高き彼物 公演情報 高き彼物」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★★★

    素晴らしい作品だった
    新規なことは狙わず、丁寧に重厚にそして緻密にいろいろなものがつくられている。
     

    ネタバレBOX

    高き彼物良かった。良かった点は多々あるけど、品川徹かっこいい。石丸謙二郎と品川徹(親子ね)の二人だけで、もやもやした会話をするシーンがあるのだけど、52才位と75才位の年齢の役者が舞台上で二人だけで、会話してるっていうシーンがばり印象的
  • 満足度★★★★

    どうしてもカトケン版と比べてしまうのですが
    同じ演目では、主人公の元教師が加藤健一、女教師は小泉今日子でしたが、
    それも良かったのですが、やはり二人とも役者としても個性が強かったので(特にキョン2)、
    どこかの地方の、とある先生という普通の感じが薄かったように思う。

    それに比べると、石丸 謙二郎・金沢映子のお二人は、いかにもどこかの地方の先生っていう感じが出ている。
    コピーであった「市井の片隅で、高くまっすぐに生きる。」そのものである。
    自分が許せずに教師を辞めた実直さが、自然と伝わってくる。

    物語として、長年の誤解が解けていくという展開が泣ける。
    登場人物の死などによる安易な泣かせではない、ところがイイ。

    主演の石丸謙二郎さんは、2時間ドラマの刑事役でよく観ましたけれど、
    それより「世界の車窓から」のナレーションでお馴染みです。
    私にとっては、デンライナーのオーナーですが。
    しかし、つかこうへいの事務所にスカウトされたなんて、知りませんでした。
    落ち着いた自然な演技が良かったです。

  • 満足度★★★

    役者のパフォーマンスに不満あり
    石丸謙二郎と高校生役の役者のパフォーマンスに、不満あり。前者は声の高さや他人への振る舞いがころころと変わるなど全体的に人間が軽く感じられ、後者はあまりに演技が上辺だけ過ぎると思いました。もっといい芝居になる余地は大いにあると思いました。

  • 満足度★★★★

    マキノ作品
    期待にたがわず、かな。

  • 満足度★★★★★

    いかにも昭和53年
    開演前には昭和53年当時のヒットメロディが流れていて、あの頃を思い出しました。

    ネタバレBOX

    バイク事故については、秀一君は後ろに乗っていたんだ、不幸中の幸いというか精神的には救いがあるなと思った瞬間、それこそ中学生の頃からバイクに乗っていたかもしれないくらいのシノケンが普通のカーブで事故を起こすかー、警察がそんな甘いはずはないと思いました。

    実際、秀一君の口から自分が運転していたとの告白がありました。真実を聞かされた人間の立場としてはどうあるべきか、あの場では2対1ですぐに警察に行くべきでしたが悩ましいですね。猪原元先生の過去の恥ずかしい真相を聞いて、次元は随分違いますが、彼の父親やシノケンの母親と話をして彼らの思いを受け止めた上で決断するというところまで秀一君は考えが進みました。

    娘の婚約で過去の秘密も笑い飛ばすことができるようになり、またそうしなければなりませんが、重たい話とそんな良かったね的な話の緩急を楽しむことができました。

    ラストシーンは寅さんと教授のエピローグのようで、いかにも昭和テイストという感じがしました。
  • 満足度★★★★★

    マキノノゾミ演出『高き彼物』
    すごく良かったです~。メルマガ号外出しました(年間250本観劇したとして、おすすめしたい上位5本ぐらいに入る感じ)。ツアーもいっぱいあるのでぜひ。

  • 満足度★★★★★

    とてもよかった
    ここに書き込みしようと思ったら、農家の娘さんが☆一つで見ちゃダメとか書かれているので、本当に人の感想ってそれぞれなんだなと思いました。
    (ごめんなさい。農家の娘さんがそう思われた事を否定しているのではありません。)
    少なくとも私は、感動しました。笑って泣いて、ものすごく温かい気持ちでいっぱいになりました。

