『孤独の惑星 (コドクのホシ)』ご来場ありがとうございました。 公演情報 『孤独の惑星 (コドクのホシ)』ご来場ありがとうございました。」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
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  • 満足度★★★★★

    原作を読んでみたくなりました。
    特にSF好きということではないのですが、観劇最中に「ああ、原作を読んでみたい。というか、読んでから観たらまた違う楽しみ方ができたかも。残念。」と感じました。
    観劇前は、内容が難しそうだったので理解できるかな…と思って構えていましたが、私にはわかりやすかったです。
    役者、照明、音響、舞台、演出すべてが一体となって、つくりあげられたSFの世界。次はまた別の世界も見てみたいです。

  • 満足度★★★★★

    無題427(12-170)
    19:00の回(晴、暑い)。18:03受付、中(受付の奥)で待っていても構わないということでしたので涼しい所で待ちます。18:30開場。原作が「ソラリス」、とても複雑な気持ちのまま階段を下り、舞台が目に入ってくると...。

    午前中、浦和のIMAXで「THE DARK KNIGHT RISES」みてきました。IMAXをみたことがある方はわかると思いますが、壁一面のスクリーン、高画質。大音量で椅子がビビります。絵と音と音楽と。それを持ち続けながらのお芝居でのSF作品、それも個人的に特別な思い入れがある「レム」であり、「ソラリス」。ほぼ同時期に「2001年宇宙の旅」をテアトル東京(シネラマ版)でみていて(余談ですが、シネラマ版は通常版と違うところがあるとネットにあります)、両作品が劇場でのSF作品のスタートであり、頂点でもあります(実は、SFの映像では、TV放送されたB級作品も大好き)。

    そのソラリスが目の前に。湾曲した部屋、銀色に輝くテーブル、ワインとグラス。左右の柱も銀(鏡のイメージかな?)、舞台手前の床に白い..湿布薬みたいなものが何枚も。インスト曲が控えめに流れ、正面上の(青紫)照明が宇宙ステーションの冷ややかさを感じさせてくれます。

    ここでおこるであろうこと、「お客さん」が来ること、理解するにはあまりに遠くにある「海」のことを思いながら、18:55三浦さんの前説、BGMに代わり嵐のような音が聞こえてきます。暗転、そうかこれは海の音なのか...21:03終演。

    理解できないもの、ソラリスの海、「星からの帰還」の100年以上先の世界、「砂漠の惑星」の機械、「エデン」の異星人...異質なものを描くレムの世界。

    終演後、前作のDVDを購入、三浦さんにお声がけさせていただき帰路へ。続く、

    ネタバレBOX

    正直、よくここまでまとめられたものだとビックリしています。映画のシーンと重なる部分...ああ、ここはこんな風に仕上げたんだ、おやっ、これは映画にないけど...いいな、とか。登場人物は「日本人」になっていますが、名前にもひねりがあり、終演後、「ハル」は「HAL9000ですか?」とお聞きしたほどで、「猿田」は「火の鳥」からきているそうです。タルコフスキー版は水とゆったりとした映像の中でお話が進み、こちらではそれを照明がセリフ以上に語りかけてきます。

    役者さんたちも大好演、男性は「人」、女性は「お客さん」。もう一人の登場人物、「海」は赤と青のふたつの太陽のひかりを受け様々な面をみせてくれます。

    ハルが(場面としては出てきませんが)ドアを突き破るシーン、蘇生するシーン..どれもいい。お客さんは4名、飛ばしたロケットの音は3つ、で間違ったのかなと思っていたら、残っていました。柳葉のお客さんが本人の自殺後も残っていたのは数にいれていいんですよね?

    タルコフスキーのラストは絵的には嫌いなので、どうなるのかなと思っていたら..おおっ、海に降りるのか.....で、ふたたび「お客さん」、海との対話が始まったのか....オドロイた。「2001年」で「スターチャイルド」がでてきたくらい驚いた。

    今借りている「物理学、まだこんなに謎がある(小谷太郎著 2012/4刊)」に、「ソラリス」と「2001年」に関する記述があり、「地球外生命探査」という章に「火星年代記」なんて洒落た副題がついています。

    余談:袴塚さんと園田さん...「おおばんぶるまー」でみていました。
  • 満足度★★★★★

    引き込まれた!
    素晴らしい舞台でした。
    舞台観劇初心者ですが、とても良い芝居に出会えてよかったです。

  • 満足度★★★★★

    巧みな構成力
    あまりにも素晴らしい舞台でした。舞台上のセットは机と椅子のみ。しかし演出と照明、音響、演技力でこれほどまでに壮大な宇宙の物語を想像できるのだな・・と改めて感心しました。ミステリーな脚本も素晴らしい。

