満足度★★★★
シオニズム
あの記憶の記録
シオニズム解釈が、現在イスラエルのシオニストたちが主張していることと重なり、歴史的事実総体を表象していないとはいえ、かなりきちんと勉強していることと、芝居としては自然に用いられていたことは確かである。また、シオニストたちが、ホロコーストを政治的に利用していることをある程度描いている点でも評価できる。更に、イツハクや兄の姿勢が、ユダヤ教の戒律に則った生き方に近いものだという点で救いがある。舞台美術、音響、照明なども効果的で演技もしっかりしている。
但し、「建国」以来、イスラエルの基本姿勢は、パレスチナ全域からアラブ人を追放乃至は殺戮することであり、イラン・パペも主張する通り、エスニック・クレンジングを本質とすることは、明らかである。実際、ガザで実験をやり西岸で仕上げを行っているバントゥスタン的政策は、イスラエルの二大国是、ユダヤ国家と民主国家のアポリアを白日のもとに晒している。このことこそが、パレスチナ紛争の最大の障壁なのであり、イスラエルがこの点を正し、アメリカ及び西側世界が、偏見を捨て、国際法上の正義を守り、公正な判断を下さない限り、現在は、パレスチナで起こっている、世界の恥を正すことはできまい。
以上の点を踏まえるならば、この劇団には、是非、アラブの側から捉えたイスラエル問題をも演じて貰いたい。作品例を挙げておこう。“Incendies”などが相応しいと思われる。
満足度★★★★★
『あの記憶の記録』観劇
こちらで評判が良いので駆け込みでチケット購入。こりっちに感謝です。「あの記憶」を持っている者と持たない者の残酷なまでの温度差。知りたがる者と口を閉ざす者の間にある哀しい距離感に胸が締め付けられました。ラストがよいですね。少人数の広くないギャラリーで上演したのもよかったと思います。『熱狂』が観られなかったのが残念。両方観たかった。
満足度★★★★★
「熱狂」はまさに熱狂的
一人の独裁者がいかにしてナチスドイツを築き上げていったのか、理路整然と観客に示してくれた。役者たちの存在感が圧倒的で、特にヒトラー役の役者は演説の後にドイツ国民の熱狂する声々が聞こえてくるようだった。ピンスポットの使い方も印象的であり、ル・デコの空間も雰囲気を盛り上げていた。
脱帽の一言に尽きる。
満足度★★★★★
無題510(12-253)
19:30の回(晴)。昨日は4階、今日は5階。19:00受付、開場。場内、暗め。三方に椅子席。入って左奥に座ります。前後2列の配置ですが、段差がないので前列に座る場合、早目にご来場を(座席位置によってはややみにくいかも)。空調を入れてないのか少し暑い…。舞台には4人掛けのテーブルと、椅子、少し離れて2人掛けソファ。4人座ってのシーンもあり椅子の背にならない位置がいい。入口を除く角(3箇所)、玄関、キッチンへ、居室へ。19:33前説、19:34BGMがヴァイオリンに、暗転〜朝、家族揃って食事〜21:28終演、重く張りつめた空気、役者さんが揃うと力強い拍手。「十二人〜」をみていまして2作目です。ここで描かれている施設については、今まで数冊本を読んでいて、おおよそのことは「読んで得た知識」として既知のものですが、これだけの粒ぞろいの役者さんたちで演じられると迫って来るものがあります。「アンネの日記展」に行ったのは1978年かな(たぶん)。
満足度★★★★
熱演
熱狂を観劇しました。歴史のストーリーなので、私にとっては少し難しく感じました。でも、役者さん達の熱演に惹きつけられました。皆さん素晴らしかったのですが、特に主役の方は本当にすごかったです!他の方も書いていましたが、選挙で演説したら、当選しそうだと思いました。実力のある役者さん達の、この劇団の他の作品も観たいと思いました。
満足度★★★
「あの記憶の記録」
