しびれものがたり 公演情報 しびれものがたり」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★★★

    見て来ました。
    見て来ました。すぐに東京タワーが見える小屋。それだけでなんか素敵です。
    役者さんたちに女性が多いのだけれども、どの人も個性が合ってかぶらない。それ以上にどの人にも魅力がある。そんな印象を受けた上に、ちょっとエッチなシーンでも、とても上品な感じがします。

    なんか心が暖まりましたね。

    音楽との共存もどうかというところでしたが、DJでまとめることによって、自然に感じられました。

    あえて言うなら、ベースの方の四弦の音が余りにビビッていて気になった。という感じでしょうか?

  • 満足度★★★★★

    しびれましたっ!
    ナカヤマカズコ、この脚本家に逢って話をしてくれば良かった!

    ちと、後悔!


    非常に素晴らしい!素晴らしい芝居でした。(大絶賛!)



    舞台セットもとっても可愛らしくて、イタリアのアルベロベッロをモデルにしたのだろうか・・。



    みんな、解るかな~?「トゥルッリ」と呼ばれるとんがり屋根のお家。



    会場に入ると、もうそこは童話の世界に迷い込んだような気分になります。

    上演が始まると、生演奏の美しいメロディーが耳を擽り、まるでゆりかごに乗ったように・・ふんわり揺られて夢の世界に連れて行かれました。


    以下、ネタバレBOXに。。

    ネタバレBOX

    近未来の、ちいさな辺境の町の物語。

    戦争が終わり静けさをとりもどしたある日、その小さな町で生きてるニンゲンの感覚や感受性を表現した内面に訴えかける作品でした。


    その街には男性がいません。

    戦争の為、男性は招集され町に男性が居なくなりました。

    居るのは残された家族達。

    戦争に行った夫や弟を待つ、という不安感や焦燥感から、待つ人の心は痛み、苦しんでいきます。


    愛し合っていた夫婦も年月と共にいつしか愛が薄れて、心が空洞になります。
    その空洞を埋めたくて夫は浮気をし妻はソレに気付きます。


    ニンゲンは皆、何らかの苦しみがあり、弱く切ない。



    その弱い心をしびれ薬で一時開放されたいと願い、町の人々はしびれ薬を服用して辛さや心の痛み、苦しみから逃れようとします。


    結果、住人たちは身体の一部が痺れ、感覚を失うという奇妙な症状におそわれます。



    そのしびれ薬を配っていた代理人は、痺れて感覚を失ってしまった人達の元の感覚を訓練によって感じる事が出来ます。





    この代理人こそが、一番欲しかったもの。


    ・・・・それはニンゲンが持っている「感覚」だったのです。



    代理人はニンゲンではありませんでした。
    心を持たない、感じる事が出来ないロボットだったのです。






    代理人は町の人達と繋がっていたくて痺れ薬をばら撒き、人々の心を征服しようとした矢先、産みの親である博士に、破壊されます。。




    愛が欲しかった代理人。


    代理人役の田坂和歳(ハグハグ共和国)の死ぬシーンの演技が素晴らしい!



    鳥肌が立ちました。

    ああいう演技を観せられると崇拝しますね。



    出演者の個々の個性光る演技、素晴らしいです。





    感受性に訴える作品です。


    そして、しっかりと私の感性もソレを受け止める事ができたっ!


    物語は、決して暗くない。
    リズミカルな生演奏とユーモアあふれる芝居が寓話的ファンタジーの世界に誘い込みます。






    ああ、素晴らしい作品に出会えると、それは至上の喜びでもあります。

    近くの公園でぼぅーーっと、余韻に浸ってました。





    いい芝居を観ると他に何も欲しくないね☆











    フランスのパリにね、サント・シャペルという教会があるのよ。

    そこの狭い螺旋階段を登っていくと、上にあるのは、ただの屋根裏部屋と思えるような、くすんだ階段なんだけれどね、ところが上にでてびっくりする。

    光の洪水なの。

    横には手をいくら広げても届かない距離、見上げれば遥かの高みまでステンドグラスなんだよね。

    一瞬でこの世が、朱と青、緑と琥珀のガラスの世界になる。

    見てるだけで、光が音に変わって、耳からパイプオルガンの調べが流れ込んで来そうな感覚。




    「しびれものがたり」を観てふと、サント・シャペルを思い出した。


    代理人の屍に光の洪水が注いでサント・シャペルまで運んでくれるような・・・そんな想像をしたから。





    しびれものがたり・・・しびれました。

  • 満足度★★

    楽器がすごかったです。
    感想をひとことで言うのであれば、「楽器がすごかったです」になってしまいます。
    恐らく、生音へのこだわりみたいなのがあって、きっとそのこだわりは存分に発揮されているんだと思いますが、楽器と人の声を普通に比べたら、人の声は負けてしまいます。
    音楽が盛り上がるシーンは、イコール、ストーリーとしても盛り上がっているシーンなわけで、そこで台詞が負けちゃうのは、もったいないです。
    音にこだわるのであれば、そういうところも含めてこだわったら良いのに。

