女の作るものなんてダメだね 公演情報 女の作るものなんてダメだね」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★★★

    無題788(13-217)
    18:30の回(小雨)。17:55会場着、受付、そのまま中へ。カウンター側に椅子席3列。周囲が暗幕で覆われた舞台、客席ギリギリにテーブルと椅子が一組。四角い底浅の皿と空のグラス、ナイフ&フォーク。18:30前説(さいじょうさん、97分、ブランケットの用意あり)、18:33開演〜20:11終演。みどり人は3作目。姉妹の部屋、スーパーのバックヤード、新宿のおしゃれなブティック、とある喫茶店。どれも小さなお話ですが表と裏、登場人物の姿を各話で上手につなげて現し、「いやいやこれは確かにある」と思わせる仕上がりで面白かったです。

  • 満足度★★★★★

    ワクワクしながらもどこかヒヤヒヤして
    前回、阿佐ヶ谷のPLOT以来の観劇。「女の作るものなんてダメだね」このタイトルを付けたのは、まぎれもなく代表のさいじょうゆきという女性。
    私はいつも、どうしてだかみどり人さんの舞台を観るときは、ワクワクしながらもどこかヒヤヒヤして観てしまいます。そのヒヤヒヤとは、決して役者方のレベルが…ということではなく、次はどうなるのかどこに終着するのかなどなど、それらがそのまま現在進行形の「期待」になり、ワクワク・ヒヤヒヤしているのです。面白く、興味深い作品でした。

    ネタバレBOX

    内容は、ある種、性があることにより被る悲劇・喜劇の諸々。「女性ならかわいい明るい服を着る方がよいという姉」や「男性の浮気によって苦しむ女性」や「恋という特性をマニュアル本によって実現しようとする男性」など、最終的には女性の男性に対する「女らしくだと?ばかやろう!」みたいに爆発する姿を見せられる。

    観ながら、ジェンダーというものについて考えていました。
    個人的に観ながら思い出したのは、かつてバイトの店長が言っていた「男の方が優れているのだから、お前、女の他のバイトに負けているんじゃねえよ」という言葉。「なぜ?」と訊いたら「だって、博士とか政治家は男ばっかじゃん?」という言葉を聞いて落胆したことを覚えています。なんて浅はかなんだ、と思ったものです。むしろ、本気を出した女性に、男は腕力以外では勝てないのではないか、というのが個人的実感で、性差別的なものが昔から嫌いであって、ただ、もし自分が女性であれば過去、日本にあった一夫多妻制や姦通罪などの歴史を知ったら憤慨していたか、何かしらのことを考えたのかもしれませんなどなど、芝居という垣根を越えて多くのことを考えられました。

    みどり人さんの芝居は、「切り絵」のようだと私は思います。
    確実に置かれる言葉と際立つ明確なキャラクター性から、そのように感じます。どこを見ても至極丁寧で精緻なつくり方がされていて、皆さんの思いが常に伝わってくるようでした。そして、その卓越さはいつも脱帽するものです。

    恐らくその丁寧さというのは、さいじょうさん自身が作り上げたものではないかなと思います。さいじょうさんのご丁寧な前説、手書きのDM、後説などからそのように思います。

    今回「女性が作るものなんてダメだね」を観劇して、女性や男性のあり方について自分の中で結論が出た訳ではないけれど、ただ一つ確実に言えることは、
    「さいじょうゆきさんの作るものがまた観たい」 「みどり人さんの作るものがまた観たい」
    ということです。
    ありがとうございました。観られて、本当によかったです。
  • 満足度★★★★

    楽しめました
    シニカルでちょっと切ない群像劇、楽しめました。やはり女性が女性を描くと、おっ、と思うことがありますね。奥行きのあるフロアの使い方がよかったです。ところで主宰がワンドリンク制にドキドキするのは何故?芝居の最中に誰かがグラスを落っことしたりするかも、とかですかね。

