じべた 公演情報 じべた」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-16件 / 16件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2026/05/26 (火) 19:00

     この地球は地続きであった。そして海ができ、川が出来、島国もうまれた。そしてそのじべたの境界をめぐり争いが起こった。・・・・今も続いている。谷川俊太郎・黒田征太郎の絵本「じべた」から触発された戯曲ということで、しかも、泥臭くて、人間臭い濃密な群像劇を得意とする椿組による公演ということで、観る前から、どんな化学反応が起こるのか、期待しかなかった。

     じべたの上では自分の土地を守るため、また土地を広げるための戦争が絶えず続いている。
     そこに住む人々。
     武器工場を営む家族。家族の三女は絵本作家になりたかった、しかし、家族からの反対をうけ、工場で働き始める。その工事では、様々な事情を抱えている人たちが働いてる。
     出征した夫の帰りを待つ、妻と子どもの二人だけの家族。
     戦争に疑問を持ち、協力者を求める戦争帰りの男。戦争から帰還した者。戦争を受け入れる者。この土地では、戦争に加担する事が仕事であるという話を軸にした、主に3つの家族と工場、個性豊かな工場勤務の人たちに焦点を当てた群像劇だった。

     劇中、この土地で生きることは、この土地での仕事を受け入れることと言うような台詞があり、そういった在り方に大山夜子は内心反発するが、仕事をしないわけにもいかないと、じぶんが勤める工場が殺傷能力の高い武器の製造をしていることを知りつつ、黙々と仕事をこなし、何かにつけて弟の大山大地が工場主任の大山朝子に食ってかかり、喧嘩して、自分は戦争に加担する武器工場に勤めるぐらいなら働かないと言い切る弟をどこか羨ましく感じていたり等、劇全体としては、第3次世界大戦でも始まったかのようなもしもの世界を舞台にしつつ、不穏さと暗さが付き纏う劇なのに、人間同士のぶつかり合い等、緻密に、きめ細かく、それぞれの人間ドラマに重きを置いていて、共感しやすかった。

     劇中、谷川俊太郎の絵本「じべた」に出てくる言葉が劇場の壁に投影されたりして、役者が独白のような形で絵本の言葉を言ったりして、絵本「じべた」へのオマージュもしっかりなされていて、良かった。

     劇中、工場勤務の男で、戦争帰りで、敵の銃弾が頭に命中して、奇跡的に助かったが、話すことが出来なくなった男が出てくるが、その代わりに実は相手の脳に直接語りかけるテレパシーのような能力があることが分かり、その能力を巡るちょっとした騒動がコミカルで大いに笑えた。

     劇中、部品を造る工場が、実は、戦争の為の武器製造をする工場になっていたことが分かったり、似たような工場が政府奨励のもと、次々に建てられていくといった在り方は、単なるディストピアと言って一蹴できるような状況ではなく、今の日本が防衛関連法等を次々に将来的に制定しようとしたりするなか、実際、殺傷能力のある武器を国外輸出を可能にする運用にいつの間にかなっていたりと、戦争への1歩を確実に踏み出し始めていると言ってもそう大袈裟ではないような今の日本社会を考えるに、この劇で描かれるような、普通の部品製造工場がいつの間にか殺傷能力の高い武器製造工場になって、幾つも似たような工場が建てられていくと言った在り方がナンセンスとは言い切れない、むしろ現実味をかなり帯びている状況に、す~と背筋が凍りついた。
     そして、どんな事があっても、政府の聞こえの良い言葉に、簡単に騙されないように、おかしいと思ったことが言える社会である為にも、政治家の言葉の真意を常に探り、常に新聞などに目を通し、無関心でいないように心がけようと強く感じた。(今までも、私は無関心ではなかったが)
     この劇のようにいつの間にか、戦争が始まり、しかも何が原因で始まった戦争なのかも、敵がどんな感じなのかも分からないまま、健康な男は徴兵され、他にこれといった産業がなく、街にあった工場が、武器製造工場にいつの間にか変わってから、他に仕事もないというので、大量にその工場で働く人がいて、街が潤い、結果的に国が戦争をする為の資金が潤うと言った在り方が1番怖いと思った。
     こう言った在り方で行くと、誰も責任を取らず、地元住民にだけ負担がのしかかる構図が、日本の原発増産の論理とも似通って見えて、常に疑う感覚を身に着けなければと感じた。
     
