しびれものがたり 公演情報 しずくまち♭[フラット]「しびれものがたり」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    しびれましたっ!
    ナカヤマカズコ、この脚本家に逢って話をしてくれば良かった!

    ちと、後悔!


    非常に素晴らしい!素晴らしい芝居でした。(大絶賛!)



    舞台セットもとっても可愛らしくて、イタリアのアルベロベッロをモデルにしたのだろうか・・。



    みんな、解るかな~?「トゥルッリ」と呼ばれるとんがり屋根のお家。



    会場に入ると、もうそこは童話の世界に迷い込んだような気分になります。

    上演が始まると、生演奏の美しいメロディーが耳を擽り、まるでゆりかごに乗ったように・・ふんわり揺られて夢の世界に連れて行かれました。


    以下、ネタバレBOXに。。

    ネタバレBOX

    近未来の、ちいさな辺境の町の物語。

    戦争が終わり静けさをとりもどしたある日、その小さな町で生きてるニンゲンの感覚や感受性を表現した内面に訴えかける作品でした。


    その街には男性がいません。

    戦争の為、男性は招集され町に男性が居なくなりました。

    居るのは残された家族達。

    戦争に行った夫や弟を待つ、という不安感や焦燥感から、待つ人の心は痛み、苦しんでいきます。


    愛し合っていた夫婦も年月と共にいつしか愛が薄れて、心が空洞になります。
    その空洞を埋めたくて夫は浮気をし妻はソレに気付きます。


    ニンゲンは皆、何らかの苦しみがあり、弱く切ない。



    その弱い心をしびれ薬で一時開放されたいと願い、町の人々はしびれ薬を服用して辛さや心の痛み、苦しみから逃れようとします。


    結果、住人たちは身体の一部が痺れ、感覚を失うという奇妙な症状におそわれます。



    そのしびれ薬を配っていた代理人は、痺れて感覚を失ってしまった人達の元の感覚を訓練によって感じる事が出来ます。





    この代理人こそが、一番欲しかったもの。


    ・・・・それはニンゲンが持っている「感覚」だったのです。



    代理人はニンゲンではありませんでした。
    心を持たない、感じる事が出来ないロボットだったのです。






    代理人は町の人達と繋がっていたくて痺れ薬をばら撒き、人々の心を征服しようとした矢先、産みの親である博士に、破壊されます。。




    愛が欲しかった代理人。


    代理人役の田坂和歳(ハグハグ共和国)の死ぬシーンの演技が素晴らしい!



    鳥肌が立ちました。

    ああいう演技を観せられると崇拝しますね。



    出演者の個々の個性光る演技、素晴らしいです。





    感受性に訴える作品です。


    そして、しっかりと私の感性もソレを受け止める事ができたっ!


    物語は、決して暗くない。
    リズミカルな生演奏とユーモアあふれる芝居が寓話的ファンタジーの世界に誘い込みます。






    ああ、素晴らしい作品に出会えると、それは至上の喜びでもあります。

    近くの公園でぼぅーーっと、余韻に浸ってました。





    いい芝居を観ると他に何も欲しくないね☆











    フランスのパリにね、サント・シャペルという教会があるのよ。

    そこの狭い螺旋階段を登っていくと、上にあるのは、ただの屋根裏部屋と思えるような、くすんだ階段なんだけれどね、ところが上にでてびっくりする。

    光の洪水なの。

    横には手をいくら広げても届かない距離、見上げれば遥かの高みまでステンドグラスなんだよね。

    一瞬でこの世が、朱と青、緑と琥珀のガラスの世界になる。

    見てるだけで、光が音に変わって、耳からパイプオルガンの調べが流れ込んで来そうな感覚。




    「しびれものがたり」を観てふと、サント・シャペルを思い出した。


    代理人の屍に光の洪水が注いでサント・シャペルまで運んでくれるような・・・そんな想像をしたから。





    しびれものがたり・・・しびれました。

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    2007/11/15 09:55

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