Heavenly Bento 公演情報 ジェイ.クリップ「Heavenly Bento」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    弁当に集約されるソニーの歴史
    ソニーを創業し世界的企業にまで発展させた井深大と盛田昭夫の物語を、役者と映像をシンクロさせた先鋭的な演出によって描いた作品で、斬新なビジュアル表現に目を奪われますが、実は脚本も凝った作りになっていて、とても楽しめました。

    昔のテレビの3:4の縦横比のプロポーションの白いステージが会議テーブルに見立てられ、その周りには20脚弱の椅子があり、そこに座る観客はソニーの作業着を着て鑑賞し、その周りに劇場の通常の席が囲む配置でした。
    終戦直前に井深と盛田が出会う所から始まり、初めての商品である炊飯器から、ポケットラジオ、テープレコーダー、カラーテレビ、ウォークマンを失敗を重ねながら開発・販売して発展していく様子がユーモラスな回想劇の形式で描かれていました。

    最後のシーンは井深の葬式で、盛田が弔辞を読み上げ、ステージ周囲に座る観客に目の前にある箱を開けるように促し、中にはカラフルに光る日の丸弁当が入っていて、日本発、出発点である炊飯器、ポータブルであること、カラーテレビの大成功といった様々な要素が弁当に集約されていて見事でした。さらにタイトルの"Heavenly Bento"が「がむしゃら」を意味する"Hell-bent"に掛けてあったのも見事でした。

    観客が食事をしている中、お互いステージの反対側に座った井深と盛田が手を出し、握手をするのかと思いきや腕相撲(のジェスチャー)を始め出して一瞬混乱させられるのですが、スクリーンに笑顔で腕相撲をする本物の2人の写真が写し出されて意味が分かるラストの演出も素敵でした。

    ステージの床面に真上から映像を映し、役者が映像に同期して動くことによって、逆に役者が映像の中の物体を動かしたり、地図の中を歩き回っているように見せる手法が、テクノロジーに関わりがある物語にマッチしていて楽しかったです。
    只の成功物語として描かずに、現在のソニーに対しての苦言めいた台詞があったのもスパイスが効いている感じで良かったです。

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    2012/07/08 21:32

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