遭難、 公演情報 遭難、」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-20件 / 20件中
  • 満足度★★★

    片桐はいり演じる仁科というすごい母親。
    池袋の東京芸術劇場を訪れた。かつて,鶴屋南北戯曲賞をとった作品は,かなりインパクトのあるものだった。本谷有希子は,この『遭難』をどのようなプロセスで完成させたのか,そして,今回再演したのだろうか。

    四人の教師が,モンスターな母親・仁科と格闘するような話であるか,のような印象から物語はスタートする。この母親は,江國という若い女性教師を攻め立てる。わが子が,意識を回復しないのは,アンタのせいだ!。しかし,あとでわかって来るが,この母親は,子どもを虐待していて,それが,きっかけだったかもしれない。

    江國は,たしかに仁科君から告白されたこともあった。もしかして,失恋のショックだったかもしれない。しかし,話の骨格としては,主役である里見という国語教師が,仁科君から,相談の手紙を受けていたのだ。同僚のきまじめな石原は,その事実を知っていたのである。里見は事実を,インペイをする。石原は怒る。

    里見がすごいのは,さほど罪もない不破という軽薄な男性教師までも,今回の事件にひきずりこんでいく。びっくりするのは,唯一良識もありけがれもなかった石原は,ほとんど「弱み」がないことゆえに,全員の標的になりかけることである。これが,社会の真実ならば,そこに救いはないだろう。気の毒である。

    一方に,片桐はいり演じる仁科というすごい母親。それに対して,里見というずるい人間がいる。里見のような人間も実際たしかにいるだろう。ただ,その人間には,その人間の歴史があって,もはや性格やら,主義は変えようもない。一番苦しみ,一番かわいそうなのは,里見だったりする。その里見に世界は崩壊させられるのか。

  • 満足度★★

     
     

  • 満足度★★★★★

    初体験でしたが
    人気の所以が今回ではっきりと分かった。
    今年観た中では一番かなあ?

  • 満足度★★★★

    個人的には
    良かったと思いました。代役としての菅原さんの演技も好きでした。
    菅原さんのファンになりました。このトラウマや自意識というのがどこか自分に投影されているような気になってしまうのがさすが本谷有希子作品と思いました。他の役者さんの熱演も凄かったです。
    サンプルでの松井さんの演技も観てみたいなと思いました。
    ただやはり女性での里見役が見てみたいなと思いました。

    勉強になりました。ありがとうございます。

  • 満足度★★★

    本谷節と女優
    本谷さんの劇は相変わらず、人の痛いところというかエグいところを突いてきますね。本谷節健在といったところです。
    たいつもの本谷作品の「それでもスカッと終わる」劇ではありませんでしたが、それでもよく出来た作品だと思います。
    ただ、やっぱり主人公を男性にしたのはちょっと失敗だったかなーと。途中までは女性と思い込んでみていましたが、最後は男性に戻ってしまい、一瞬で興ざめしてしまいました。

    ネタバレBOX

    内容的には「トラウマ」って何なのか、「トラウマ」を理由にすれば何でも許されるのか、と言ったテーマがとても面白かったです。
    とりあえず、台詞として「私から理由を取り上げないで」って言葉が印象的でした。
  • 満足度★★★

    「エグイ」。
    思わず出る言葉は「エグイ」だった。
    人の嫌な面をさらして見せるような展開が、凄かった。
    閉鎖された人間関係の中で事件が起きて、その空間の中で捻じ曲げられて繰り広げられるゆがんだ論理。
    次々に人の弱味に付け込んで広がっていく。
    しかしその中に浸かってしまっている人間は、納得させられてしまう。
    凄い内容だった。

    さて本作は、初演の時に見逃してしまったため、今回は先行予約で確実にチケットゲットして
    待ち臨んでいたところ、何と直前に主役の黒沢あすかさんが病気で降板!
    しかも代役が男優という異例の展開!
    両面オールカラーの本チラまで、新主役で作り直されるという力の入れ具合はさすがと思ったが。

    やはり、女優が演じた場合と、男優が演じた場合では大きく意味が変わってしまう。
    主役降板を逆手にとって、ならば再演ながらも全く新しい作品にしてしまおうと
    前向きに考えたのかもしれません。
    しかし、直前で別の女優はやりにくい?から、いっそのこと男優にしてしまえと
    飛び道具を出してきたような…感じです。

    本音を言うとやはり、黒沢あすか さんで観たかった。
    きっと、もっと『エグイ』出来になったに違いない!