  • 満足度★★★★★

    よかった!
    重厚で質の高いお芝居でした。役者の皆さんの熱演に心奪われました。
    全く台詞の無い「女」さえも、その立ち姿だけで迫って来るものがありました。

    照明や音響の使い方もうまくて、惑星の研究センターや宇宙船、広がる海が想像できました。
    惑星ソラリスの話を知っていても知らなくても堪能できる舞台です。

    ネタバレBOX

    ソラリスがみせる女性4人がみんな魅力的でした。
    それって、こういう芝居ではとても大切なことだと思います。
    ラストで、冬月の前で女性が一列になり、ゆっくりはけていく場面、美しくて鳥肌が立ちました。ソラリスの幻影に私も魅了されました。
  • 満足度★★★★

    よかった
    よくまとまっていた。原作がしっかりしているし、演技もよかった。特に砂川がよかった。

  • 満足度★★★★

    ツブツブについて、考える
    いつかのいつか人類は、広大な有機体「海」を湛えた惑星を見つけた。
    そして赤い太陽と青い太陽が交互に昇るその星を「ソラリス」と名付け研究を始めるが…。

    みたいな物語。

    SFサスペンスかと思いきや、ラブストーリー。
    と思いきや、哲学的な一つの問。
    と思いきや、愛だの過去だのに翻弄される男達の、物悲しくも滑稽な人間ドラマでした。

    女達は人形のように美しく、
    男達は情けなくってセクシーで。
    演出も音響も装置も照明も、攻め気なキワキワ。満足満足。

    ネタバレBOX

    人間は小さな粒(原子)が集まってできている。
    地球上の、他の色んなモノも。
    どうして、離れていってしなわないのだろう。
    不思議。
    構成する粒が違ったら、それだけで、遠く、理解できないものだろうか。
    形を似せれば愛せるだろうか。
    自分を捉え続けている幻影が、質量をともなって現れたら、
    私は遠くの星で、何を選択するのだろうか。

    ツブツブの違いに拭い様の無い嫌悪を感じるのか。
    それとも、これ幸いと自分を狂わせ夢の住人に浸るのか。
    偽物なんざ一秒だって許せぬと、切り落とすのか。

    と、いうような事を考えました。

    あのステーションに女性の研究者が残っていなかったのが、
    何か分かる(笑)
    煩悶の物語にならないもんなぁ。
    すっかり、もしくは、ずっぱり。


  • 満足度★★★★★

    宇宙!!
    久しぶりに、心躍り、余韻が残る芝居を見た!
    5年前に観た作品より、さらに明確に、そして深い作品になっていた。
    役者さんは勿論だが、舞台装置、音響、照明が素晴らしかった。

  • 満足度★★★★★

    愛の失敗
    フライヤーには赤い大きな星が描かれているが、
    当日パンフでは青い星になっていた。
    この“赤い太陽”と“青い太陽”が交互に昇る惑星は知性を持っていた。
    惑星が知性を持つと、観察していたはずのヒトが観察されるようになる…。

    ネタバレBOX

    友人の数学者柳葉(藤井びん)に呼ばれてその惑星にやって来た
    心理学者冬月(志村史人)は、彼の変わりように驚いた。
    ステーションには他に生物学者の砂川(内藤羊吉)と物理学者猿田(園田シンジ)もいる。
    何か隠している、そしてここには誰か他の人間がいる…。
    そして柳葉が自殺する。

    その夜、冬月が目覚めると死んだはずの妻が部屋にいた。
    妻は彼との不仲を苦にして自殺したはず。
    だが幻ではない証拠に、触れることも会話することもできるのだ。
    恐怖と混乱で我を失う冬月。
    やがて柳葉たちにも同じように誰かが(お客さんと呼ばれている)いることがわかる。
    どうやら一番深い“心の傷”に関わる人物が現われるようだ。
    そしてお客さんを送りこんで来るのは、知性を持つこの惑星の海らしい。

    忘れたはずの傷がリアルに再現されて男たちはふたたび傷ついている。
    今度は失敗しないように努力したり、
    辛くて逃げ出そうとして、お客さんをロケットで宇宙へ飛ばしたり、
    あるいは殺したり…。
    だがお客さんたちはすぐに戻ってくる。
    過去の記憶もなく、無邪気に、「不安だから一緒にいて」と──。

