公演情報
「音楽劇 金鶏 二番花」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/07/11 (金) 13:30
レビュー系でのオーケストラピットと客席の間に横向きの花道があるものを想起させる(しかも一部は可動式の)舞台と上手上方のレフ板のような白い大きな円型の装置、舞台後方中央から下手に下げられたカーテン状の布等が特徴的な空間で語られるのはテレビ放送黎明期の逸話。
その内容はもちろんだが個人的には冒頭場面をはじめとして先述の円型装置・布などを活用した影を使った照明効果に心惹かれる。
また、実在のものをベースにしたのではなく完全オリジナルな(推定)劇中歌にも感嘆。
さらに戦争が人々に残したものをさりげなく盛り込み声高ではなく反戦を訴えたのもイイ。
あと、狂言回し的な役どころを演ずる金子侑加・中野亜美お二方のメインパート(過去)と現在パートの老若の演じ分けも見事。
これだけのものがB席3000円ってウソだろ!?
実演鑑賞
満足度★★★★★
浜端ヨウヘイさんの主演舞台「金鶏二番花」を鑑賞しました。
舞台を観るのは初めてでした。
舞台上のヨウヘイさんは、ライブで見てきた姿とは全く違って見えました。
声を聴けばやっぱりヨウヘイさんなのですが、舞台を観ている間いつもより遠くにいるようにもすごく近くにも感じる瞬間がありました。
ヨウヘイさんが歌い出すと一気に引き込まれ、舞台がヨウヘイさん一色になるのが印象的でした。
私はこれまであまり演劇そのものに触れる機会がありませんでした。
なので戦前と戦後が交互に描かれ次々と移り変わる場面、降り注ぐような歌やダンス、登場人物達のセリフに圧倒され、最初は目が回りそうになりました。
でも作品が進み各々の人物像が徐々に浮き上がってくるにつれ、それぞれの人物が厚みを帯びていきました。
今日初めて出会った人物一人一人が、話が進むにつれまるで昔から知っている仲間のように親しみを感じていくのが不思議な感覚でした。
普段は口下手だけど誰よりも熱い情熱を胸に秘めている出雲、ぶっきらぼうで粗野だけど優しさを秘めている宮、大好きな太陽の光をを見つめ続けたいという願いが叶わなかったペケ美。
自分の言葉が多くの人の、そして息子の命をも奪ってしまったことで自責の念に苛まれ続けた河内。
自分の作り出したものが、誰かの大切なものを奪ってしまったことに葛藤し苦しむ金原。
それぞれが見ている蜃気楼の中に、自分だけの金鶏を見つけようと必死に生きている姿に心を打たれました。
全ての登場人物に幸せになってほしい、あんなに辛い戦争を乗り越えてきて幸せにならないなんておかしい、と心から思いました。
また時に言葉は人の生き方を左右するほど大きな影響を与えることがあると改めて感じました。
河内が語っていた学徒出陣の際のエピソードのように、人の命を奪いかねないほどの刃となることがある一方で、人を絶望の淵から救い出す力もあります。
サナトリウムでハナに宮が「あなたの松明になりたい」と言ったことが、兄を永遠に失ったことを知りまた自身の身体の状態のことで希望を失っていたハナ自身に、どれだけ希望を与えたのだろうと思いました。
ヨウヘイさんの、宮の魂の叫びに心が震えました。
一ヶ月ほどでこんなに素晴らしい舞台を作り上げてきた劇団の皆さん、ヨウヘイさんの努力や熱意に圧倒されました。
明日で終わってしまうなんてなんだかもったいない、もっと続いてほしいなと感じました。
一生忘れられない、素晴らしい経験をさせていただきました。ありがとうございます。
私の中の金鶏とは何なのか、これから探し続けていきたいと思います。
実演鑑賞
満足度★★★★★
序盤の演出から一気に引き込まれ、
あっという間に作品の世界に没入していました。
視覚的な仕掛けや空間の使い方が非常に巧みで、
観客の想像力を心地よく刺激する構成だったと思います。
物語が進むにつれ、感情の流れと演出が丁寧に重なり合い、
気づけば登場人物の心の動きに深く共鳴していました。
今年いくつか舞台を観てきましたが、ここまで余韻が長く残った作品は珍しく、
「今年のベスト作品かな」と感じながら観ていました。
台詞や歌詞の一部に少し聞き取りづらいところがあったものの、
全体としてのエネルギーと集中力が非常に高く、
むしろその密度の高さが生の舞台ならではの魅力になっていたようにも思います。
実演鑑賞
満足度★★★★
2回目。
初回よりも面白く感じた。前回は金子侑加さんの老女の台詞がさっぱり聴き取れなかったが、かなり改善されていた。
クリント・イーストウッド監督の硫黄島ニ部作『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』。アメリカ側と日本側に視点を分け「硫黄島の戦い」を映画化。アメリカが奪取後、日本本土空襲の発進基地となる重要な拠点だった為、地獄の激戦に。
今作も『金鶏 二番花』『金鶏 一番花』で全体像が完成するように作られている。その為の伏線であろう台詞も多い。
ここは本当に凄い才能が掛け合わさっていく様を体感できる場。居合わせることの幸運。作家(堀越涼氏)の見ている先はもっととんでもない場所だろう。本当に前人未踏の領域へ。
実演鑑賞
満足度★★★★★
またあやめが名作を作った。
楽前日に観たことを後悔した。もう一度観たかったからだ。
いつもとテイストの違いがあったが、新境地を開いたという感じ。