     戦争に関連する事故で奥さんを亡くした大山家の認知症のお父さん大山敏郎、砂塚家の戦争帰りの息子で、戦争は私たちが勝つかのように豪語するが、実際には、余りの惨状を目にして、トラウマを抱えているが、お母さんや工場の仲間を心配させまいと何事も無かったかのように空元気を振りまいたり、伊東家のお父さんが急にこっそり戻ってきて、戦争に行って、すぐ逃げ出して帰ってきた、しかも、実はかつて不倫相手がいたりとなかなか複雑な要素が織り込まれていたりと、実際に戦争が起こると、一般庶民は良いことなんて1つもないことをつぶさに教えてくれるエピソードに、悲劇しか生まない戦争に、絶対に戦争なんて始めてはいけないし、それがどんなにもっともらしい理由を付けようとも、戦争をして良いことにはならない、平和がいかに大切かを強く感じさせられた。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    しっかりした作品。面白かったです。

    ネタバレBOX

    圧倒されたのはそのラストシーンだ。
    絶望に覆いつくされたかと思ったその瞬間、地面からたった一つの花が芽吹く。
    その一輪の花は、どれだけ戦火に焼かれ、踏みにじられても、私たちが生きるこの「じべた」には決して絶やしてはならない希望や命の灯火が眠っていることを無言で証明しているようだった。
    ​山崎ハコさんの切なくも力強い主題歌が響く中、絶望の泥の中から美しく咲いたその花の光景が、観劇後も頭から離れない。厳しさと救いに満ちた傑作だった。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    しっかりした作品。面白かったです。

    ネタバレBOX

    圧倒されたのはそのラストシーンだ。
    絶望に覆いつくされたかと思ったその瞬間、地面からたった一つの花が芽吹く。
    その一輪の花は、どれだけ戦火に焼かれ、踏みにじられても、私たちが生きるこの「じべた」には決して絶やしてはならない希望や命の灯火が眠っていることを無言で証明しているようだった。
    ​山崎ハコさんの切なくも力強い主題歌が響く中、絶望の泥の中から美しく咲いたその花の光景が、観劇後も頭から離れない。厳しさと救いに満ちた傑作だった。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    観終わった後は「いろんな人が出てきて楽しかった」という単純な感想だったがそれでは味気ないので少し考察してみたい。

    ネタバレBOX

    当日パンフの作・演出、鳥越氏のご挨拶に“「ニンゲンどもの喧騒」の「音」を舞台上に鳴り響かせることが出来たらいいなぁ...”というフレーズがある。そう考えるとこの芝居には人間の持つあらゆる感情や性質が詰め込まれているように思えてくる。
    観客は自分自身やあの時の誰かを思い浮かべたかもしれない。なんだか懐かしく身近に感じるのもそのためかもしれない。

    またこの芝居には印象的なシーンがいくつもあった。舞台上で二つの家族の風景が交錯したり、一糸乱れぬ群舞の様な工場の作業風景。登場人物たちがゆっくりと体を傾けながら地べたに耳を近づけていくシーン、穴倉から出てくる人々、等々。きわめて演劇に特有の表現が私たちの脳裏に焼き付いていく。

    新たな生命の誕生に、胎動を感じようと地べたに耳を当てる人々。そう、大地(=地べた)こそあらゆる生命の源泉であることを高らかに謳いあげているようだ。

    コミカルなシーンも大いに笑えたし、山崎ハコさんの音楽も沁みた。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    重厚なテーマに圧倒されますね。レトロ感ありますが、実に今現在の問題を扱っていて、エンタメとしても楽しめました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    この時代(かの戦争の戦時下)を描いた物語の定型と共に思いもかけない角度での展開、表現、結果的に椿組の持つエネルギーと中身とで最後まで目を開いて見せてもらった(この所観劇中に「眠り」は付きものであるにも関わらず)。団員の鳥越氏による作・演出。発見である。次回公演は同じく団員による創作劇との事。椿組の新たな(意外な)展開。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    市民目線で戦争というものを感じられました。戦争している国でも、人々は本当に戦争をしたいわけではなく、生きていくために受け入れていかざるを得ないものなのだと思いました。戦争の中でも生きていかなければならない、色々な思いで色々な選択をする人々。そんな人間達をじべたは何も言わず黙って見ている。最後に一花咲かせたのが救いでした。

