満足度★★★★
熱さを描く冷静さ
残念ながら「熱狂」だけしか観ることができませんでしたが、
あの会場に一つの時代の生々しい熱が現出したことにびっくり。
しかも、その背景には、タブーもイメージも乗り越えた
歴史の冷静な切り取りがあって。
シーンによってはライブ映像を観るような感覚すらあり、
違和感なく、時間を忘れて見入ってしまいました。
満足度★★★★
熱狂
ヒトラーが権力の頂点に上り詰めるまでの過程が描かれている。
大衆は彼の演説に酔いしれて、集団ヒステリー状態になり、それが第二世界大戦へとなっていく。西尾友樹氏の演技には、鬼気迫るものがあり、きっとヒトラーもそうであったのであろうことが想像される。
取り巻きも、多士済々であり、それらの部下を使いこなすことがヒトラーのヒトラーたる所以なのであろう。素晴らしい芝居であった。
蛇足であるが、中国や韓国の過剰なナショナリズムは、どこへ行くのかがふと頭の中をよぎった。
満足度★★★
「あの記憶の記録」
素朴な疑問として「どうして日本人がユダヤ人の話を書いたのだろう?」と思った。そんな遠くの人の話でないと平和や正義の話は語れないのか・・?そもそも我々日本人はあの当時ナチの側にいたのである。役者の方々は非常に熱演であった。2時間まったく飽きさせない演出も見事だったが、どこか距離を感じた。
満足度★★★
ぐいぐいひきこまれる
でも実際にあったかのような会話・演説を軸にした脚本および無難なとしかいいようのない演出には不満が残る(評判高い劇団だけに・・・)。そういう意味ではもう1本のほうがおもしろかったのかも。今回初見だったがまた観たいし次回への期待度は今回より高くなった。
満足度★★★
噂通り
こりっちアワードで一位を取った作品であるということで、見ておこうと思っていきました。確かに噂通りの作品だったように思えました。役者のレベルも高く、強制収容所で生き残ってしまった人間の悲劇などが、痛かったのですが、
なんでしょう。楽しかに見ていて、面白さはあるのだけど、予想を超えない。
すごいなとも思うのだけど、もっとすごいモノを見てしまったからか、
おぼんろのゴベリンドンの沼を抑えての一位に期待しすぎてしまったかもしれない。見終わった後に、なぜか、とても残念な気持ちになってしまいました。
あの記憶の記録
感想は言葉にし難い。ここで語られていることは参考文献とした記録を元に、作家が編み直した記憶だからである。肉声を伴って記録を再現することに意義はあるが、いかにその記録を、物語としての記憶に再構成するかに作家の度量が表れ出てくる。
記録は(改竄されていない限りにおいて)事実であり、記憶は虚妄だ。現今の作家が歴史を取り扱うには、記録を元にして物語=虚妄の記憶を作り、その中に何かしらの真実を見つけ出すための努力が必要とされる。