公演情報
「第三の証言」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2026/05/26 (火) 14:00
池袋への拠点移転後の第一弾公演を72年前の旗揚げ公演の演目で飾るという物語に乗って観に行った。役者さんたちの充実感が伝わってきて、この後の物語の進展が楽しみになった。
シアターグリーンのBOX in BOX THEATERは初めて行ったがとても見やすかった。ただ5階だし安全面が心配でもあった。車椅子対応の鑑賞サポートも用意されているところからすると、非常時の対応も万全の用意があるのかな。そう期待したい。
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2026/05/28 (木) 19:00
まず劇場に入り舞台美術に圧倒されました。何のことないモノトーンな感じなのですが、廃工場的な。
あー、にしても今も昔も人間の欲って変わらないものなのですね。そしてお釈迦様の掌で転がされているとは誰が言い始めたことなのでしょうか。
そんなことを考えながら観ました。これからの青年座の舞台が楽しみになる作品でした。
実演鑑賞
満足度★★★★
青年座自体久し振りで「同盟通信」初演以来だろうか。今回は椎名麟三の名前を目にして観劇を決めた。本作は青年座旗揚げ公演(1954)に書下ろされた創作劇で、改訂しながら再演されて来た作品との事。今回の台本は演出の磯村純が過去上演台本を基に準備したもののよう。
東京五輪(1964)でようやく戦後20年。本作の舞台は戦後10年経たない頃。朝鮮戦争特需で経済成長の土台を敷いたとは言え成長期に入るまでの庶民の生活は中々に大変、所謂戦後文学は「戦争/戦前」からの総括的意味合いをもって暗く、流動的な世界情勢の中で日本の政治案件を巡る運動に人々が注ぐ熱度は「物がない」状況に反比例して高く、娯楽は映画や歌謡、相撲といった案配。つげ義春の漫画も時代を想像する材料になってるが、そんな「暗さ」を当時の人的には抱えていても、それを客観的に眺めればもっと明るさがあった、という印象がある(自分の思春期が全面的に暗かったと記憶する割にはふとあっけらかんと明るかった場面を思い出したりもする)。
時代のモードというか生活感覚を想像するのは面白い。それは物語が時代背景、根底に抱えたテーマとの関係において成立するという事があるからで、既存作品を今やる、という場合にその命題は不可避に立ちはだかる。
だが椎名麟三の名はとりわけ、読む時代を限定する印象があり(小説は読んでおらず一編だけ読んだ戯曲の印象)、それだけに「楽しみ」だった。
作品はリアルな社会的現実を俎上に乗せた暴露話のようでありながら、形而上的な問いが根底にある、という前提で眺めれば、本作の戯画的というか象徴的・詩的側面が見えて来る。この要素を介在させる事で本作は理解できるのかも・・と思う所である。(その部分を書いたら長くなったのでネタバレ欄に移した。)
時代は書かれた1954年当時に設定されており、時代性が見える面があって自分としてはそこが面白さである。
労働者たちの振る舞いに、戦争を引きずった殺伐感もあるが同時に、不可避に滲み出る楽観性(現代の管理社会に比して)、結婚する同僚に対する女性の同僚の他愛ない要求(新婚旅行はどこそこに行ってほしい、挙式に帰省する前夜に自腹で料理を発注して壮行会をやったり)などに、小津映画の一場面を彷彿したり・・。
その断片に、時代が保っていたもの(現代失われたもの)を嗅ぎ取るのも面白い。
男はどうも歳を取ると歴史により関心が行くらしく、その口かも知れん。
実演鑑賞
満足度★★★★
なかなか興味深い作品だ。一見、社会派ドラマなのかなと思って観始めたが全然そんなのではなく、不条理な展開と何だか妙な人たちの変な会話に、何が何だかわからない混乱した気分になってくる。どこかですべてを操っている黒幕がいるらしいがその者たちの狙いもよくわからない。不正で金儲けを企むなら、何でまたビスケットごときをネタにしているのか?青年座がきちんと上演しているゆえに、この作品の不思議な魅力を感じさせられる。
実演鑑賞
満足度★★★
灰色に塗り潰された壁。赤錆びた鉄骨が頭上を斜めに貫いている。JCRのP箱とビールケースをグレーに塗り潰した物が並んでいる。それを椅子代わりに。途中、その上にベニヤ板を渡してテーブル代わりにも。
『コラボレーターズ』のようなサイレント喜劇演出やフラッシュモブがブリッジに流れる。同じ演出家かと思ったら違ってた。西田茉莉さんの無表情ダンスや岡本大樹氏のリズミカルなマイムが印象に残る。『スリラー』のような漫画的な恐怖表現。マクシム・ゴーリキーの『どん底』っぽい場面や不条理系のディストピア工場の描写。
主人公・石塚雄大(ゆうた)氏はせいやっぽい。
社長・工場長的役割の横堀悦夫氏は石橋蓮司っぽいと思っていたが今作では緒形拳似。
その妻、ひがし由貴さんは精神を病んでいる。鼻が高い。
伊東潤氏は塚田僚一っぽい。
彼との結婚を控えた佐原良砂(つかさ)さん。
戦争で松田周氏は大事なものを作らない人生観を身に付ける。西野亮廣っぽかった。
彼を密かに想う尾島春香さんは小保方晴子寄せ。
会社の不正を告発して辞めていった豊田茂氏は大鶴義丹、なべおさみ系だが今作では朝倉未来似。
屈折した母親・万善香織さんは鼻に特徴。
手拍子が鳴ると勝手に踊り出してしまう知的障害者の娘・西田茉莉(まつり)さんは今後要注目の存在かも。
刑事の加門良氏の貫禄。
電報配達夫と刑事の岡本大樹氏はコンテンポラリー・ダンスのようなマイムが鮮やか。
ビスケット工場に入社したばかりの石塚雄大氏。知的障害者の西田茉莉さんと首吊ごっこをしている。西田茉莉さんは何を聞かれても「ハァイ」と元気よく答えてくれる。石塚雄大氏は工場のあちこちに鼠の死骸を発見。ビスケットの原料である粉を食べた様子。これは毒物じゃないのか?工場の人達に伝えて回るが誰も相手にしてくれない。到頭、警察に通報する。
謎のビスケット工場。本当の社長は電報で指示を出すのみで誰なのかも分からない。横堀悦夫氏は指示通りに動くのみ。高額な給与で従業員は疑問を飲み込み口には出さない。
俺達は一体、本当は何をやっているのか?