ドント・ルック・バック・イン・マイ・ボイス 公演情報 ドント・ルック・バック・イン・マイ・ボイス」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-8件 / 8件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2025/10/08 (水) 14:00

    後に国民的人気となる長寿アニメの主人公の声に抜擢された若手女優を中心とした業界内幕もの。
    題材が題材だけに描かれる期間は長いが連作短編風にうまく切り抜いて見せる構成によりスッキリと見せる(上演時間110分)のが巧み。
    そして長寿アニメ故に初代の声優から別の声優へのバトンタッチで主人公以外入れ替わった時に生成AIによる初代の声でのアテレコを提案するプロデューサーとそれに対する主人公の反論はまさに昨今の風潮への疑義提示で大いに頷く。
    また、収録スタジオと調整室をああいうレイアウトで見せる装置のアイデアも見事で4年前の荻窪小劇場での「さよならbye-bye、バイプレイヤー」から観ている身として「ここまで達したんだ」と感銘を受ける。
    いやぁ、面白かった。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    毎度お笑いの存在感に「感動」が取って付けた感(酷く言えば歯が浮く感)が若干否めない作風であったが、本来作者の狙う「感動」をきちんと狙って話は進められていた。従って完成度的にはこれまで見た中で一番、との印象。(どうしても高畑女史が出ているとあの笑い=ナカゴーのシュールさを見とってしまう・・私の中ではあのシュールの方が、人情喜劇的な「感動」なんかより余程上であるので。)
    今回はアニメの草創期に声優として集められた者たちの歩みを、たまたま長寿化する事となるそのアニメの歩みと共に描き、草創期ならではテキトー具合な取り組み方にも笑える、面白いお芝居であった。
    高畑氏と共に、土本女史も独自キャラが良い(ナカゴーが続いてたら常連になってただろうな)。近藤氏が何故ああ笑えるのか検証の価値あり?
    出演者それぞれの美味しい所を挙げたくなるがそれはまたの時に。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    (笑えた度)4.08(今感)4.08(完成度)4.08(平均)4

    一人のアニメ声優がデビューしてから、国民的アニメの人気声優になるまでの物語。
    朝ドラ風?

    当パンに「物語」と書いてあるから、きっと物語なのでしょう。

    ネタバレBOX

    いやあ、かなりオーセンティックでレトロでPOP寄りな初期のナイロンみあるナンセンスコメディとして見ていて、
    うん、待てよ、SSで横から煽ったりしてるし、
    ひょっとしてガチで語ってる? となり、
    タイタニックを見て安心して、なんだ、いいじゃん、と思い直したものの
    アフタートークにてやはりガチで語っていたことを知り、完成度マイナス1。

    あそこでタイタニック出したら、せっかくの語りが・・・
    全てを笑い飛ばしているつもりなら、最高なんだけどな。
    (いや、タイタニックそれ自体は最高でした!)

    一方、オアシス再結成で世界中が沸きに沸いている今、
    ギャラガー愛を炸裂させているので、今感プラス1。

    きっと70年代あたりの全盛期少年チャンピオンとか好きだったんだろうな、
    と思わせる漫画のカット割そのままの画作りとか、笑いのセンスは好きなんだけど、
    物語が侵食してきて、ぶつ切りになるからマイナス1。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ネタバレ

    ネタバレBOX

    三鷹市立芸術文化センターの期待の若手劇団シリーズ

    東京にこにこちゃん『ドント・ルック・バック・イン・マイ・ボイス』を観劇。

    あらすじ:
     テレビアニメの創成期から現代までの声優たちの物語。
    まだ舞台に立った事のない新人俳優・小山笑子が、テレビアニメの声優に抜擢される。スタジオには癖のある声優たちがおり、初の声優体験は不安だらけだが、周りのアドバイスで日増しに上達していく。
    仕舞いには長寿番組になっていくが、年齢と共に声が痩せていく声優たちは少しづつ引退し、小山笑子だけになってしまう。
    そこでプロデューサーが生成AIを使い、永遠の声を手に入れようと画策するのだが…。

    感想:
     子供の頃に見続けていたテレビアニメの声が声優の都合で交代し、違う声を当てられた衝撃は経験あるだろうが、それを基に昭和から現代までのテレビアニメ界の裏側を描いている。
     時代の変化と波、それに抗う声優たちの葛藤を存分に味わうことが出来、朝の連ドラを一気に見ているような物語は全く飽きさせない。
    ボケとツッコミが満載だが、展開の匙加減としては悪くない。演出家曰く、『漫才のボケとツッコミを演劇に転用するとボケと困惑になる』と言っていたが、その困惑の上手さを演じているのが小山笑子役の
    『西出結』だ。間違いなく今後、小劇場のヒロインになるであろう、彼女の演劇におけるキャラクター作りはいつも抜群だ。
     演劇を観て、笑いながら涙が出たというのは初めての経験だったが、とても良い気分で劇場を後にした。
     今後の追っかけ劇団になったようだ。
  • 実演鑑賞

    2025年の MITAKA“Next”Selection 26th における2演目は「東京にこにこちゃん」の新作。某国民的アニメを彷彿とさせるアテレコ現場を舞台に、その創成期から成長、成熟期までの数十年を描いている。笑いを得意とする団体なので、笑いのシーンが多めだが、個性豊かな声優たち(登場人物)の内面的葛藤やバックグラウンドなども描いており、人間ドラマの一面も。

