愛とその他 公演情報 愛とその他」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★★

    頗る知的
     土の上には床があり 床の上には畳がある 畳の上にあるのが座布団
    その上にあるのが らくと言う らくの上には何もないのでしょうか
    どうぞ お敷きなさいと言われて らくの上に 座る 云々という歌詞が 開演前には流されていて、歌詞の内容は無論、これから始まる劇の内容を暗示している。

    ネタバレBOX

     幕開けに女が1人登場する。電動式鉛筆削りと鉛筆、座布団を1枚持っている。女は、鉛筆を削り続けている。次の女が登場、互いに座布団の位置を調整し合う。この行為によって、通常演劇で用いられる“間”を時間軸に沿わずに寧ろ、空間軸に焦点を当てる方向に転移させている。3人目の女が登場、ノートを持っている。この家の主婦の妹である。彼女は、家計簿をつけ、野良猫の観察をし、面倒を看ている。3人は、最初空間に於ける“間”の問題に関わっているが、次に如何にも日本的なKY(空気を読め)的な情況を演じる。それが煮詰りそうになると、やがて1人が口を開き、会話が始まる。3人目に登場した女は、仕事が決まる迄の間、姉夫婦の家に厄介になっているのである。徐々に3人の関係が明らかになって行くが、彼女達は、幼馴染で妹が引っ越して以来会っていなかったので、あてど無い旅に出た{女1、女2(登場順)}序に立ち寄ったのであった。
     次々に女客が訪れる。隣家の女は、外国土産のチョコレートを持参、姉にお茶を勧められて飲んで行くことにする。その後、姉のアルバイト先のレジ仲間が3人やってくる。彼女達も茶を振る舞われ、井戸端会議を始めるが、いつしか話題は町内会紛糾問題に移って行く。町内会の勢力争いが嵩じて終には、対抗勢力同志がスパイを送り込む泥試合になっているのである。どちらにも属さないで来たレジ仲間ではあるが、近所づきあいの関係で、4人のうち2人が、会派の異なるグループに属すことになった。だが、レジ仲間の間では不問に付すことにする。ただ、町の空気としては、疑心暗鬼が渦巻いているのである。無論、ここでは、この井戸端会議を通して、日本という「国」が持つ、ムラ政治型の問題を炙り出している。
     順ぐりに深さを増してゆく蟻地獄のような舞台展開は、知的で諧謔に満ち面白い。場ハケも設定が見事。また、姉タカコを3人の女優が演じるのは、主婦の家庭に於けるSE性(System Engineer)を示しているととると面白い解釈が可能だろう。
     閑話休題 大きな芋虫が登場するシーンも不条理演劇を通って来た、劇団の歴史的、時代的状況を反映するとともに、箍外しをしつつ、それら不条理を笑うようで興味深い。或いは自嘲を込めた苦い笑いもあるかも知れないが。
     終盤、終にスパイ問題が嵩じて、女同志の喧嘩になるが、クッキーが出来上がったことで一件落着。この辺り、女性が絶えずDVなどの物理的暴力に怯えている情況の中での、力に対する弱者の対抗・判断を示唆し、落とし所を笑いと本質に於いて提示、リアルな生き様を示して痛烈である。

  • 満足度★★★★

    あぁ加藤一浩作品
    何とも言えない日常感がいいんです。
    LOVEバージョン、etc.バージョン、両方観劇しました。女子高?を覗いているような、それぞれの個性の設定がわかり易くでもラストは何が何だか…!!そこが私は好きだけど。

    ネタバレBOX

    どちらかといえば、LOVEが面白かった。あの三人三様で一人がほんとうに活きていました。ミステリーサークルとかあだ名がききやすかったし。たしかに長台詞の早口は乾電池の芸でもあると思うのだけど、こちらが呆れるくらいはっきりとまくしたてられるとなんか気持ちいい。
  • 満足度★★★★

    意味深
    ぼんやりした(いい意味で!)10人の女優による、ぼんやりした(いい意味で!)日常。いやー、江口さん、色っぽいなぁ。

  • 満足度★★★★

    初日 LOVE版観劇
    他人ん家のお茶の間で主婦やお隣さんが出たり入ったり、機知に富んだ不可思議な井戸端会議が繰り広げられる。
    よくわかんないけど今になって妙な可笑しさがジワジワきている。
    あっという間の約80分。

    ネタバレBOX

    エピソードいっぱいだったが、3人タカコさんの場面が好き。
  • 満足度★★★

    なまず
    チケットプレゼントにて鑑賞。話と膝カックンは好き。

    ネタバレBOX

    兄宅に居候中の山口智子のとこに、受付業務してる友人(作間ゆい・池田智美)が訪問する…。

    近所の奥様方の自治会話は笑った。絵を描きにきた奥様の、「感じることが考えること」的な発言はなんとなく深いなと。

    ゆるい雰囲気を終始崩さない、80分程度の会話劇。巨大芋虫出てきたし、兄嫁は3人出てきたけど。
    話のテンポはゆるいけど、興味を引く会話であった。どこかしらが哲学的ともとれるし。好み。

    会場が暑いのが残念。

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