音楽劇 金鶏 二番花 公演情報 あやめ十八番「音楽劇 金鶏 二番花」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    2回目。
    初回よりも面白く感じた。前回は金子侑加さんの老女の台詞がさっぱり聴き取れなかったが、かなり改善されていた。

    クリント・イーストウッド監督の硫黄島ニ部作『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』。アメリカ側と日本側に視点を分け「硫黄島の戦い」を映画化。アメリカが奪取後、日本本土空襲の発進基地となる重要な拠点だった為、地獄の激戦に。
    今作も『金鶏 二番花』『金鶏 一番花』で全体像が完成するように作られている。その為の伏線であろう台詞も多い。

    ここは本当に凄い才能が掛け合わさっていく様を体感できる場。居合わせることの幸運。作家(堀越涼氏)の見ている先はもっととんでもない場所だろう。本当に前人未踏の領域へ。

    ネタバレBOX

    2025年、NHK放送100周年を記念して黒柳徹子と先輩である宮田恵美(河口恵美子)が思い出を語るトーク番組。宮田恵美は亡くなっており、生きていても百歳を越えている為、1992年位の設定かな?と思ったが現在だった。そりゃ腰も曲がりゃ声もしゃがれる。

    ライターは消しゴム?、椅子はNHKと印字された箱馬、花束はメガホン、お菓子は紙テープ?、テーブルは脚立で見立てる。

    丸川敬之氏と浜端ヨウヘイ氏が天井から操るマリオネット劇。
    念仏を唱える母親(璃音〈りのん〉さん)を家に置きハレー彗星を見に外に駆け出す高柳健次郎(藤江花さん)。曲は「ハレー彗星から生き残れ」。幻想的な夜の丘を何処までも駆けていく宮沢賢治的名シーン。
    浜松高等工業学校に助教授として赴任し、学長(内田靖子さん)の訓示に心震わすシーン。その後、藤江花さんと内田靖子さんがタップを踏むのも決まる。

    金子侑加さんの姉(高岡由季さん)は帝国放送効果団のアコーディオン。

    宮内國郎のウルトラマン調「ピストルと大砲」。

    浜端ヨウヘイ氏は声が上田晋也と富澤たけしっぽくもある。左肩を痛めているのか湿布。
    サナトリウムで浜端ヨウヘイ氏が起こした騒動、ラジオから流れてきた曲(「僕の可愛い妹よ」)を「この曲好き!」と歌い出して内田靖子さんが治める。この曲が良い曲で、河西美季さんが歌う妹・中野亜美さんへの歌に繋がる。

    照明技師の武市佳久氏と田久保柚香さんの悲恋。「恋は日光網膜症」も良かった。

    「特効野郎!ストレプトマイシン」は『ゴジラ対ヘドラ』の名曲「かえせ! 太陽を」を思い起こさせる出来。サナトリウム看護婦トリオで決める。織詠(おりえ)さん、藤江花さん、古川和佳奈さん。

    ラストの紅白メドレーは前回よりも曲数が増えていたと思う。作品を彩った歌のリフレインは上手い。

    神宮外苑で行われた「出陣学徒壮行会」を実況した井上裕朗氏。その中に愛する息子もいた。隠れて酒を飲んでやり切れない思い。ビルマで戦死した息子。戦後も酒に溺れる。彼の存在が作品の柱になっている。

    スマトラ島は石油など天然資源が豊富だった為、爆撃されず。そこで見た蜃気楼。

    当時のテレビのイメージは街頭テレビに群がる人々と力道山。今作に足りないのはテレビのイメージ。ラジオ番組の印象の方が強くなっている。

    井上裕朗氏、内田靖子さん、田久保柚香さんの方が物語の引きが強い。

    「遠くまで届ける為にテレビはあるんだ。きっと向こう(あの世)にだって届いてるよ。」
    「人生は生放送。」

    鴻上尚史でお馴染みのOpus「Live Is Life」を思い出す。

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    2025/07/13 22:26

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