    役者さんの技量ってのはぼくには分からないんですが、出たり入ったりの激しいお芝居を、みなさん、器用にこなしていたように見えました。
    ただ、あれだけ出たり入ったりするのが、果たして本当に必要なのか、ちょっと疑問です。ちょこまかと出入りしたかと思ったら、ずっと出たまま動かなかったり。
    音にしても出入りにしても、ストーリーにしても、ちぐはぐな印象を受けました。

    背景のセットなんかは、舞台にぴったりの雰囲気をかもし出していました。

    ネタバレBOX

    世界観を説明されないまま、お芝居が終わってしまいました。
    マザータウンとは何なのか、モデルタウンはどういう存在なのか。魅力的な謎は何ひとつ解き明かされないままで、がっかりです。
    痺れたいと願う気持ちもよく分からなければ、代理人を通して感覚を説明してもらいたい気持ちも伝わってこない。
    辛さを除去するための副作用が痺れなのかとも思ったんですが、「痺れましょう」と誘っているあたり、そうではないみたい。

    あんまり考えていないのか、深く考えすぎてしまって、伝わりにくいものになったのか、もしくは「人類補完計画」のパロディがやりたかったのか、意図が掴みにくいお芝居でした。
  • 満足度★★★★★

    上質のエンターテイメント
    初日の昨夜、観てきました!

    素敵な音楽、不思議な国の物語、あっと言う間に異空間に連れて行かれ、とても楽しめました。

    全編美しい生演奏にくるまれ、とっても贅沢な気分。

    上質のエンターテイメントと言う言葉がピッタリ。

    演劇が、自分を素敵な世界に導いてくれる魔法の装置だとすれば、まさにぎっしりとその要素が詰め込まれた、素敵な作品だったと思う。

    劇団の方の対応にもとても誠実さが感じられ、とても良い気分で劇場を後にした。

    また、機会があれば、観に行きたい劇団だと思う。

    ネタバレBOX

    人間にのみ許された「感情」、「感覚」がテーマ。
    普段、自分達がその有難みに気付かず、当たり前に享受しているその部分に、鋭くスポットを当てた作品。

    冒頭流れる音楽がとても素晴らしい。
    メランコリックで、とても美しいメロディライン。
    (演奏している側の狙いは違ってたかもしれないが個人的には)フォーレのシシリエンヌを連想して、とても豊かな気分。

    シンプルだがどこか不思議の国を思わせるようなセット。
    物語の設定も、SFチックながら、或いはこんな世界が来ることも有りえるかも・・・、無理なく入らせるところが上手で、一遍にメルヘンの世界に引き込まれる。

    物語は街のDJが流すラジオ番組を上手く使って進める。
    番組の流れにそのままストーリーを乗せて、この辺りの作り方がとても巧み。
    仕込んだ伏線もきちんと収束させて、ストーリーもとてもよく練られている。

    最後は、あともう一展開あるのかな、と思っていたが、やっぱりあのまま終わる方がいいのかな。


    話の展開とは関係ないが、どの役者さんもとてもはきはきしたセリフまわしで、基本がとてもしっかりしているのだろう。
    名前の通った方でも、時折聞き取り難い発声をするのも見かけるが、演劇でやはり発声は基本。
    今夜の出演者はその点、とても安心してみていられた。

    終演後、出口にDJ先生役の役者さん自ら挨拶に立たれて、帰る客一人一人にきちんと目を見て挨拶されていたのがとても印象的。
    劇場へ足を運んで来る客それぞれへの感謝に溢れているようで好感が持てた。

    基本に忠実なセリフまわしといい、最後の真摯な姿勢といい、この劇団の誠実さが伝わってくるようで、とても良い印象が残った。


    元々、6月に石神井で、飄々と好演されてたあやこさんを観たくて足を運んだが、作品、劇団ともとても素晴らしく、また次も足を運びたい劇団だと思う。





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