満足度★★★★
濃密な二人芝居
組長の妻だった女と鉄砲玉だった男。初っ端から二人の軽妙洒脱なやり取りに引き込まれて観るうちに、この会話劇は何事もなく進行していく。
しかし、途中でふと思い出す。「あれ、タイトル、『姐さん女房の裏切り』だったよな。」すると、二人の会話の全てがこのタイトルに収束されていくことに気付くのだ。二人で暮らしたこの二十年がわずか70分の間にギュッと凝縮されていることに圧倒されるのだ。これは緻密に構成された脚本の力であり、何気ない会話の中に男女間の機微を感じさせる二人のベテラン演劇人の力だ。リ・クリエイション後の作品もぜひ拝見したいと思う。
満足度★★★★
面白かった
キャリアも実績もある土田さんと千葉さんが2人芝居をするということで、大変、楽しみに行きました。
逃亡してから20年後、すっかりヒモ状態の男と、生活のためにスナックで働く姐さん。
二人の関係が「反対じゃない?」と思えるようなやりとりが続いたところは、千葉さんの冷静な声だけど控えめな雰囲気が抜群に生かされていて、とても面白いやり取りでした。
8日にも行って、アフタートークで、お二人の野望というか、今後の展望も話されていました。その中で、全国で公演したい!とのことでしたが、自分の家の近くでもしてもらえるといいな・・・と思いました。今後のお二人に、また注目したいと思いました。
満足度★★★★★
あっという間の70分・・・そして
千葉雅子さんと土田英生さん、共に劇団を立ち上げて20年以上のベテランがタッグを組んだ意欲作。今回の公演は「舞台政策事業」として始められたということで、長期的視野に立って創られたお芝居だそうです。
舞台そのものは約70分の2人芝居。時間にするとあっという間ですが、そこはさすがのお2人。非常に濃密な70分でした。
この日は終演後、お二方によるトークライブも行われました。約20分間、今後の展望やお互いが普段思っていることなどを忌憚なく話して頂き、次回作にも非常に期待が持てます。
最後に千葉さんが仰っていたような「2人芝居祭り」のようなイベントが開催されることにも期待しています。
満足度★★★★
面白かった
今は50代の女と40代半ばの男、流れ流れて辿り着いた2人の現在の暮し。
中年体型になってしまったせいか、普段の言動によるモノからか、あんまりそうは見えないけど誰かに狙われるかもしれないという危機感を持ちながら暮らしている男、それを支えている女。
八百屋舞台、照明と奥行きある舞台から見える風景も、現在の状況が把握出来る。
昭和ヤクザ映画の題材に当てはまりそうな内容なのに、たまに聞かれる男の駄々っ子のような発言、それを掌の上で上手に包み込んでいる女、2人の会話と行動はどこかユーモラス。笑えたのに最後の緊張感あるシーン迄、大人の2人芝居に楽しめた。土壇場で発揮する女の腹の据わり方がいかにも千葉姐さん!でした。面白かった。
約70分。
独特な空間の劇場だったので、蚊取り線香の匂いも舞台の演出みたいでしたw。
満足度★★★★
おもれー。
そして、せつねー。笑。 すごくスタイリッシュな舞台での二人芝居。 男性のどうしょうもなさと女性のひょうひょうとした感じが素晴らしかったです! あと、さり気ない面白さがすごく光ってました。 ちょっと強引な気もしないでもなかったですが、すごく成熟した舞台だと思いました。 ただ、少しセリフを噛むことがあったのが残念だったかな。。 自然な感じの話の流れだっただけに余計に。 スイマセン。。
満足度★★★
初千葉雅子!
セットが素晴らしい!
脚本,演出は良かった。
徐々にエンジンかかっていった土田英生は良かった。
千葉雅子に期待していたが,僕はマラソンランナーの千葉真子の方が好きだ…
満足度★★★★
コンパクトで充実感のある2人芝居
それぞれ20年以上に渡って劇団主宰を勤める千葉雅子さんと土田英生さんの2人芝居で、1時間ちょっとのコンパクトな時間の中で愛憎の感情をコミカルに描いていて、引き込まれました。
暴力団抗争に関わった過去があって地方都市でひっそりと暮らす中年男女の会話がシンプルに紡がれ、タイトルにあるように裏切りが起こる物語でした。
笑いが沢山盛り込まれて、とりとめが無いようでいながら2人の力関係が入れ替わったり、過度に説明的ならずとも物語や感情が伝わってくる、しっかりとした構成の脚本が良かったです。物語としては意外性も無く、深い芸術性や鋭い社会性といった要素も無いながらも、台詞と演技が楽しく、充実感がありました。
パースペクティヴを強調したスタイリッシュな舞台美術が素晴らしく、その中に日常的な家具が持ち込まれて俗っぽいドラマが繰り広げられるというギャップが素敵でした。
土田さんが演じる馬鹿で単純で子供っぽいけど憎めない可愛らしさのある男と、千葉さんが演じる、悲しみ・優しさ・恐ろしさといった複雑な心境の変化を台詞や動きの端々に感じさせる女の対比が魅力的でした。