『眼球綺譚/再生』 公演情報 『眼球綺譚/再生』 」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-6件 / 6件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2025/11/06 (木) 15:00

    新宿眼科画廊での初演以来7年ぶり。
    初演時同様「声による四重奏」な印象だが、終演後に高橋主宰から「配役」を伝えられて大いに納得(そうだったのか!的な)。
    また、最近観た複数の映画やドラマに本作の猟奇的な場面と通ずるものがあったが、初演時はそういう記憶がなく漠然と不安を感じたりも。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    「再生」白チームの回観劇。前説の効果もあるのか、ホント会場は静まり返っていて、ビールを音を立てずに飲むのも一苦労でしたね。グロテスクなホラー朗読劇なのですが、静寂でスタイリッシュな環境下では、妙に清々しく感じました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    リーディング「眼球綺譚」を以前新宿眼科画廊へ観に行っていた(7年前)。この時はスケジュールの合間を埋めるように思い立って出かけた記憶だが、不運な事に(不運率は高いが)ほぼ全編睡魔に見舞われ至極残念な思いをした。
    今回は同じ題名で宣材の雰囲気も似ていて「もしや?」と調べたら同じ製作主体。会場が絵空箱という事で前より幾分余計に趣向が盛れる空間でもあり、期待しつつ観に出かけた。「再生」を観劇。
    リーディングは面白い。奥深い。リーディング用に編んだだろう台本とは言え、ほぼ小説を「読む」時間。従って作品の面白さも必須だが、それを含め主宰高橋氏が綾辻行人氏のこの短編小説に執心というのも分かる甘味な(内容的には苦みもあるが)時間であった。
    読む人が「読み」に徹するというのか、登場時から「読む人」でありながら「あちらの人」になっている。役者本人(素の本人)として客と相まみえる時間はない(終演後に照明が明るくなって笑顔・・は無しである)。
    小説の地の文は男が主格であるので男の目に映る情景と心情が語られ、女は男が見る対象として印象深く出現する。
    後で作品をネット検察すると「ホラー」書籍のカテゴリーで紹介されたりしている。作品は面白いに違いない(というか面白い)が、通常の読書では無論この感覚は得られない。
    青白く染まった舞台を思い出しながら、どことなく声を殺して語ってしまうが、もう一作も観たい(時間が許せば)と思っている本心を吐露しておく。
    (江戸川乱歩の「赤い部屋」に集った面々を思い出すちょっとした背徳感。)

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

     華4つ☆

    ネタバレBOX

     「再生」を拝見、朗読形式なので美術は至ってシンプル。絵空箱の入り口に対しLの字を反時計回りに90度回転させた形で客席を設け対面の壁と客席に囲まれた空間が役者陣の陣地である。L字長辺の下手に箱馬型の照明器具が2つ役者を斜めから照らすように置かれ、丸椅子に座った役者を挟んで上手に骰子型の照明器具が1つ置かれている。演出家が、演者の発語していない時空をも表現の一部と見做して演出しているので、中々張り詰めた空気の中で、演者達の朗読が為され効果的だ。
     物語は怪奇幻想譚といった雰囲気のゴシックロマン風の作品。登場人物は、大学教授兼作家の壮年男性と彼の大学に通う女子大生(22歳)との恋愛譚の形式を採る。2人のなり染めは精神科の待合室。教授はアル中の治療の為、彼女はクロイツフェルト・ヤコブ病治療の為来院していたが、受付で教授の名が呼ばれたのを機に彼女が彼に話し掛けたことがきっかけであった。2人は歳の差にも拘らず愛し合い結婚するに至ったが、彼女の病は間もなく彼女の身体を酷く蝕んでゆく。大学への就職が内定していたにも関わらず、教授は彼女を休ませる為、別荘に2人っ切りで引き籠り治療の為に止めていたアルコールに再び依存、遂には彼女の特性である再生能力に賭ける決断をし実行した。果たしてその結末は? 
     朗読乍ら、その悍ましさと悲惨にゾッとするシーンもあり中々良い出来である。尺は約90分。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    『眼球綺譚』望を観劇。ストーリー的にグロ要素ありですが、すっと入ってくる聞きやすい朗読なので怖いというより続きを聞きたいとなりました。余計なBGM等が無い真の朗読でしたが、凄く良かったです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い、『眼球綺譚』望 観劇。
    小説家 綾辻行人の名前は知っていたが、その作品は読んだことがなかった。本作で綾辻ワールドを高橋郁子さんの脚色・演出で一気読みするような感覚。これを<朗読キネマ>というのであろうか。事前(フライヤー)にトリガーアラートの案内があり、さらに前説で 一般的な留意事項以外に「気分が悪くなった方は椅子の前に蹲ってもらえれば、メディカルスタッフが対応する」とあり、一気に緊張感が走る。たしかにホラー・グロテスク・性的な描写があり、そのジャンルの名手である綾辻世界の雰囲気を十分に漂わせていた。この朗読劇を機に、小説(原作)を読んでみようかと思っている。

    朗読劇のため ほぼ素舞台。中央に丸椅子が等間隔に4つと譜面台が1つ、後ろの壁に珠簾屏風のようなもの。その微かに揺れるところへの淡い照明が幻想的であり神秘的で妖しい。演者は女優4人、デザインは違うが黒衣裳で統一。会場内は薄暗く、その雰囲気と相まって 咳(しわぶき)一つなく緊張感に包まれる。役者は 始めから全員登場しているわけではなく、物語の進行に合わせて順次現れる。この公演では音響/音楽効果はなく、オノパトペもない。そこにも物語の世界観を大切にする拘りがある。
    (上演時間1時間35分 休憩なし)

    ネタバレBOX

    朗読劇として表現するには多重構成で複雑な物語.。そして冒頭からして不気味「読んでください。夜中に、一人で」という言葉。それが朗読中 何回も出てくる。

    物語は、出版社に勤め出した20代前半(大学を卒業し半年)の女性 手塚由伊 宅に送られてきた郵便物。便箋に書かれた文は先の文章と宛先、差出人だけ。そして同封されていた小説らしきもの。その内容が 自分の出生の秘密のように思え戦慄を覚える。小説という虚構の中に自分がいる。忘れてしまっていた幼い時の微かな記憶がよみがえる。

    小説の題字は「眼球綺譚」…その構成が、現在と過去を行き来し 幻想、快楽そして猟奇的。小説の語り手である私は「倉橋茂(大学助教授 35歳 男)」、彼が高校生の時の幻想的な追体験をするような物語。そこで 奇妙な女性からの手ほどきで性交を重ねる場面がある。女優だけの朗読劇で、半ば犯されるような情景に違和感をおぼえる。いや情景が立ち上がらないのが惜しい。

    小説の中で 狂った女が産んだ子の名が「由伊」、自分の名が記されている。珍しい名前だから偶然を装えない。忘れていた自分の過去が掘り起こされるような不気味さ。知りたくもない忌まわしい過去があるような。特に狂女 のぐち和美さんの か細く弱々しい囁きが怖くも可愛らしい。由伊が小説を読むという劇中劇、その内容が現在と過去を往還するという多重構成を、朗読劇で鮮明にするのは なかなか難しいようだ。
    次回公演も楽しみにしております。

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