劇団ハタンセ『タイタス・アンドロニカス』 公演情報 劇団ハタンセ『タイタス・アンドロニカス』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★★

    良かった。
    シェイクスピア作品を韓国語字幕無しで観て不思議な感覚だが、パワフルな観客参加型の迫力あるステージに圧倒された。
    政治的に微妙な時期で複雑な気持ちで観劇したが、言葉は通じなくても演劇に国境はなく、若い役者が必死に表現する姿は日本も韓国も同じだと思い心を打たれた。
    楽しかった。

  • 熱い舞台、スタンディングで観劇
    劇場に入ると「スタンディングで」と観客に勧めていた。
    「それならばスタンディングで」と思い劇場内に立つ。
    わくわくした。

    ネタバレBOX

    とても血なまぐさい物語。
    「復讐」が「復讐」を呼ぶ「負の連鎖」の物語でもある。
    今の日韓のこの時期に、この物語が示すものは大きいのではないか、と勝手に思ったりしながら劇場に入った。


    劇場に入るととてもフレンドリーにワインなどを勧めてくる。
    ローマ市民(スタンディング)として観劇。

    しかし、いったん舞台が始まると、役者がとても熱い。
    全員が全身で台詞を語るようだ。
    なのに鬱陶しくはない。引き込まれた。

    悪役が悪役然としているのもいい。
    特に、ゴートの王女タモーラは、目の強さ、顔の上げ方が、強い信念に貫かれた女を感じ、とても印象に残った。また、タイタスの娘・ラヴィニアも韓国系の美人なだけに、血まみれの姿は痛々しさを通り越していた。

    セットは大きな箱3つから成り立ち、それを動かすことで、形を変える。われわれローマ市民が役者が上に乗った、その箱が動かないように押さえたりする。

    韓国語の上演で字幕はないのだが、それはほとんど障害にならなかったと言っていい。
    もちろん、台詞そのものの内容はまったく理解できないのだが、『タイタス・アンドロニカス』のあらすじさえ知っていれば、特に問題なしだったと言っていい。

    かつて、台湾の劇団を、やはり字幕なしで見たことがあったが、そのときもまったく問題はなかった。ちなみにそのときはオリジナルの作品なので、あらすじを知っていたわけではなかったのにだ。

    時折、片言の日本語の台詞を交え、何が起こっているのかを告げてくれる。
    役者さんたちの、伝えようという気持ちが前面に出ているように感じた。

    とても血なまぐさいストーリーで、もしに日本の劇団が今上演したとしたら、「血」は血糊は使わないだろうと思うのだが、この劇団ではストレートに血糊が流れる。
    想像させるのではなく、見せることを選択したのだ。

    演技を舞台の上に立って見るということは、もの凄く役者が近い。思ったよりも、ビンビン来る。これはスタンディングで見て正解だったと思った。
    座席に座り、舞台の上の出来事を眺めているだけでは味わえない感覚だ。

    と、書いたのだが、スタンディングには、1つ誤算があった。

    なぜこの感想の★がないのか、ということにつながる。
    実は、あと17、8分で終了という頃、つまりこの物語のエンディング間際で、まさかの貧血!
    壁に行って折り畳みの椅子を自分で出して座ったのだけど、座っていても倒れそうなほどの貧血なので、転げるように外に出た。

    日頃の不摂生と寝不足が原因だ。無念。

    受付の椅子に座りブラックアウトしてしまった。
    青年団の方が親切に冷たい麦茶と冷たく濡らしたタオルを持ってきてくれた。
    本当にありがたかった。この場を借りてお礼を言いたい。
    結局、椅子に座りながらでもふらふらした頭で、ロビーにあったモニターでラストを観たので、最後まで観たことにならず、★は付けなかった(たぶん最後まできちんと観たら★★★★★だだったと思う)。

    最終日に外に出た者がいたな、と思っている方に、演劇がつまらなくて出たのではない、ということは言っておきたい。
    もちろん、劇団ハタンセの方たちにも、伝えてほしい。

    できればもう一回観たかった。
  • 満足度★★★★★

    言葉の壁なんかねえよ
    韓国ばんざい。韓国の若者たちが頑張ってくれた。非常に好感が持てた。
    楽日はあらすじの紙なんかなかったよ。無くても伝わるんだよ。役者の演技には伝わるものがあるんだよ。

  • 満足度★★★★★

    최고예요(最高っ!)
    イス席もありましたが、当然立って観劇しました、素晴らしかったっっ。舞台上にいる事への興奮がすごかったです。もう本当に目の前で役者が演じて、要所で観客が小道具の準備したり、舞台装置動かしたりして見てて楽しい、手伝えてなお楽しい。予習して行ったので物語に置いていかれること無く(台詞の機微はわかりませんでしたが)見れました。身体を張ったアクロバットなパフォーマンスも多いし、体の使い方も日本と違うなという印象でした。何より俳優の皆さんが、サービス精神旺盛で、言語の壁なんて関係ないんだなと実感しました。

