遭難、 公演情報 劇団、本谷有希子「遭難、」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    教室の悪魔
    初本谷有希子。面白い台本。

    ネタバレBOX

    空き教室に追いやられた、中学2年を受け持つ先生4人と保護者1人。保護者の息子は飛び降り自殺未遂をして意識不明らしい。その息子は、担任の美波に手紙を渡したらしいが美波がそれを無視したせいで飛び降りたんだと、保護者の片桐はいりから美波は責められている…。

    実際に手紙で相談を受けていた菅原永二(女教師)は、中学時代の自称トラウマから手紙を無視し、公にならないよう他の先生の弱みを握ろうとネタをでっち上げようとする。マドンナ先生の美波もまた、生徒からの告白を黙っていたし、松井周と片桐は不倫にしけこむ。友人の自殺を止められなかったことを菅原からつけ込まれた佐津川愛美は、菅原の悪事に悩む。

    とある女生徒の件や「先生」の来訪の件で混乱する菅原は、皆の前で手紙の無視と言い切り、中学時代の2階からの飛び降りを告白する。そこからの佐津川以外の混乱がおかしくて、またちょっとズキっとする。「みんな自分が好きなんだ」という菅原の言葉の通り、保身に走る人間をどことなくユーモラスに鋭く描く。ここらへんシビレた。
    んで、生徒の意識が戻り、菅原のトラウマを消滅させるシーン。チャイムの音をかぶせてキレイにしめる。トラウマはなくならないと吐き捨てる菅原は、独り部屋の中で深々と雪の降る中、魔法?のお菓子を食べる…。

    ラストの暗転して、菅原がハケて雪が激しく舞う演出は好み。
    でっち上げのトラウマが、菅原の生きる原動力、存在の根幹で、それを守るため、理由にするため右往左往する姿が哀れ&怖い。でも、ギリギリの精神状態で生きている菅原をみると、一生懸命なんだなとも思った。まあ近くにいたくない人間だけども。

    突飛な人物像だけど、自分の中に心当たりのある性質を上手く描いた作品。ただ、演技的には普通に見えた。また、黒沢あすかverが見れなくて残念。

    0

    2012/10/11 00:13

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大