素朴な疑問として「どうして日本人がユダヤ人の話を書いたのだろう?」と思った。そんな遠くの人の話でないと平和や正義の話は語れないのか・・?そもそも我々日本人はあの当時ナチの側にいたのである。役者の方々は非常に熱演であった。2時間まったく飽きさせない演出も見事だったが、どこか距離を感じた。
満足度★★★★★
「熱狂」
熱かった。
「あの記憶の記録」が"暗"で、「熱狂」が"明"のように感じた。
歴史をこのように語るのは、ほんとの意味で歴史からの学びを伝えるものだと思った。
学生時代、歴史が大嫌いだった自分も、こういったものに昔から触れていれば、
感じるものが違っただろうと思う。
両作品の描き方が対象的ですばらしかった。
突撃隊・親衛隊の長のお二人のポジションが絶妙だった。
満足度★★★★★
『あの記憶の記録』観劇
意識的、無意識的に拘わらず、記憶も記録も主観的なもの、そしてそれによって精神が保たれている面もあるのだと痛感しました。
満足度★★★★★
ァの記憶の記録を観ました
さすがですね。芸のうまさに辛くて重くて暗い話であるにもかかわらず、感動しました。 まさに今そこで体験してるような・・すでに良く見知ってると思っていたナチのゲットーの事、実はあまりよく知らなかった事にもきずかされました。場面転換もスマートでさすがです。
満足度★★★
ぐいぐいひきこまれる
でも実際にあったかのような会話・演説を軸にした脚本および無難なとしかいいようのない演出には不満が残る(評判高い劇団だけに・・・)。そういう意味ではもう1本のほうがおもしろかったのかも。今回初見だったがまた観たいし次回への期待度は今回より高くなった。
満足度★★★★★
説得力のある熱狂
『熱狂』を観劇。
毎度のことながら、力強い演技に圧倒されます。何故にここまで迫力ある芝居が作れるのか、不思議でなりません。
全く寄り道の無いストレートな台本。歴史的事実を正面から捉え、揺るぎない意思のもとに舞台化する。全く頭が下がる思いです。
ヒトラーとナチスがいかに政権を掌握していったか説得力を持って語られ、いつしかこのような指導者が現代の日本にも現れてくれたら、と思わせてしまうところが怖いです。
あの記憶の記録
感想は言葉にし難い。ここで語られていることは参考文献とした記録を元に、作家が編み直した記憶だからである。肉声を伴って記録を再現することに意義はあるが、いかにその記録を、物語としての記憶に再構成するかに作家の度量が表れ出てくる。
記録は(改竄されていない限りにおいて)事実であり、記憶は虚妄だ。現今の作家が歴史を取り扱うには、記録を元にして物語=虚妄の記憶を作り、その中に何かしらの真実を見つけ出すための努力が必要とされる。
満足度★★★★★
脚本も素晴らしいけれど
演じる役者達があまりにも秀逸で脱帽でした。民衆を動かすには演説にあり。ヒトラーの演説と大統領選のアメリカの演説は似てるところもありで、感心して見入ってしまった。
満足度★★★★★
あの記憶の記録
チョコレートケーキさんの芝居はいつも息が詰まるような作品が多いですけど、本作は言葉に表すことがはばかれるほど、圧倒されました。
史実を丁寧にしかも深く掘り下げて、観る者をその芝居の中に巻き込むようなすごさがありました。皆さん絶賛されていらっしゃるとおり、私も同感です。
ぜひ観ていただきたい作品です。
熱狂も予約済みです。
後、,あひるなんちゃらの根津さんが、いつものおちゃらけた雰囲気とはまったく異なり、シリアスな演技を演ずることに驚きました。(すごい役者だということがわかりました。)
次は競泳水着に客演として出演されるそうですが、どんな演技をされるか楽しみです。
満足度★★★★★
熱狂!
スゲー!!ッといいたくなる迫力。まさにあの政治家が、いま目の前に現れたかのような錯覚を覚えた。演説で人の心を掴むってのは、できるんだなぁ。主役の演じた人、あの調子で選挙に出れば、当選は確実かも?(笑)。とりあえず今度の都知事選なんて、狙い目では?。ただし、早口すぎて聞き取れない箇所があったので、選挙カーの上から喋るときはもう少しカツゼツを意識したほうがいいだろう。