  • 満足度★★★★

    流石。
    納得。

  • 満足度★★★

    濃密!
    最前列で観たことで、どっぷりハマり込み楽しめました!
    ★は、4に近い3。

    ネタバレBOX

    菅原さん目当てで行きました。
    菅原さんこその不気味さが加わって、効果UPだったと思います。
    (降板された女優さんのことをよくしらないのですが)
    菅原さんの役が女優さんだったら、女子率が高くなるから、
    言い合うシーンとかギャンギャンしそう・・・とか思って観てました。

    美波さんが、テレビで見るより舞台のほうがずっと魅力的だと思いました。
    佐津川さんとか、松井さん×片桐さんとか、色んな組み合わせの色んなシーンが、
    それぞれに魅力的で、長さを感じさせずとても楽しめました。
  • 満足度★★★★★

    スタイリッシュ
    観劇経験の未熟な自分にとっても最高の体験だった。
    音楽も残るなあ。初めてDVDも欲しいと思った。

  • 満足度★★★★

    観た
    賞を取っているだけあって、脚本がとても面白いくて、力強い。
    引き込まれた。2時間強あっという間。
    代役を男優にしたのが良かったのかも。
    菅原さんは大変だったと思う。
    面白かった。

  • 満足度★★★★★

    これぞ演劇
    これだけのハプニングをプラスに転じられるのは、ひとえに作・演出の実力でしょう。染み入るセリフも多く、じっくり堪能できた。

  • 満足度★★★★

    代役なのに
    全然違和感がなかった!

    演者のキャラがたっていてとても良かったと思う。

    濃い時間を過ごせた。

  • 満足度★★★★

    菅原GOOD JOB
    ちょっと長いね。
    男優にした事は英断だったと思う。
    これ観ると女優版は想像できないなぁ。
    松井周、芝居うまいんだね。

    ネタバレBOX

    舞台にロッカーがある時は必ず人が隠れる。
  • 初、劇団、本谷有希子
    ずっと気になっていた、『劇団、本谷有希子』やっと観劇できました!

    降板になってしまった女優さんの代役を男性のかたがつとめると聞いて
    ビックリ&ワクワクしていましたが、意外に違和感なし(笑)

    保護者役の片桐はいりさんが、とってもおもしろかったです!

    出演者みなさんのキャラがたっていて、気をぬけない2時間でした。
    シリアスな展開なのに、笑いどころがたくさんあって…
    斜め前の席のマダムがツボってしまったのか、ずっと爆笑してました。

    本谷流シリアスコメディ、楽しませていただきました!

  • 満足度★★★

    きもいな~
    狭い職員室での演技、濃いですね~。里見は相変わらず気持ち悪い性格でした(笑)人間の素性が出れば世の中の人間、里見みたいになるのか?と思ってしまった。

  • 満足度★★★★

    濃い時間
    本谷さんの描くエグイ女がけっこう苦手で。少ない登場人物で繰り広げられる濃~い人間世界は大好きなんですけど。でも今回は女教師役が男性だったことで(まさかの菅原永二さん!さわやか時代が懐かしい。。。)軽さが出ていて、個人的には有りがたいと思って観ておりました。役者さんが皆良い!はいりさんと松井さんのやり取りは、カメラマンも撮りながら笑っていました。(撮影日でした)

