満足度★★★★★
劇団、本谷有希子「遭難、」観ました
名古屋で三年前に、地元劇団が公演した舞台を観てます(オリジナルにかなり参考にしたと思われる、上質な舞台でした)。
今回の本谷再演版は後ろのほうの席で観たけど、キャストが皆、独自の魅力を持って役にハマっている。代役の菅原さんも、すり切れた感じの里見が意外で新鮮。
仕掛けとしては、あの「壁」によって芝居と観客の距離感が変わるのが面白い。回想シーンの閉塞感もラストの微妙な解放感も、視覚的にぴったり表現。磨りガラスに映るシルエットも、存在への想像を刺激。
順を追って薄皮が剥がされるサスペンスドラマは、筋を知っていても見応えあり。私にとってはやはり、これが本谷さんの代表作です(回想シーンで泣いた男。身に覚えあり…)