達者な役者の熱量とストーリー展開のたくみさで3時間弱のお芝居があっという間。もっともっと観たいと思った。
全ての登場人物に愛着が湧き、全ての音楽に心を揺さぶられた。お見事。私は早稲田大学時代から金子侑加さんフアンだが、どんどん演技がうまくなりどんどん魅力的になっている。ベテランアナウンサー役の井上裕朗さんがいい味を出していた。
実演鑑賞
満足度★★★★
まず、今回のセットが秀逸。音楽隊の使い方も上手いし、冒頭のシーンから舞台への導入もスムーズ。楽曲の中には歌詞が聞き取りにくいものが幾つかあったが、ロビーで歌詞カードを配っているので助かった。
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/07/12 (土) 18:30
座・高円寺を贅沢に端から端まで生かした舞台演出で良かった。
テレビ創成期に起きた様々な人間模様が悲喜こもごも表現されていて素晴らしかった。
音楽隊との親和が良く、楽しんで観ることが出来た。
9月の舞台も楽しみにしています。
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2025/07/12 (土)
ステキなシーンは所々あったけど、全体的にはいつものあやめ十八番らしさがなかったように感じました。
堀越さんが出演されてなかったのは大きいと思います。。 あの独特な声色や、はじまりの口上がなかったのは淋しいです。
実演鑑賞
昨年夏にたまたま見たこの劇団の夏芝居が、結構好感を持って楽しめたので、もう一度とでかけたら、まぁ、これは散々である。ガラにないことをやるものではない、いう好例である。
よく知らないことを聞きかじりでやるものではないといってもいい。
前回の舞台は東京郊外のその地域では有名な神社の境内にあるお土産団子屋の一家の話である。跡継ぎの話から、稼ぎ時の祭りの工夫まで外からは想像するだけで実際は知らない話が、素朴なホームドラマの笑いと共に並べられ、しかも教訓におちいらず描かれていて、客席も地域の観客も多く、いかにも高円寺の劇場に似合っていた。
今回はテレビ創世記の放送局奮闘記である。放送局となると、国家機関である。名物団子が売り物の神社とはワケが違う。神社なら例えば、神主一家なら、周囲をよく見てドラマを書けばいい。前回はそういう実録ものの良さが出ていた。だが、放送局の主要商品がラジオからテレビにかわる時期となればその周囲は神社の比ではない。歴史が直に物語にはんえいsるからリアリテイのある場所設定をみつけるだけで大事である。それが出来ていない。仕方がないから、周辺図書の使えそうな逸話を探す。沢山でている。これは放送史、これは黒柳徹子、ここは井上ひさし、トよく知られているおなじみエピオードをを並べることになってしまうが、それでは辻褄が合わない。一番具合が悪いのは、テレビの創世記はラジオは既にメディアとして成立していたことである。そこを、創立者苦労物語で作ろうとして者だから話がヘンなことになってしまう。その辺は作者も気がついているようだが、基本知識がないのだから仕方買いそれなのにGHQの放送管理にまで話を拡げるから全く話の収拾が付いていない。もっと話を絞っていかなければ。
実演鑑賞
満足度★★★★★
素晴らしかったです。
舞台の使い方、お話の進め方、色々な小道具を変化させて何物にも見せてしまう技術、そして素晴らしい役者の方々ほんとに素晴らしかった。歌詞が心に染みいり何度も涙しました。
実演鑑賞
満足度★★★★★
素晴らしいの一言に尽きる。とにかく,観劇後の満足感が半端ない。いつも思うのですが,あやめ十八番さんの芝居は,まず舞台装置が秀逸で,芝居がホント立体的で臨場感を創り出しています。特に,今回は前方の席だったので,役者さんが近いこともあり,芝居が迫ってくる感には芝居の醍醐味を感じざるを得ません。また,楽士さんの配置もその一つで,役者との兼務がスムーズでもあり,舞台造りの構想にはただただ感心です。さて,今回のこのお芝居,入り込むのにちょっと時間がかかりましたが,時代背景,物語が理解できると加速度的に面白さが増していきます。良く出来たホンだと思いました。そして,皆さん,歌も芝居も素晴らしく,演技に文句のつけようなどありません。とにかく,観劇の満足感があり,ちょっと事情により多くの舞台観劇が難しくなってきましたが,あやめ十八番さんの芝居だけは観続けていきたいと心に誓うほどの観劇でした。絶対におススメの舞台です。
実演鑑賞
テレビ黎明期とそれ以前を描いた群像劇。
本格的な音楽劇。
歌、踊り、演奏みんな見事。
これだけ豪華な作品をこの入場料で上演したのは奇跡と思う。助成されているとはいえ。
実演鑑賞
満足度★★★★★
オープニングの見事な演出は、一気に観客を演劇空間に引っ張り込む。いつもの生演奏の良さ、そしてよくぞこれだけ多くの歌の上手い而も演技もしっかりした役者を揃えたと感心させる。実力派あやめ十八番の面目躍如たる作品。観るべし! 華5つ☆ 脚本の良さは言うまでもない。
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白かったです。
テレビ放送の原点を描いたストーリーで、その熱さに感動しました。
生演奏、歌やダンス、パントマイム、時代を感じる衣裳等、目も耳も楽しめる内容で、何とも贅沢でした。
役者さん達の演技も素晴らしく、浜端ヨウヘイさんの声が何とも魅力的でした。
仕事への情熱、恋愛、友情、戦争、色々な物が詰まった素敵な舞台でした!
