姐さん女房の裏切り 公演情報 千葉雅子×土田英生 舞台製作事業「姐さん女房の裏切り」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    クロスワード
    チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。

    ネタバレBOX

    組長が殺された時に情事にいそしんでいた、組長の妻・亜希(千葉雅子)と下っ端の伴(土田英生)は、組から追われ数十年、田舎のアパートの一室に身を潜めている。亜希は居酒屋を経営し、伴は外出しちゃ見つかるからとクロスワードが趣味のヒモ生活。クロスワード雑誌の最新号を買ってこなかったといって亜希をなじり、当時に関係をもったことを責める伴は、亜希に不満をぶつける。謝る亜希は誘惑にかかるが、伴は気味悪がるばかり。伴は、亜希の店の女子大生に入れ込み、今の亜希のことを妻ともみず、脱出時の服装も忘れてしまっていた。亜希が仕事に出て行った後、インターホンが鳴り、銃声が響く。翌朝、誰もいない部屋にクロスワード雑誌とせんべいを持った亜希が戻ってくる…。

    頭が悪く度胸もなさそうな伴のキャラがいい。序盤から自然にガンガン笑わせてくれる。
    んで、元々お嬢様っぽい亜希がヤクザ組長の妻になり(逆プリンセス美智子か)、異常な世界に嫌気がさし、伴との関係を楽しんでいたことを回想するシーン。それでも、伴は何も感じず、亜希の心は冷めていく。そして、伴にとっての私はなんなの、この数十年はなんだったのと静かに見つめる。

    亜希がS(当時の若頭)といつからつながっていたのかは明確じゃないけど、伴の居所を教える引き金になった「女心」の表現が、ひねてなくていい(女心自体はひねてるかもしれないけど)。表面上リアリスティックな亜希も、内面の少女性の発露がかわいくもあり、グロテスクでもある。女子大生の話をしてテンションのあがる伴を前に、内心がどんどん黒くなっていったんだろうなと想像する怖さがある。
    そして、伴が死んだと思われる翌朝、伴が買ってきてと頼んだと思われる品を持って帰ってくる。これが女心なのか。

    本もいいし演技もいい、良質な二人芝居だった。60分程度。

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    2013/06/05 23:51

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