満足度★★★★★
公演期間が短い
戦前の実在した場所。その当時の人達にすれば、もう80年なのか、まだ80年なのか。決して故郷を捨てるわけではない。必要に迫られた選択はいつの時代にもある。
各々訳あって暮らす場所が無くなり、帰らない、帰れない覚悟を持った上で移民として海外の新天地で生きる決断をし、故郷を去ろうとしている4人の男女の姿。
3日間足らずの出来事。
多くを語らずとも、沈黙という行動でも気持ちは伝わる。
メトロで見せる月船さんが「動」なら、今作では「静」を全面に出している。
港から聞こえる優美な汽笛。この選択は決してこの世の終わりではない、彼らの道程に光輝を見いだすのはかなり先だと思うが、ゆっくり動き出した4人の「生」の息遣いが存分に伝わるいい舞台だった。約90分。