満足度★★★★
『ブッダ』
冒頭から、異国情緒あふれる音や光、そして人々の動きに引き込まれる。
言葉での状況説明はほとんどなく、人々の営みが、大河のように目の前を流れていく。
洪水、戦争、病気、老い、死。それを見つめるシッダールタの目線を共有するかのように、観客もとまどいながらそれを見つめていく。
舞台上での物語の進行はわかりやすいとは言えない。けれど、その混沌がある意味この世界そのものなのかもしれない、などと思ったりもする。
満足度★★★★
ミュージカル「ブッダ」
人間の善と悪が舞台で描かれると、悪の方が光って見える。人間の弱さ、醜悪さが剥き出しになっているほど、私は惹かれてしまう。
わらび座ミュージカル「ブッダ」は人間ではない(とされる)者たちとブッダを鮮烈に対比する群像劇。野生を際立たせる群舞が良かった。身体表現はわらび座っぽくないと感じるほどワイルド。魑魅魍魎が跋扈し、ブッダの周囲に悪が渦巻く場面が白眉。タッタ役の三重野葵さん素晴らしい。化けたと思う。ルリ王子役の石井一彰さんも良かった。
ただ、最後にひとつの「宗教」に集約されて、世界が小さくなったように感じたのが残念。