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白い、お薦め。
日本のテレビジョン実験放送に関わる人々の努力と奮闘の群像劇。公演の魅力は、舞台美術を駆使し、当時の状況を音楽を交えテンポよく展開する。休憩含め約3時間近い物語だが、飽きるどころか 目が離せない。物語は色々なエピソードを盛り込んでいるが、それらが緻密に連関していく。それを観(魅)せる演出も手が込んでいる。
本作は「金鶏 二番花」となっているが、9月には「金鶏 一番花」(池袋演劇祭参加作品)が予定されている。本作で、日本テレビジョン開発 第一人者の金原賢三がどうして これに取り組むようになったのか、その理由を語っている。その金原に焦点を当てたのが「金鶏 一番花」で、本作と併せ壮大なテレビの物語が紡がれるようだ。
物語は、NHK放送劇団・第一期生の老女が、後輩・五期生の女性のインタビューを受け、テレビ放送の黎明期を回想する形態で進む。技術も人材も未成熟で、試行錯誤の繰り返し。しかし 気概と活気に満ち溢れていたことが窺い知れる。そこには戦後の復興を願う人々の姿がある。
(上演時間2時間45分 途中休憩10分)
実演鑑賞
満足度★★★★★
前作「雑種・・」を観た同じ座・高円寺の広いステージで、前回は対面客席だったが今回は通常の一方向観劇。TV画面を覗く構図に似つかわしい。横に十一間、奥も六間はある。舞台ツラから二列目かのステージ台を両脇を残して外し、中央の一つは一列目も外し、上手下手両側に一間四方の台が可動式の台として場面ごとに動される(人一人が引っ張ったり押したりで動く。高さ1M程度だろうか)。その向こう一、二間あたりには巨大な白いレースが吊され、その手前全体がTVスタジオ、周辺の照明機材(本物)も舞台装置に馴染んで溶け込んでいる(照明係りの役が一度それを使う場面がある)。レースカーテンが切れた上部、客席からは遥か上を見上げる格好だが、キャットウォークにも人物が動く。実験放送に着手したNHK(日本放送機構)を管轄するGHQの下部機関CIE(?)の日系人トップが君臨するように歩く姿、またスタッフが糸操り人形を手板で操ったり・・。
上手のシーリング近い高さには太陽のようにデカいパラボラのような円の物体が吊るされ、ぼんやりと白く光る(これは照明を当ててそう見せている)。楽器隊は下手奥。Key、Dr、accord、ファゴット?、tpが入って五重奏と贅沢。
「音楽劇」と謳うだけあり、普段のあやめ十八番も生演奏の劇伴は劇全体に及ぶが、その比でなく、拍手ものの華麗な(レビュー曲のような)楽曲から、涙ものの胸熱の歌、他バリエーションはミュージカル並み(音楽劇との名称は控えめに感じる)。
C/Dの分数コード(の短三度上げ)のノリ(これは言葉で説明できん)が冒頭でポロリンと流れた時は「ほーらTVだよ」と無理に盛り上げ話に付き合わされる訳じゃあるまい、と一瞬警戒したがすぐに解消。戦中の回想をまじえた終戦直後が舞台のTV黎明期の話が、ありきたりにならず、戦争を都合よくドラマに利用しておらず(これには観客それぞれの感覚があるだろう)、史実を踏まえつつも遊び、と言って飛躍し過ぎず、芝居が紡がれていた。
自分はドラマの「甘さ」に敏感(否定的な意味で)なたちであるが、音楽的表現はそれを凌駕する事がある。これを勘案したらお釣りが出るほど高評価に値する舞台。