満足度★★★★★
公演期間が短い
戦前の実在した場所。その当時の人達にすれば、もう80年なのか、まだ80年なのか。決して故郷を捨てるわけではない。必要に迫られた選択はいつの時代にもある。
各々訳あって暮らす場所が無くなり、帰らない、帰れない覚悟を持った上で移民として海外の新天地で生きる決断をし、故郷を去ろうとしている4人の男女の姿。
3日間足らずの出来事。
多くを語らずとも、沈黙という行動でも気持ちは伝わる。
メトロで見せる月船さんが「動」なら、今作では「静」を全面に出している。
港から聞こえる優美な汽笛。この選択は決してこの世の終わりではない、彼らの道程に光輝を見いだすのはかなり先だと思うが、ゆっくり動き出した4人の「生」の息遣いが存分に伝わるいい舞台だった。約90分。
満足度★★★★★
とてもよかった☆
出演者4人に、ベッド4つだけというシンプルなセットでしたが、物語が進んでいくごとにその都度いろんな情景が見えました。
劇中に出てきた、「家族ってなに?」という言葉がとても胸にささり、家族について深く考えさせられました。
満足度★★★★★
ダブルコール
このお芝居を50人弱の客で観る贅沢さったらないなあ。
ひさしぶりにがっつりと岡田あがさを観たが、こういうやつをみたかったっていう演技がみられてよかった。
満足度★★★★
暗転も芝居の一部
暗転の最中も流れる効果音で情景を想像していて客に芝居が継続していることを意識させていた。冒頭の沈黙のシーンはその後の展開に非常に効果的だったように思う。2つのテーマが見事に表現された作品。
満足度★★★★
脆さ・強さが愛しい
1930年代の神戸。
3日後に迫る出航を前にした、海外移民収容所の、ある一室の話。
移民の条件は「家族」であること。
そして、移民に希望を見出だす人々は、しばしば偽装家族を作ったとか。
そんな中、この舞台が焦点を当てるのは、
母・娘・息子・父
この構成の、やはり偽装家族。
そして、雰囲気が重い。
空気が、重い。
物語が進むにつれ明らかになってくる、それぞれのどん詰まり感。
移民先に希望を持って!
というよりは、
現状がどん詰まり過ぎて、日本を出ていくしかない、
って空気感。
この抑圧感・緊張感が印象に残った。
舞台の空気感が、そのまま客席も飲み込む力を放ってて、いい感じでした。
映画的な演劇ってあまり好きじゃないのだけど、
この『非家族』は映画的かつ演劇的、みたいなとこがあって、すげぇ、と。
照明の変化や微かな物音に、いちいち集中してしまう。
長い長い間と、人物の行動を、固唾を飲んで見守ってしまう。
すごく繊細な時間を、舞台と共有する感じ、ワクワクした。
「偽装家族」から
「家族」へ。
いろんな言葉ぶつけあって、
汚い部分を見せあって、
どん詰まりからさらにどん底に落ちていってから、
しっかり立ち上がる。
そんな人間の、家族の強さ・脆さを見せつけられました。
満足度★★★
重く、考えさせられる内容でした
役者さんたちの、確かな演技力に支えられ
一つ一つのシーンが重く積み上げられていく。
それぞれの思いが胸にズシンと響く作品でした。
家族とは。
凄く内容の濃い90分でした。
赤の他人同士が家族になるというのはこういう事なんだな、と思い凄く感動しました。
出演者もわずか4人という独特の世界観、素敵な時間をありがとうございました。