『                        』 公演情報 『 』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-9件 / 9件中
  • 空間の力
    見終わったあと、ちょっぴり勇気がわく芝居でした。教会というロケーションもナイス!

  • 満足度★★★★★

    演劇って良いなぁと感動しました。
    他愛ない3人の幼馴染みの話ですが、不思議と凄く得難い体験をしたような、貴重な時間を過ごしました。

    ネタバレBOX

    巣鴨協会で、スリッパに履き替えて入り、まず真心溢れたグリーティングカードをいただきました。そのカードが「3月11日」を思いやったものであったことにまずしんみり胸が温かくなりました。

    協会の本堂に入ると、木のベットが、上にライトとか椅子が乗った状態で無造作に置かれ、それを百冊くらい絵本が床で取り囲み、カラフルなストローとか、白い風船とかが、ばらまかれたり窓にびっしり詰められたりしています。子どもの明るい夢の世界が始まりそうな印象を受けました。

    ゆったりと座れる長椅子に案内され、ベットを取り囲むように座り、クラシックなピアノの調べを聴いていると協会の雰囲気と合わさって、自然に背筋がのびるような気持ちになりました。

    神父の息子、幼馴染みの姉御っぽい女子、幼馴染みの天然の女子。3人の人間関係が、時間を遡って照会されるだけなのですが、ぐいぐい引き付けられました。

    息子はまともそうだったり、社会問題にニヒルなことを言ったり、突っ込みにキレがあって社交的なのに、実はストーカー要素もあって熱い人物でした。
    姉御は、サバサバしてるのですが、自信への自虐的ツッコミとか、報われない感じとか、ちょっとしたギャグの部分が凄く上手くて、何度も笑わされました。

    天然の女子は、演技力が抜きん出てる他の2人に比べるとちょっとぎこちなさがありましたが、魅力がちゃんと伝わってきました。3人とも、幼い時の役もやり、更に、祖父母や、自分の老年期の役もやります。その切り替わりの時、「変化を見せるぞ」という下心を感じさせず、単にストーリーを伝えたい、その人物の説明に、すぐ自分の体を使って成りきる、という自然さ、美しさを感じました。

    ストーリーの展開もどんどん気になり、役者が生きていて、更に3.11を通して感じたのであろうテーマ、人間愛もうっすら感じさせ、とても面白かったです。
    協会の中のプラネタリウムに浸りました。

    色んな人に見てほしいと思いましたが3/11の一日だけの公演だったのですね。真摯な公演を、観れて良かったと思います。

  • 満足度★★★

    不幸も幸せもいつだってどこにでもある。
    この地震じゃなくて、あの地震だった。だったら3月11日じゃなくてもよかったんじゃないの、と思ったけれども、そうか、3月11日はたしかに特別な日だが、1月17日だって、2月27日だって特別だし、逆に特別じゃないんだ。ということに気付かされた。
    今もどこかで戦禍や災害で不幸は起きている。
    無慈悲な神様のせいで、あるいは神様が居ないせいで。

    教会の人間なのに神様を信じていない相川が、自分の(人間の)力ではどうしようもないことが起こった時、思わず神に祈る。それは人間の自然な感情なのかもしれないが、神様に祈っても乗り越えられないんじゃないかなあ、と思う。
    このお芝居については「超克」の部分に期待したのだが、超克できたのかできなかったのかわからないまま登場人物たちは老人になってしまった。
    あるいは「時間が解決してくれる」ってことか。
    あるいは天空の星星から見れば人間の一生なんでちっぽけなものだということか。
    (というのはちょっと拗ねた見方かな)

    今まで考えたことがなかったが、三角関係をちゃんと三角にするためには必ず同性愛者が必要なんですね。

  • 満足度★★★★

    礼拝堂の空間を借景に
    ラフに見せかけて、
    細かいところがよく作りこまれているなぁと感心。

    観終わって、登場人物達がかもす
    人生の肌触りが
    くっきりと、あやふやに、切なく、いとおしく感じられました。

    ネタバレBOX

    会場は教会、礼拝堂に入ると
    ベットを使った台が中央に据えられ、
    雑多に物が置かれて・・・。
    風船、ストローやキャンドル、絵本・・・、

    それが、客入れの音楽と重なり合って、
    いろんな風景に見えてくる。
    シューマンのピアノ曲、ビートルズ・・・、
    教会の空気と雑多なものが音に染まって・・・。
    舞台美術というよりは、それ自体がインスタレーションのようでもあり、
    受付で渡されたメッセージを読むと
    3.11の風景と、それからの記憶の具象のようにも思えてくる。
    開演が近づくと、少しずつ場内の光が減じられて、
    観る側はその中に紡がれるドラマの世界に導かれていきます。

