニカルなジョークとして書いているのである。我々の文化は、落語という話芸を持つ文化だからな!



  • 満足度★★★★

    うどんもよかった
    無駄な人生なんて無いよな。価値は自分で創るもの。人生は自分で切り開くもの。そう再認識した芝居でした。ふう。

    九谷のオーバーアクション的な演技に笑いました。半分は苦笑ですが。きゅきゅきゅ。

    ネタバレBOX

    缶ビール。缶を開けて。飲んでた?
    おいおい酔っ払っちゃうじゃんって思ったけど。
    何かからくりが?
    みんなそんなに飲んでないと思うけど、純子が片付けるとき、カラだったような。

    四畳半ってあったような気がするけど、十畳くらいない?
    どうでもいいんですが。

    昔の人がカップ麺食べたらまずいと思うのかな。
    ぼくは逆にすっげえ美味いっていうと思うな。
    だってあれは麻薬みたいなものだし。
    慣れてない人はいちころだと思うな。
  • 単なるタイムスリップものとは一線を画す作品
     将校と警官が現れるくだりのところなどやや唐突なところもありますが、単に過去と現在の対比で終わらせないところや内容はかみ合わないがセリフとしてはうまくかみ合っている場面など台本がよくできていて登場人物設定もしっかりしておりまたその登場人物によく合った配役がされていたと思います。

  • 満足度★★★★

    安心して観ていられる脚本
    旗揚げ公演は残念ながら観ることが出来なかったのだが、HPを見ると登場人物が一人増えているようだ。誰が増えたのだろう?これならみておきたかったな~と思わせていただきました。
    田中のある種覚めている感覚と云うのは、最近の若者感覚とでも言えるのだろうか?
    登場人物は一癖も二癖もある人物ばかり、其々が不思議な縁に引き寄せられて四畳半の一室へ、その人間関係の絡み方は則末さんの力量の表われだといつも感心させられる。

    ネタバレBOX

    初日に伺ったが、受付に出演者の優也さんがいて、少し驚いた、出演者なのだから誰か変わってくれないの?会場案内は前回出演者の孫さんがされていて、なんだか得した気分。
    案内を見てみると今回の登場人物は焼き物の名称だ(ストーリーとは直接関係ないが)発条の登場人物はよく何かの名前で決められているな、その遊び心は好きだな。
    田中の部屋は四畳半との設定だがこれだけの人数が集まったら身動き出来ないよな、と思ってしまった、則末さんごめんなさい(だって一辺3m弱の四角い部屋ですから)今回の舞台は、持ち道具に少々不満が、織部中尉の持っていた刀(軍刀)は形が違うなと思ってしまった、銃もワルサーPPKの様だったし(時代が合わない)益子巡査の持っていたのもオートマチックだったけど、多分あの時代の巡査ならリボルバーだと思います。まあそんな細かいことは無視しても良い程度の事ですが。
    今回の登場人物の関係がタイムスリップ物で少し判りにくい部分があるのですが、良い意味で裏切られたりして、整理する意味でももう一回みてみたい。

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