『眼球綺譚/再生』 公演情報 idenshi195「『眼球綺譚/再生』 」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

     華4つ☆

    ネタバレBOX

     「再生」を拝見、朗読形式なので美術は至ってシンプル。絵空箱の入り口に対しLの字を反時計回りに90度回転させた形で客席を設け対面の壁と客席に囲まれた空間が役者陣の陣地である。L字長辺の下手に箱馬型の照明器具が2つ役者を斜めから照らすように置かれ、丸椅子に座った役者を挟んで上手に骰子型の照明器具が1つ置かれている。演出家が、演者の発語していない時空をも表現の一部と見做して演出しているので、中々張り詰めた空気の中で、演者達の朗読が為され効果的だ。
     物語は怪奇幻想譚といった雰囲気のゴシックロマン風の作品。登場人物は、大学教授兼作家の壮年男性と彼の大学に通う女子大生(22歳)との恋愛譚の形式を採る。2人のなり染めは精神科の待合室。教授はアル中の治療の為、彼女はクロイツフェルト・ヤコブ病治療の為来院していたが、受付で教授の名が呼ばれたのを機に彼女が彼に話し掛けたことがきっかけであった。2人は歳の差にも拘らず愛し合い結婚するに至ったが、彼女の病は間もなく彼女の身体を酷く蝕んでゆく。大学への就職が内定していたにも関わらず、教授は彼女を休ませる為、別荘に2人っ切りで引き籠り治療の為に止めていたアルコールに再び依存、遂には彼女の特性である再生能力に賭ける決断をし実行した。果たしてその結末は? 
     朗読乍ら、その悍ましさと悲惨にゾッとするシーンもあり中々良い出来である。尺は約90分。

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    2025/11/03 08:18

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