    最初は、闇の中に表れた人物がそれぞれの手に持つライトに照らされて、
    動きや台詞たちにゆっくりとその関係がほどけていく。
    3人の関係が断片的に紡がれ、
    少しずつ繫がり、彼らの時間が観る側に満ちていく。

    教会の息子の女性へのストーカーまがいのことも、
    更に深くにある記憶のなかで二人が共有した秘密のことも、
    空の星たちも、パンツも、下駄箱の手紙も、嫉妬も、
    彼女が男を愛せなかったわけも
    その友達の女性の男への男の子への想いも、
    パンツも、下駄箱の手紙も、嫉妬も、3人の顛末も
    記憶の引き出しから一つずつあふれ出して・・・・。

    ちぎられた新聞の遠くの大地震の記事が
    女性の死をあいまいに男に告げ、
    でも、女性は彼の中でそのままに生き続け、
    彼のもとを訪れる。
    冒頭に取り込まれた舞台の風情のなかで、
    劇的でもなく、でもビビッドに、時にはルーズに淡々と、
    男の記憶が観る側をも満たしていく。

    入場時に渡されたカードに差し入れられたメッセージの日付の表現に、
    舞台が重なると
    消え去った女性のそのままにあることがとても心に残って。
    突然に失われたもの、静かに滅失していくもの、
    そして消えずに再びおとずれるもの。
    舞台の時間が霧散して、
    編み上がる表現のビビッドさにも捉われ、
    その先におかれた背負い続ける時間の質感も
    そのままに残って。
    きっと、あの3月11日は、沢山の人生に、
    こんな感覚を刻み付け、
    いくたりの年が過ぎた3.11にも、
    彼女は再び扉をたたくのだろうなぁと思う。
    観終わっても少しの間、礼拝堂の空間に身をおいて、
    過ごしてきた時間やこれから歩む時間のことを
    ぼんやりと考えてしまいました。

    素敵な刹那もあり、ビターな物語もあり、
    痛みも、満ちたものも、喪失感も感じて。
    それらを包括した時間の重なりに
    やわらかく深く捉えられてしまいました。

  • 満足度★★★★

    ファンタジーでした。
    すごく若いって思った。幼いと思えるほど若い。でもそれが魅力ですよね。

    ネタバレBOX


    最初のシーン。暗いなか、男が懐中電灯を持って登場。舞台をわざわざ一周してから、台詞を言い始める。

    そんときのぼくの心のなかの言葉。
    「おいおいおい、登場したらすぐに台詞を吐きゃいいんだよ。わざわざ一周する必要なんざ、ねえだろう」
    でもこれは後で、男が好きな女性と追いかけっこするシーンの伏線だったんだよね。ぼくが間違ってました。すんません。
    それから、最後にも爺さんになった男が、空想のなかの好きな女性と追いかけっこするんだよね。

    いや、それでもやっぱり最初の『わざわざ舞台一周』は必要ないような気がするな。冗長だと思うな。細かいことだけど。


    違和感があったのはそこじゃなくて。
    最初に登場して、「これからぼくの知ってるすべてを話します」と言っていた男は、幾つだったんだろうってこと。まだ若かったはず。少なくとも老人ではなかったはず。
    ところが、最後のシーンでは男は老いていて、好きというわけではなかったもうひとりの幼馴染みと結婚している。
    最初に登場した男は、幾つだったの?
    「これからぼくの知ってるすべてを話します」って、未来の老後のときのことまで知ってたの?

    最初の男は老人にすべきだったのでは。

    それに時間を前後させる必要性はあったんだろうか。エピソードを子供のときから大人になるまで順番に語っていけばいいだけだったのでは。


    上演が始まってすぐに思ったこと。
    「ああ、これは。途中で眠くなってしまうパターンかも。眠いの我慢するのやだな~」
    (最初に一周するのが、よっぽど冗長に思えたんでしょうね、てへへ)

    ところが、不思議と眠くならなかった。不思議って言っちゃ悪いね。でもそうはならなかったのは、役者の面白さであり、演出のいろいろな工夫があったからなんだろうなあと。飽きさせない工夫があった、と思う。後ろの席に座ってたら、ほんのり雪が降ってきたりしてたし。なんかすっごい微妙~って思った。気づかない人も一杯いたろうな。


    「隣の国では戦争をしているらしい。でもぼくには関係ない」
    新聞を破って捨てる男。
    でもヨシタケ(だっけ?)がチリにいて、そのとき大地震が起こったと聞かされると、破った新聞をつなぎ合わせて読もうとする。
    ああ、なんかすごくいいシーンだったなあ。
    でもそのへんのイメージをもっと掘り下げたり、広げたりできたらよかったのになあとも。欲張りですが。


