革命日記 公演情報 革命日記」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★★★

    2013年の革命
    これから映画の世界で活躍するかもしれない俳優達の青田買い。以前に青年団が上演した時とは、作品から受ける印象がまるで違って、でもそれも良いなと思いました。とにかく、刺激的な内容の話なので、何度見ても刺激を受けるなと思いました。

    ネタバレBOX

    以前に青年団がアゴラで上演した作品を観たときは、劇中ずっと緊張しっぱなしの張り詰めた空間で、過去のものだと思っていた革命の気運が現代に立ち上ってくるのではと圧倒されるような観劇体験でした。それに比べると、今回は明らかにフワフワしている。それは、卒業公演だということでの、俳優の全体的な若さもあるけれど、意図して軽くしてるのかなと感じました。もう革命では社会は変えられないという諦めが根底に渦巻くようなしらけがある。例えば、冒頭の物語が始まる瞬間、俳優たちが唐突に小道具をセットして位置につくことを見せること。それは、これからはじめるのは物語ですよ、と見せる行為なのかなと思いました。全体を通してみても、様々な来訪者への対応の変化はあっても、自分達の革命の成功の是非に対する、いらだちや焦りや怒りを感じさせない雰囲気を作ってるのかなと思いました。

    でも、そう考えてしまうのは初見で観たときと、今回の間の私自身の社会への向き合い方への心境変化があるのかもしれないので、勝手な推察なんですが。

    でも2回見て、やはり感じる革命への切なる思い。政治も宗教も芸術も社会運動も、突き詰めていくと先鋭化して、武装化して、革命化していくのかなと思います。目の前の現実への問題は、原発にしろ医療介護にしろ保育にしろ貧困にしろ、その困窮する当事者は声があげられない。声をあげてもなかなか現実は変わらない。ならば極端なこと(革命)してでも、目に見える形で変革を求める気持ちはよくわかる。勿論、そんなことで世の中は変わらないと、私達は歴史を通して学んでいるんだけれど。でも劇中の登場人物、その1人1人が切実に自分の思いに正直に生きていて、この作品は繰り返し繰り返し上演される意味がある作品だと思います。観れて良かったです。
  • 満足度★★★★★

    修了公演とは思えぬ上質の芝居でした。
    以前から気になっていたこの戯曲。なかなか観る機会がなかったが、ようやく念願かなった。

    今回の公演は、映画美学校の第2期アクターズ・コース初等科修了公演、ということなのだが、出演者たちの演技はとても精緻で説得力があり、どの人も名優のように見えた。

    もちろん、それは戯曲自体が持つパワー、そして松井周の演出の力に負うところも多いだろうが。

    いやー、映画美学校ってすごいねぇ。僕ももう30歳若かったら、映像コースか脚本コースに入って勉強したい、と思いました。


    以下、ネタばれ。

    ネタバレBOX


    僕が一番面白かったのは、町会の副会長の人の演技だ。

    セリフの内容からすると、声の大きい、強引で図々しい感じの演技をするのが通常と思われる。

    だが、今回は、声が小さく、ぼそぼそという感じで語る。

    僕は、ここがとてもよかった。すごいリアリティを感じた。

    もしかしたら演技ではなく、役者さん自身のキャラが出ていたのかもしれないが、もちろんそれならそれでいいのだ。

    また、ラスト近く、増田典子が若い女性の仲間に「日常を革命化しないでどうするんだ」と、とくとくと語るシーンがある。このセリフの語り方が、すごいリアリティがあって、ベテランの味すら感じた。

    僕はモロ全共闘世代だが、当時の女性運動家は、あんな雰囲気の人が多かった。あのセリフの時、一瞬、あの時代そのものを体現している、と感じた。

    とにかく素晴らしい観劇体験だった。

    出演者の皆さんのお名前は記憶しておきたい、と思います。

    まて、松井氏の今後の作品にも注目していきます。
  • 満足度★★★★

    役者を活かす演出が素晴らしい
    前提として、私は松井周さんの演出作品を初めて拝見しました。
    よって、松井周作品の中での位置づけなどは全くわかりません。

    特に映画美学校の生徒と作ったという点がどのように作用したのか?
    この作品でしか見られない新たな魅力や強度があったのか、
    他の演出作同様に松井色になっているのか、
    はたまた、やはり生徒ということで完成度が低いのか、、、
    全くわかりません。

    なので、ここでは、映画美学校の生徒と作ったということは考慮に入れません。

    その上で、

    役者の個性を活かす演出が素晴らしかった。それは、キャスティングも含めて。特に、理由はわかりませんが、女の役者さんの個性がとても活きていたと思います。

    ネタバレBOX

    本当に小さい声で喋る役者の演出なども、松井さんの演出ではよくあることなのかはわかりませんが、すばらしかった。

    それらの演出は大絶賛ですが、
    ただ、この「革命日記」という作品が、観客である私に何を問うているのか、という根本的な問題が伝わってきませんでした。

    今日でもこのような地下組織があるのかどうかは知りませんが、少なくとも活動家ではない私にはダイレクトな問題ではない。
    すると、寓意的にこの問題を受け取るしかない。
    集団と個の問題、論理と生理の問題、理想と現実の問題、
    生きる上で最も大切なものは何かという問題、
    日常の中にある現実と虚構の問題、男女の問題、、、など、、、
    頭で考えればそれなりにテーマは発見できるものの、、、
    そのどれもが、強く心に迫ることはなかった。

    それは、脚本の問題なのか、演出の問題なのか、役者の問題なのか、
    僕にはわかりませんが。


    と、厳しいことを書きましたが、役者さんの<質感>がとってもよかったです。


    (※私も映画美学校の卒業生です。ドキュメンタリー科ですが。学生の時、<学生の作品>として評価されたくはなかったので、厳しく書きました。かなり甘くコメントを書いている他の公演もあるのに、比較すると、これはちょっとバランス悪いかもしれません。自分の属していたところをプロパガンダするような形は嫌だったので、こういう書き方になってしまいました。すみません。)

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