    ネタバレBOX

    序盤15分程はギャグのラッシュが矢継ぎ早に起こり、かなりハイテンポな空気に。ここで乗り遅れてしまうと終盤程度まで前のめりに観劇できない可能性もあり、観客によって評価が分かれそう。僕が観劇した回は序盤から笑っている人が多い印象でした。ただし、好き嫌いが分かれる笑いというより、コント的なボケ・ツッコミのレベルは高いと感じます。特にツッコミはひねりの効いた秀逸なものが多め(という印象)。中盤から徐々に登場人物たちの内面が見え始め、それぞれが葛藤を抱えていることが分かってきます。そして、そのアニメが国民的長寿番組へと成長を続けるなか、初期メンバーの声優たちが、ひとり、またひとりと、様々な理由で降板していき、物語は終盤へ向かうことに。

    笑いに特徴のある団体なので、やはり作・演出の手腕に注目が集まりますが、それに加えて、今作の大きな魅力は出演俳優たちが支えていると言えます。的確な間や抑揚でボケ・ツッコミの役割をこなす俳優たち。そして、笑いにかき消されない人間味を上品に滲ませる俳優たち。俳優たちの力量や存在感が、作品世界の構築に大きく貢献していると感じました。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    「手練れのキャストによる秀逸な会話劇」

     ある長寿アニメのアフレコ現場を舞台にしたコメディである。

    ネタバレBOX

     1960年代末、新人俳優の小山笑子(西出結)は新作アニメ『ぼーっとぼー子』の主役に抜擢される。脇を固める先輩たちの前で萎縮する笑子だったが、周囲の後押しで主役を演じ続け、いつしか『ぼー子』は40年以上にわたり放送が続く国民的長寿作品になるのだった。収録を重ねるなかで結束を深めるキャストたちだったが、年齢や声のイメージなどを理由にひとりまたひとりと去っていき、そんななかでも笑子は頑なにマイクの前に立ち続けるのだった。

     上記を大枠に本作は手練れの出演者たちがボケとツッコミの会話を重ねながら展開していく。初日ゆえかところどころセリフにつまる箇所が散見されたが、会場は沸きに沸いていた。包容力があるもののアメリカ帰りゆえところどころおかしな日本語を話すベテラン中島詩子を演じた髙畑遊の大きさ、気取り屋が鼻につくものの家族を養うために不本意ながら成人向けアニメに出演するような藤本康治を演じた東野良平のコメディアンぶりが特に印象深い。

     作者が腕によりをかけたセリフとよい座組に恵まれた本作に私が今ひとつ乗り切れなかったのは、シリアスな場面でもボケとツッコミが入るために登場人物の描き方の底が浅く、メリハリの薄さが目についたためである。自信なさげな笑子が他の登場人物のボケにだけは的確にツッコミを入れるという造形も、役の性根とはズレているように見えた。終盤、『ぼー子』のオリジナルキャストのなかで最後にひとり残った笑子が、スタッフに思いの丈をぶつける場面などよくできていただけ残念である。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    予算をふんだんに使い、やりたいことをのびのびとやった開放感すら感じる気持ちのいい作品。劇団の総決算のような笑いの渦。厳選された小劇場オールスターズのコンマ単位のボケ、客席は笑いと拍手で最後まで揺れ続ける。偏執狂的な笑いの組み込み方、アドリブも多いのだろう。役者が笑いをこらえる場面が幾度もあった。

    西出結さん主演は大きい。アンパサンドの絶対的エースである彼女の持つバランス感覚。いつも困った顔をしている彼女は笑いとシリアスを同時に成立させる稀有なキャラ。やらされている感がなく本当そのまんまの人なんだろうと思わせる。物語に観客が気持ちを乗せやすい。存在自体がそのまま天性のツッコミのよう。

    土本燈子さんの使い方で演出家のセンスに差が出る。今作は素晴らしい。

    是非観に行って頂きたい。

    ネタバレBOX

    1968年(昭和43年)、『ぼーっとぼう子』のパイロット・フィルムの製作。集められた声優陣は事務所に言われて仕方なく来た若手俳優が多かった。まだ黎明期、アニメに声を当てるなんて役者の仕事とはとても言えない。主役のぼう子に抜擢されたのはまだ舞台にも立ったことがない研究生、西出結さん。相棒のサエモンにベテラン声優の高畑遊(あそぶ)さん。プライドの高い女優、土本燈子さん。東野良平氏、てっぺい右利き氏、近藤強氏、事務所の代表・加藤美佐江さん。
    プロデューサーにひたすらボケ続ける立川がじら氏、演出家に江原パジャマ氏。

    かなり出来のいいアニメはドラゴン(四柳智惟)氏制作。サウスパーク調の『ドラえもん』。

    近藤強氏は篠原信一みたいな強面だが無駄に長い説教が始まると奈落と共に落ちていく仕掛け。

    大ヒットして長寿アニメとしてずっと続いていく『ぼーっとぼう子』。皆、歳をとり一人また一人と声優が代替わりしていく。

    劇団4ドル50セント×東京にこにこちゃんコラボ公演『となりの奪言ちゃん』が自分的には消化不良だったので今回は大満足。(ラスト辺りに不満はあるが)。

    一番好きだったネタ。加藤美佐江さんがマイクでアフレコしようとするも低いマイクは他の人が使う為近藤強氏用の背の高いマイクでやらざるを得ない。上半身を反り後ろ手に上を向いて必死に当てる。「リアム・ギャラガーじゃないんだから!」

    クライマックスに流れる「Don't Look Back In Anger」、終演後には「Champagne Supernova」。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2025/10/04 (土) 14:00

    110分。休憩なし。

このページのQRコードです。

拡大