満足度★★★★★
エンジニアのスピリットについて真摯なリスペクトに感動!
ソニー創始者、井深大と盛田昭夫のサクセスストーリー。
円形劇場中央に、大きなテーブルのようなステージ(4m×3m)があり、
ステージはスクリーンにもなっている。
劇場周囲の壁面にも大スクリーンが設置され、その時々でさまざまな
映像が映される。
ステージ席の周りには30脚椅子、机上には弁当箱。
弁当箱はタイトルの「ベントー」でもあり、機能的に整理されて箱にきれいに
収められた食材とご飯は、当時のソニー製品の特長、メイドインジャパンの
象徴である。
その観客には、ソニー社のユニフォームであるベージュのベストが
配られ、それを着ている様子は、まさにソニーの会議室でもあるように見える。
俳優は、JunKim、AlexanderSchroderの外国人2人。
この外国人による日本人の物語は、まさにエンジニアのスピリットについて
真摯なリスペクトに満ちた内容で、本当に感動しました。
映像の使い方なども工夫と創意に満ちていて、まさに革新的で、この物語にふさわしい。
素晴らしい作品でした。
七夕の夜、観逃さなくて本当によかった!
満足度★★★★
ソニーの
イメージらしくハイテクな舞台装置が印象的。
舞台を囲んでいるのは、役者だと思っていたら違った。
日本の偉人を外国人が演じ、字幕を読むのは不思議な感覚だった。
満足度★★★★
弁当に集約されるソニーの歴史
ソニーを創業し世界的企業にまで発展させた井深大と盛田昭夫の物語を、役者と映像をシンクロさせた先鋭的な演出によって描いた作品で、斬新なビジュアル表現に目を奪われますが、実は脚本も凝った作りになっていて、とても楽しめました。
昔のテレビの3:4の縦横比のプロポーションの白いステージが会議テーブルに見立てられ、その周りには20脚弱の椅子があり、そこに座る観客はソニーの作業着を着て鑑賞し、その周りに劇場の通常の席が囲む配置でした。
終戦直前に井深と盛田が出会う所から始まり、初めての商品である炊飯器から、ポケットラジオ、テープレコーダー、カラーテレビ、ウォークマンを失敗を重ねながら開発・販売して発展していく様子がユーモラスな回想劇の形式で描かれていました。
最後のシーンは井深の葬式で、盛田が弔辞を読み上げ、ステージ周囲に座る観客に目の前にある箱を開けるように促し、中にはカラフルに光る日の丸弁当が入っていて、日本発、出発点である炊飯器、ポータブルであること、カラーテレビの大成功といった様々な要素が弁当に集約されていて見事でした。さらにタイトルの"Heavenly Bento"が「がむしゃら」を意味する"Hell-bent"に掛けてあったのも見事でした。
観客が食事をしている中、お互いステージの反対側に座った井深と盛田が手を出し、握手をするのかと思いきや腕相撲(のジェスチャー)を始め出して一瞬混乱させられるのですが、スクリーンに笑顔で腕相撲をする本物の2人の写真が写し出されて意味が分かるラストの演出も素敵でした。
ステージの床面に真上から映像を映し、役者が映像に同期して動くことによって、逆に役者が映像の中の物体を動かしたり、地図の中を歩き回っているように見せる手法が、テクノロジーに関わりがある物語にマッチしていて楽しかったです。
只の成功物語として描かずに、現在のソニーに対しての苦言めいた台詞があったのもスパイスが効いている感じで良かったです。
満足度★★★★★
芸術品
映像と光と、役者がいい感じにシンクロして世界を創り上げていました。
こういうノンフィクションの作品は、なんとなくつまらなく、味気ない事実の羅列になりがちですが。そんなことは一切ない芝居でした。
全編英語上演ということでしたが、字幕もついていて普通についていけました。
また、日本にはないジョークの感覚もキレキレで、ちょいちょい笑えてよかったです。