  • 満足度★★★

    よかった
    女が描く女の世界。女の主張と女の本音。とてもおもしろかった。いろいろ考えさせられた。内容のあるゲキだった。

  • 満足度★★★★★

    女ってなんだろう?
    7/29(月)、19:30の回を拝見しました。
    受付で対応してくださるさいじょうさんや演者の方々がとても丁寧で、こころよく拝見することができました。アンケートに書ききれなかった感想です。詳しくはネタバレBoxにて。

    ネタバレBOX

    「平間巌」がなんだかとても惹かれるキャラクターで、目が離せなかった。
    「沼田元気」との会話シーン、社会科の先生がAVを借りていたことを知った時の表情が忘れられない。目線、仕草で、背景をすごく想像してしまう。

    巌が示す、「おんなおんなしたおんな」への嫌悪感とか恐怖感は、きっと女の中にも(私の中にも)あるから、だから惹かれるのかもしれないと思った。

    巌は、まい子のあの茶色のワンピース姿を見た時に、なんて思ったんだろう。
    失望なのか、萌えたのか、どっちなんだろう。ただ混乱したのかな。

    ラストのその後、うた子と、上京してきた婚約者は、どんな会話をしたんだろう。



    「女の作るものなんてダメだね」という目線と、どうやって付きあっていくか。

    ただ突っぱるだけではなく、呑み込んで、やわらかく包み込むような姿勢を感じて、それがとても良かった。

    本当に、上質な時間をありがとうございました。
  • 満足度★★★★

    ぜんぜんダメじゃない。
    出てくる男はみなクズばかり(万引き男の左右非対称の日焼けが気になる!)。女もそれなりに酷いんだけど、なんか愛らしい。

  • 満足度★★★

    黒の舟唄アナザーバージョン
     彼の言った言葉に深く傷つけられた彼女は、彼を置いて、旅に出てしまう。男と女を捉え直してみようとの旅である。

    ネタバレBOX

     但し、それは、東京で暮らす妹の様子を母に依頼されて見に行く、という体裁をとる。然し、母は、妹にも姉の事情を伝え、それとなく復縁をサポートさせていた。
     男女を比べても始まらないと思う。そもそも染色体が異なるから性差ができたのであるから、性が決定されて以降は、同じ土俵に上ることはできない。これが、厳密に言った時の結果だろう。従って、議論をしても平行線に終わるだけである。然し、発生学的には、ヒトの胚は、ある時期まで総て女の特徴を持つ。性決定遺伝子が発現して、男と定まると、母体内で胎児は一種のオペレーションを受ける。その事によって、男になるのである。従って“男は男に生まれない、男になるのだ”というのが、ボーボワールには悪いが、発生学的事実である。つまり、生物学的にヒトを見る場合、プロトタイプは、女である。
     性差が定まって以降、男のどちらかというと単調な体に対して、女の体は、その遷移の変容の多様性に於いて、男を遥かに凌ぐ。社会的役割にしても、男が、未だに父権の延長上にしか居ないのに対して、女は、処女からロストバージンを経て、妊娠、出産、育児、母、妻、キャリアウーマン等々、一人でたくさんの役割・側面を持つ一種のSE(システムエンジニア)だと言って良かろう。一見、受け身に見える、現代の女性達の在り様が、仮に本当に受け身を余儀なくされているとしても、それは、男より強いからである。腕力などの力ではない。生物としての柔軟な適応性こそが生き残りの条件であるとき、どちらが、生物として優れているかは、言うまでも無かろう。
     タイトルにある言葉を投げつけられたショックで紡がれた作品ではあるが、以上のような考察を誘ったことによって、答えは、逆転の方向性さえ見せているのではないだろうか? だが、互いに苦手なジャンル、或いは、できないことがありつつ、同じ種の♂と♀である。それぞれの得意分野を活かして共存するのが、知恵というものであろう。
  • 圧巻
    演劇をする為に生まれてきたような人だ。さいじょうゆき。

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