従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン.... 公演情報 従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン....」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
21-28件 / 28件中
  • 満足度★★★★

    タイトルは説明文そのものです(-。-)
    長いです。

    さてお話は主人公である哲学者の、
    最前線での軍隊生活の中での哲学的思考の背景を描く舞台でありました。
    なかなか見応えあったであります。

    <1時間45分+アフタートーク30分>

    ネタバレBOX

    舞台は兵舎内です(2段ベットを工事現場の足場で上手に再現してました)
    丸椅子4脚にテーブル1つ。
    初めは主人公が手紙をやり取りしている親友ビンセントと2人での会話=手紙のやりとりで始まりますが(手巻きのオルゴールがなかなか意味深なBGMでオイルランプも効果増します)、なんかBLっぽい関係と匂わせてましたな。
    どうも脳内恋人っぽい関係で終始してましたが。現実へ戻ると・・・。
    いつも友人に手紙を書いている主人公をホモと蔑むミヒャエル(=ビンセントと同じ顔=2役です)とカミルがカードゲームに興じて勝利し、巻き上げた300クローネで女を買いに外に出ます。しばらくしてスタイナー隊長が補給部から巻き上げた差し入れ(黒パンとソーセージ)をもち命令書を伝えに来ます。今夜敵の襲撃がある可能性がるので仮眠を取れと言い残し隊長とカミルは機関砲の整備に兵舎をでます。
    その後残されたルードヴィヒと元画家のベルナルドはテーブルに隊長が説明で残したカルパチア山脈に見立てたパンとウルム川に見立てたソーセージで暫くは敵の攻め込む地点の解明に躍起になりますが、主人公はそのうち哲学的に山=パンなどとの相関性で論理哲学を展開してゆきます。
    その後作戦開始時刻になり、今夜の哨戒塔任務を決める為に隊長が兵舎に戻ってきます。カミルが志願するのですが、隊長はあくまでくじ引きに拘り。寝ているミヒャエルに決まります。その後暗転し、真っ暗闇の中での戦闘が表現されます。(兵舎近くかなぁと思っていたら、後のトークで塹壕の中の表現だったそうです。)
    なんとか全員無事(事前の戦闘で班のうちの2名は戦死している)で戦闘は終結し撤退命令が下ります。その後主人公に渡された友からの手紙はスイス経由の1ヶ月前のモノで(検閲済)友人の死を知らせるものでした・・・。10時間にわたるであろう徒歩での撤退に向かおうとするなか主人公は、言葉が重要であり。言葉になるものなっているものは実在するが、言葉になっていないものは存在が無いと哲学命題を理解するのでした・・・。

    真っ暗な戦闘表現は見所でした
    読書が趣味な隊長のキャラクターと役どころは好みでしたな
    (出だしでタイトル全て言い切ったとことか)
    WWⅠの世界とオーストリア×ロシアの東部戦線の悲惨さは伝わったな
    オルゴールとランプの使い方はうまかった
    最後の手紙の読みあげで劇場中が敵になるのが辛いなぁとの山崎さんの言が可哀相でしたが、頑張って欲しいですじゃ。
    ベルナルド君のつっこみと、さりげなく食料をしまい込むトコが好きです(^^)。

  • 満足度★★★★★

    取っつきにくい予感は、杞憂に
    タイトルやテーマから想定していた取っつきにくさは、まるで感じられず、人間臭い男5人の熱く、苦く、濃密な時間を、時に激しく会話をぶつけ合いながら紡ぐ物語、あっという間の100分でした。
    ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインが哲学に求めたもの。その哲学的思考の果てにある苦悩、葛藤、そして愛。
    戦時中という極限下にあって、いかに「生」と向き合うか、これって現代を生きる僕たちにも、鋭利に突きつけられている命題だったりして…。
    今後の人生の捉え方に、いろいろと触発されるものがありました、うん。

    谷さんの深く難度の高い台本と演出に、苦悩し、もがいたであろう5人の名優たちの爪痕、しっかりと確認してまいりました。

    それにつけても、暗闇って、やはり怖いものですね。

  • 満足度★★★★★

    うまいなあ
    作者と出演者に拍手。

  • 満足度★★★★★

    これは・・
    たしかにもっかい観たい(笑

    当日券できょう午前の回みといてよかった
    用事があってアフタートークみれなかったのが心残り(苦笑

    来週の土あたり、sonar行く前に・・どかな?

  • 満足度★★★★

    もう一回観たい!
    もっとお堅い感じの舞台かと思ったけど、笑えるところもあって意外だった。こういう感じの公演は、あんまり観に行かないが、今回は谷さんだし、山崎さんが観たくて行ったけど、観に行ってよかった!すっと自分の中に落ちきっていないので、もう一回観て理解を深めたい作品。

  • 満足度★★★★★

    いつ観るか? 今でしょう!笑
    ひさしぶりに谷賢一作品を観劇。男だらけの、けど男臭さ全開!なわけではない晦冥と光明、そして静寂の約105分。今日のアゴラは寒くてそれもプラスに作用したかも。本作はウィトゲンシュタインの波乱万丈な人生のダイジェストじゃないし、「論理哲学論考」をわかりやすく解説してくれたりもしない。作品のために参照したであろう膨大な資料はほとんど舞台上には持ち込まれていない、たぶん...けど、それでいい、それがいい。僕らが芸術に触れるのは勉強するためじゃないはず。舞台の上に答えはない、あるのは問いである。答えは観る人それぞれの内に。日程後半はまだ若干の空席があるらしく。それってラッキー。まだ観るチャンスありということ!

  • 満足度★★★★★

    えーと、
    最初にタイトル見たときに「え・・・?谷賢一なに考えてるの・・・?(半笑い)」とか思ってしまって、ほんと、すみませんでした!
    ひとりひとりの人間から、人間が語りうる限りの世界の果てまで、こまばアゴラ劇場の小さな空間に、余すことなく詰め込まれていました。

    「光」や「音」にこんなに感覚が鋭くなる観劇体験も、そうはない。
    濃厚な「闇」に「灯り」がともる、「ことば」が紡がれる、その様。完全に持ってかれました、してやられました、ありがとうございました。

    あとはもう、なにを言っても無粋かもだな。

    ネタバレBOX

    オルゴールを「あの」タイミングで鳴らせたのには、どういうカラクリが・・・
  • 満足度★★★★

    ウィトゲンシュタイン
    とても面白かったです。主人公とともに、色んなことに気づいていくことができました。普段の生活で特に意識していなかったことを発見・確認して、また次へと進んでいく。ふむふむと頷きながら哲学を体験していく、お芝居。

    第一次大戦中の戦場を舞台にしたガッツリ会話劇だし、ザ・演劇な演出も刺激があります。こまばアゴラ劇場で、メジャー感もアカデミックムードも、ちょっと独特な感じ。

    こんなに「わかりやすい」と思ってる自分が不安になるぐらい、わかりやすかったです。本当はわかってないのかもしれないけど。

    そして、まさかあんなに笑えるとは!
    5人の俳優さんも全員良かったです。

    ネタバレBOX

    自分の理解の境界を広げて行く体験。
    まさか戦場で宇宙に飛べるとは思わなった。
    私が意識しすぎたのかもしれないですが、ボーイズラブな要素は、もうちょっと控えめになってくれたほうがいいな~(笑)。ゲイなのかどうか、ぎりぎり曖昧な線を保って欲しい。

このページのQRコードです。

拡大