  • 満足度★★

    無題
     基本的に聴聞僧と女二人の思い出話。

    ネタバレBOX

     聴聞僧は二人の女の内の一人をストーキングしており、彼女は幼馴染でもある彼を無碍に扱う訳にもゆかず、レズであることを隠したまま、彼の追求を免れる為に、風来坊ということにしている。だが、恋は否定されれば燃え上がるのが常、御多聞にもれず彼の恋も炎上するが、携帯も着信を拒否されてしまう。おまけに彼女は、海外へ旅立ってしまった。
     もう一方の女は、彼を恋しており、終には彼を伴侶とするが、海外へ出た彼女は、大地震と津波の被害に遭った模様で連絡がつかない。
     キリスト教の教会で演じられたのだが、脚本、演出、演技、舞台美術、小道具など、どれも配慮と力が足りない。幼稚園を経営している教会ということからか、演技にも演出にも必要の無い子供向けの本やたくさんの風船などが、舞台空間にそのまま放置されているのは、問題だろう。こういうものが、演出の邪魔になるのであれば、シーツなどで覆えば済む話だ。演劇をやるならば、そういったことにも気をつけて欲しい。
     受付でチケットを宛名を手書きした封筒に用意してくれたり、善意はとてもよくわかるし有り難いのだが、芝居は、善意だけで出来上がるものではない。寧ろ、人々の心理や考えが、どう動作や身体に現れるかを冷徹に観察した上で、善意も含めて人間とは何か? を追求するものだろう。人間総体を見るような眼を養って欲しい。
  • 満足度★★★★★

    無題631(13-056)
    20:00の回(晴)。19:20受付、19:30開場。ここは2回目、教会でのお芝居は3回目(根津教会)。(多分)木製のベッドを横に2つつなげた懺悔室、白いテーブル、カラーボックス、女性の衣装がかけられ、周囲には「絵本」、壁沿いに白い風船がぎっしり、散らかり放題だけどこういったのは好き。床面からキャンドルに近い色合いの照明、コの字形にベンチ、奥に十字架、静かな場内、今日は3・11、2年経ったという感覚はない。20:00入って左上、教会の照明が落とされ…I wanna hold your hand〜I feel fine(なぜこの曲に?)が流れ、椅子席を追加し、20:04前説(60分、開演遅れについて一言)〜21:03終演。教会でなければならなかった理由はわからないけど、普通の劇場でないところでのお芝居は好き、十字架に役者の影が重なり、天井、壁に映る星々、子供であり、大人であり、老いたものである登場人物と本人、永いお話。「◎の魔法(@Site)」からで2作目。終演後、舞台の撮影OK。

    ネタバレBOX

    思い出した…品川の教会でコンサート(笹川美和さん)、求道会館(長尾春香さん)。私はノンフィクションを期待しているのではないので、神聖でも世俗的でもどちらでも、場所にあわせてもあわせなくても、よい(好みの)キャラクターであれば、とても個人的な時間なので。

    3.11の時、考えていたのは「帰ることができない」ということだけだったのではないか?と思う、翌日、マチネに行ってるくらいなので。

    「聴き取れなかったセリフ」、それがタイトルだったと教えていただいた、そうか、それを伝えたかったのか。今、伝えるべき、伝えたかった相手はいるのか…など考えてみた。

    星々はもう少し美しく投影してほしかった。

    足場が不安定なのが気になりました。

    さて、来年の3.11は何をしているのだろうか。
  • 満足度★★★★

    三人とも上手くなっていた。
    荒チョモの三人の役者をたっぷりと堪能できた。三人ともひとまわり大きくなって帰って来たという感じ。

    311の呪縛を解き、荒チョモがこれから本格的に活動を再開してくれることを期待する。

    脚本も演出もさすが。今回は三人の出演者のために書いたような作品。それぞれの個性がうまくひきだされていた。

    ネタバレBOX

    タイトルを探したが最後までわからなかった。
    気になって帰り道の後味が悪かったので、星ひとつ減点。
  • 満足度★★★

    特別な日に特別な場所で。
    3・11だけ、教会で公演するということで、精神性の高い作品を期待していました。しかし、内容としてはこの日でなくてもよいと思ったし、教会という存在の意味を理解しているとは思えませんでした。
    役者陣はとても活き活きと演じていたので、もう少し時と場所の意味を深めてもらえたら、よりよい舞台になったのではと感じました。

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