  • 満足度★★★★

    字幕無し韓国語上演にチャレンジ!?
    シェイクスピアとはいえ、あまり上演されない作品、
    しかも字幕のない全編韓国語上演ということで、
    付いていけるのか心配でしたが、面白い体験ができた。

    サイトにもあらすじは出ているし、当日も同じものが配布されるので、
    私としては事前に読まれて、
    あとは必要に応じて観劇しながら参照するのも良いと思う。

    まあ、なにしろ、殺人や強姦がメインとも言える話で、
    ドロドロものになるのだろうと、覚悟する。

    ネタバレBOX

    会場に入ると、役者が片言日本語ながら、
    スタンディングを勧めたり、ワインを振る舞ったり、
    太鼓を叩かせたりして、観客との融和(?)を図る。

    スタンディングで観ることになったお客さんの一部は、
    舞台中央の巨大な装置(この上で演じられることも多い…舞台上の舞台)
    を動かないように押さえたりなど、「参加」することにもなる。

    この「装置」も分離可能で、中にも潜れるし、と様々に活用可能。
    打楽器、ラッパ、笛なども大いに活用。
    これらを有効に利用しながら、残虐劇は進行して行く。

    役者の動きもとてもダイナミックで、肉体派とも言えなくもない。

    まあそんなわけで、基本的には満足。

    物足りない点を申せば、やはり外国語上演で字幕無しでは、
    大体の筋は追えても、細かい台詞の機微は分からない。

    役者で気になったのは、タイトルロール役が
    やはり圧倒的な存在感を持っていた一方で、
    皇帝役が、全く威厳が無かったこと。
    空威張りにしろ小人物にしろ、
    それなりの皇帝らしさはあっても良かったのでは?・・・そんな気がした。
  • 満足度★★★★★

    マダン劇から進んで・・・
    マダン劇は以前から知っているし、
    自分も大好きなのだけれど
    この劇団はその良さを、
    さらにいろんなシンプルだけれど実に良く考えられた舞台セットや小道具を駆使して、
    うまく舞台に生かしている。

    素晴らしい作品で、
    韓国人の俳優たちの素晴らしさを間近で堪能できました。

  • 満足度★★★★

    言葉の壁
    たぶん、字幕があったほうがより楽しめた感じはする。登場人物の名前は解るので自分で物語のあらすじを思い起こして合わせるしかないのだけれど、キャストが繰り広げる演技と、参加型観客が繰り広げる距離感がいと可笑しい舞台だった。

  • 満足度★★★★

    スタンディングで鑑賞。
    イス席もあるけど参加型なのでガッツリ立って観るのもよし。上演時間は約一時間十五分。美男美女が暴れまくって、演技もうまい。韓国の俳優はカッコえーなー。「スリル•ミー」韓国版の“私”に似た人がいた。

    ネタバレBOX

    いろいろ驚いたけど、俳優(「スリル•ミー」韓国版の“私”に似た人)が火を吹いたのには本当に驚いた(笑)。消えものも大胆。
  • 満足度★★★★

    すごすぎる
    観客との距離が近い演劇があると思いますが、これは零距離演劇と言えるような参加型演劇だと思います。正直言葉は、一部日本語で話してくれる箇所もありますが、全く解りません。物凄く頭を使って観る芝居だと思います。雰囲気は伝わります。話の概要が書かれた用紙があるので、知らない人は先に読んで観るのも、観てから読むのもどちらでも良いかと。
    色んな意味で凄い。初体験が多かったです。お客さんを巻き込む、魅せる、考えさせるという意味で、演劇らしさが沢山詰まってました。

    ネタバレBOX

    惨たらしい報復が繰り広げられる悲劇ですが、開演前に役者さんが既に出ていて音楽交流を求めてきたり、ワインのようなものを振舞ったりと、韓国人役者さんだからなのか斬新過ぎました。観客はローマ人や元老院議官という設定なのかと思っていたら、黒子の如く動く板を抑えたり、小道具を渡したりします。一見、客に対する扱いかよ!と思う方もいるでしょうし賛否別れそうです。けど僕は凄い面白かった。板上の席から観ることはあっても、立ち見もありで黒子役までやらされるのはそうないです。僕は絶対観る側に徹するぞと思いつつ、いくつかやらされてしまいました。
    劇場の空間を全面に使い、多方面から観れます。口封じに舌と手首を切り落とすシーンは理解出来たし怖かったです。女性の胸元が露出しそうになる、食い物や水が観客まで飛び散る、終わりには膝から出血しているなど、放出されるエネルギーが半端なかった。結局言葉はわからないですが、ここは意識を置いている、ふざけた所、トチったなど何となくはわかります。国が違っても、演劇なのだと感じました。

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