  • 満足度★★★★

    劇団、本谷有希子「遭難、」
    面白かった。中学校の職員室での教師と保護者のてんやわんや。不謹慎な笑いを手練れの俳優陣が手堅く決めて行く。ベロリと剥けるように本音が露呈し、目まぐるしく状況が変化するのがスリリングかつ滑稽。舞台を覆う壁のおかげで、私の心の中の話と思えた。約二時間五分。

    ネタバレBOX

    壁のおかげでフィクション度合いが高まったのが、私には良かったです。円形とは全然違って。紙吹雪のあと菅原さんが消えて、ああ自分の脳内のことだったのかも、と思えました。
  • 満足度★★★★

    教室の悪魔
    初本谷有希子。面白い台本。

    ネタバレBOX

    空き教室に追いやられた、中学2年を受け持つ先生4人と保護者1人。保護者の息子は飛び降り自殺未遂をして意識不明らしい。その息子は、担任の美波に手紙を渡したらしいが美波がそれを無視したせいで飛び降りたんだと、保護者の片桐はいりから美波は責められている…。

    実際に手紙で相談を受けていた菅原永二(女教師)は、中学時代の自称トラウマから手紙を無視し、公にならないよう他の先生の弱みを握ろうとネタをでっち上げようとする。マドンナ先生の美波もまた、生徒からの告白を黙っていたし、松井周と片桐は不倫にしけこむ。友人の自殺を止められなかったことを菅原からつけ込まれた佐津川愛美は、菅原の悪事に悩む。

    とある女生徒の件や「先生」の来訪の件で混乱する菅原は、皆の前で手紙の無視と言い切り、中学時代の2階からの飛び降りを告白する。そこからの佐津川以外の混乱がおかしくて、またちょっとズキっとする。「みんな自分が好きなんだ」という菅原の言葉の通り、保身に走る人間をどことなくユーモラスに鋭く描く。ここらへんシビレた。
    んで、生徒の意識が戻り、菅原のトラウマを消滅させるシーン。チャイムの音をかぶせてキレイにしめる。トラウマはなくならないと吐き捨てる菅原は、独り部屋の中で深々と雪の降る中、魔法?のお菓子を食べる…。

    ラストの暗転して、菅原がハケて雪が激しく舞う演出は好み。
    でっち上げのトラウマが、菅原の生きる原動力、存在の根幹で、それを守るため、理由にするため右往左往する姿が哀れ&怖い。でも、ギリギリの精神状態で生きている菅原をみると、一生懸命なんだなとも思った。まあ近くにいたくない人間だけども。

    突飛な人物像だけど、自分の中に心当たりのある性質を上手く描いた作品。ただ、演技的には普通に見えた。また、黒沢あすかverが見れなくて残念。
  • 満足度★★★

    遭難は好きです。
    初演を拝見したている好きな戯曲。
    やはり里見は凄いと思いますが、主演降板の影響はありましたね。
    好きで女性役も得意な菅原さんだ代役を務めていました。
    佐津川さん松井さん美波さんも良かった、
    それでも空気が軽かったんですね、菅原さんの女装自体は
    普通面白くみてしまってるので、篠井さん位違和感ないならOKだけど
    こればっかりは仕方ない事かな、面白いのは確かなので初見はお勧め

  • 満足度★★★★★

    劇団、本谷有希子「遭難、」観ました
     名古屋で三年前に、地元劇団が公演した舞台を観てます(オリジナルにかなり参考にしたと思われる、上質な舞台でした)。
     今回の本谷再演版は後ろのほうの席で観たけど、キャストが皆、独自の魅力を持って役にハマっている。代役の菅原さんも、すり切れた感じの里見が意外で新鮮。
     仕掛けとしては、あの「壁」によって芝居と観客の距離感が変わるのが面白い。回想シーンの閉塞感もラストの微妙な解放感も、視覚的にぴったり表現。磨りガラスに映るシルエットも、存在への想像を刺激。
     順を追って薄皮が剥がされるサスペンスドラマは、筋を知っていても見応えあり。私にとってはやはり、これが本谷さんの代表作です(回想シーンで泣いた男。身に覚えあり…)

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