  • 実演鑑賞

    平日の昼間から超満員札止め。

    ネタバレBOX

    今だからこそ上演する意義がある作品だと思いました。
    これからこの劇のような状況になりうるご時世ですから。

    山崎ハコさんの主題歌とても良かったです。
    劇内容にも合っていました。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    小劇場B1を目いっぱい使った舞台で、地べたにもなり工場にもなり家にもなる。そのつくり、すばらしかったです。そこで営まれる一人ひとりの生活がスピーディーに重なり合い、進行し、幅と奥行きのある作品になっていると感じました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    何と言ったらいいか・・凄かったです!
    怖さも感じる深いストーリー、斬新な演出、役者さんの演技力に惹き込まれました。
    人生には避けられない事があって、それに向き合い強く生きていかなくてはいけないと思いました。
    心に響く良い舞台でした!

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    今こそ観るべき作品ですね。現代の日本が抱える様々な問題、出来ることならこの時代に一旦リセットしてから始めたいものですね。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    日常化する戦争と日々の生活。まっさらなじべたから、やり直すのも悪くない?

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い、お薦め。
    過去でも現在でも未来でもない、しかし いつの時代にも隣り合わせにある 謂わば普遍的ともいえる物語。以前はネジ工場だったが、今は国策に貢献するモノを忸怩たる思いで作っている人々の群像劇。早い段階で、外波山文明 氏が じべた(板)に耳を当て(胎動を感じ)動いていると、その台詞に物語のすべてが集約されている。まさに大地は母であり命の源と言えよう。少しネタバレするが、その象徴がラストシーンに現れ印象付ける。地続きの じべた の上に国があり 街があり 家族がある。そして人の営みがあり人間模様を綴っていく。

    物語を支えているのが舞台美術であり、照明や音響/音楽といった舞台技術である。この劇場の二面客席を活かした壁面への映像は、ワイド画面になり迫力を増す。また薄汚れた情景は、状況のそのままであり人の荒んだ心を表しているよう。この工場で働く人々の思考のあれこれが、リアルな感情として迫ってくる。
    (上演時間1時間50分 休憩なし)追記予定

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     華5つ☆ 観るべし! 後程追記するかも。
     劇空間レイアウトは入口右側が観客席、及び四辺形のA,時計回りにB及び観客席、C,側壁、D,側壁。板上には、至る処に紙屑やらぼろきれやらがまきちらかされており、所々に椅子だの、踏み台だの中華鍋だの、木の棒だのが転がって雑然としている。この混沌の只中に卓袱台。
     これらの雑然たる空間の2か所にマンホールのような穴。側壁には各々1か所ずつの切れ込みがあり、都合4か所が出捌けとして用いられている。尚側壁には工場内の作業工程を示す映像が映されたりもする。更にラストシーンではもう一つの仕掛けが明らかになる。

    ネタバレBOX

     今作は谷川 俊太郎の絵本「じべた」にインスパイアされた鳥越 勇作氏が脚本を書いたようだ。谷川の絵本を読んでいないがそのエッセンスを深い処で読み取り継承しているのだろうと想像する。何れにせよ尺110分に仕上げるのはほぼ完全な創作と言って良かろう。
     描かれている場所も時代も観客の思う通りに解釈すれば良い。そのような創りになっている。じべたの上に生きる人間たちは、諍い、だべり、乳繰り合ったり、嫉みあったり、誤解し合ったりを繰り返し乍ら、大きな建物を建てたり壊したり、を繰り返す。変わらないじべたの上で。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    さすが椿組!すばらしい!の一言です。劇場に入りセットを目にして「これからただならぬことが起きるな…」と思いましたが、予想通りでした。もう何から何までよかったです。途中くりひろげられるシンクロナイズドダンスぽいものもよかったです。壁面全体をプロジェクター代わりに使うアイデアも最高です。すごく効果的に使われていました。セットですが、床の下、地下道というか地下室になっているのですね… セットつくるのさぞかし大変だったかと思います。これは観て損はないですね。さっそく知人に勧めておきます^^ 戦争には反対だけど生活するためには…というのがよく伝わる舞台でした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2026/05/26 (火) 19:00

    演出に引き込まれ、舞台を楽しめました!

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