    こうして過去の”愛の失敗”が際限なく再生される。
    忘れようにも目の前に相手がいるのだから忘れられるはずがない。
    科学者を惹きつけてやまない惑星は、同時に深層心理に忍び込んで精神に作用する。
    観察していた人間は、惑星の海に“観察されていた”のだ
    恐怖と懐かしさに翻弄される男たちは次第に疲弊していく。

    柳葉は自殺し、砂川は一人地球へ帰った。
    冬月はステーションから知性の海へと降りて行く。
    ひとり残った猿田は科学者としてこの惑星を離れられなかっただけではない。
    永遠の母親の愛を振り切ることが出来なかったのだ。
    ラスト、知性を持つ海に立つ冬月を、照明が絶望の色で映し出す。

    ポーランドのSF作家スタニスワフ・レムが1961年に書いた小説「SOLARIS」が原作。
    あらためてすごい本だと思う。
    「好奇心」と「探究心」に名を借りた人類の傲慢さが完膚無きまでにつぶされる。
    「忘れる」という行為がいかに人を救うか、
    逆に「忘れられない」ことがいかに残酷なことか。

    冬月役の志村史人さん、最初はちょっと格調高すぎと感じたが
    その端正な美しさ故、中盤次第にぐだぐだになっていく変化が際立った。
    柳葉役の藤井びんさん、さすがのくたびれ具合に説得力あり。
    素朴な口調が、翻弄された果てのあきらめを漂わせていた。
    科学で説明のつかない出来事を苦悩しながら受け容れた結果
    どこかで”永遠の愛”を求め続けて破たんしていくプロセスが鮮烈。
    赤い太陽と青い太陽が交互に昇る惑星の時の移り変わりを示す照明がとても良かった。

    この小説から50年経った今、人類はますます傲慢になって他の星を征服しようとしている。
    だがそこがもし、知性を持つ孤独な惑星(ホシ)だったら
    科学者も人類も敗北は目に見えている。
    お得意の「忘れる」行為が許されなくては、人は生きて行けるはずがない。
  • 満足度★★★★


     問題は知である。そもそも、我々はなぜ、様々なことを問うのか? 問わずには居られないのか? それは、我々の存在に確定的根拠が無いからだろう。誰一人、我々が何処から来て何処へゆくのかを明確に答えられない。その理由は明白である。答えようが無いからである。おそらく我々は、始原のカオスから来た。そして究極的には其処へ帰る。その間に流れる時間は、殆ど無限だ。その一刹那、我らは夢を見る。愛と名付けて良いかも知れない。或いは希望と名付けて良いかも知れない。宇宙の底知れない寂しさの真っ只中に佇み、我らは夢のかけらにすがるのだ。其処に普遍的と思える安寧を見出し得た時、それは一定の成果を見るだろう。然し、それが、何だというのだ、宇宙の絶対的なエネルギーのいくらかをでも我らに変える力があるとでもいうのか? 笑止である。我らは、只、佇むのみ。といったことを考えさせてくれた。かなり哲学的に見ることもできる作品だ。無論、自分のようにではなくいくらでも解釈ができる作品だ。そこがこの作品の魅力だろう。壮大な世界を照明や音響を上手に使って見せてくれた。

  • 満足度★★★★

    記憶の中の美女に会いたい方にぜひ☆

    なぜ私にとって忘れがたい愛の記憶の相手だけが何度も蘇るのか。。。
    「永遠の愛」は実在するのか否か。二人の間に起きた、取り返しのつかない事柄をやり直し続けることはできるのか。
    私が惑星ソラリスを観察しているのか、知的生命体である惑星ソラリスが私という人間を観察しているのか。。。
    人が自らの存在を越えるものを観察する、矛盾を体現する物語になっていました。

    惑星ソラリスに現れた恋人の幻影はニュートリノでできている、と科学的に解明されてもなお残るのは、実際に科学者全員に声が聞こえ、触ることのできる女、のようなもの。それも自分という人間を理解し、認めてくれる存在である。
    否定しようとすればするほど、どつぼにはまっていく姿がおかしくもあり、哀しくもあり…。


    答えの出ない疑問を考えたくなる、エキサイティングな作品でした。
    セットがだんだん宇宙に見えて来るのが不思議☆

    ネタバレBOX

    それにしても、男の記憶の中に現れる女ってどうしてあんなに美しいのかしら。。。

    あんなに可愛らしく「あなたがいないと不安なの」って言いたいわ。
    それとも、男の方は修羅場も記憶の中で、可愛い彼女に書き換えてくれるのかしら???

    男のロマンチシズムを感じます。

    登場するのは美しい女の人ばかりなので、目の保養にもよいと思います。
    オススメです。

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