    吉祥寺シアターの舞台の上には、大きなちゃぶ台、黒電話、文机(その下には手提げ金庫)、お仏壇、アイロン台、籐製の背の低い椅子。まさに私が中学時代を過ごした田舎の家にもあったものたち。昭和53年の居間が存在していました。
    会場に流れている西城秀樹、山口百枝、世良正則の曲にも、懐かしい時代を思い出しました。
    そんな感じで開演前から期待が膨らみましたが、お芝居はその期待を裏切らず、むしろそれ以上でした。心動かされました。本当に感動しました。

    石丸謙二郎さんが良い。秀一の手紙から「シノケン」のことを語られた時は、一幕から涙が出て出て仕方なかったです。

    品川徹さんは舞台を引き締めてました。実際は、引き締めではなくって、ふっと力を抜かせてくれるんですが、彼の存在がこの舞台を一段高みに引き上げているといっていいと思います。

    田中美里さんも金沢映子さんも酒井高陽さんも、よかった。
    無駄な台詞が何一つ無い、濃い舞台でした。
    終わってみたら21時40分で、10分の休憩をはさんで2時間30分という長舞台(私にとっては2時間超えると長いのです)でしたが、見ている間は長いと全く思えず、あっという間でした。

    いただいたパンフレットに「市井の片隅で高く真っ直ぐに生きる」と書かれていましたが、観終わった後、まさに、「そう生きたい」と思わせてくれました。
    猪原先生のように、智ちゃんや、野村先生のように。


    可児市の花・薔薇が一輪全ての座席に置いてありました。
    芝居が終わって帰ろうとすると、後ろの席の男性が「よかったら」と自分の分の薔薇をくださいました。
    ビックリしましたが嬉しかったです。
    そんなふうに他人に花を贈りたくなるような、素敵なお芝居だったと思います。

    ネタバレBOX

    猪原先生が学校を辞めることになった理由、それまでの徳永お巡りさんらの台詞で、薄々想像はついていました。が、本人の口からそれが語られた時にはまた涙が流れました。
    相手の生徒には何もしていないのに、自分に「恋心」があったから、劣情があったから何も無かったわけではないという先生が、逆にとても高潔な人に見えました。

    秀一の事故にしても、猪原先生の過去にしても「自分がやったことは、自分がやったこと」「忘れること、無かったことにはできない」
    そういう、強い気持ちもまた「高き彼物」の一つなのではないかと思いました。

  • 満足度

    みた
    トンデモ芝居。こんなのみちゃだめ。

    ネタバレBOX

    この作品に感じた不満または違和感というのはいくつかあって、ひとつは役者の魅力。石丸謙二郎演じる先生が舞台に顔を出すまで、開演から20分くらい。その間、彼を取り巻く人々がやたら彼を褒める。見ている私としては、その人物に対するハードルを上げてしまう。けれども石丸謙二郎という役者の存在感や台詞の中身が、そのハードルを超えてはくれなかった。説得力に欠けていた。

    物語の方では、シノケンの死というのが序盤の鍵となるわけけれども、誰も秀一を無免許の件で責めない。責めることをすっ飛ばして、いきなり弁護や同情に入っていく。先生に至っては、実際に会ったこともないシノケンの言葉を借りて激励までしていたはず。ここまでくると、作家の眼差しは温かいというより独り善がりに見えた。
    先生の抱えた秘密も唐突で、何より×××である意味はあったんだろうか。もし女生徒だったら…という台詞もあったものの、取って付けたような気がし、むしろ女生徒であった方が、高き彼物というあの言葉が、しっくり来たのではないかと思った。
    終盤、先生の苦悩は取り越し苦労と判明する。過ちと思っていたことは、過ちではなかったと告げられる。でも人間なのだから苦しみ続けてもいいじゃないか、と私は思った。過ちは犯さないに越したことはないけれど、しでかしてしまうこともまた人間の姿ではないかと肯定して欲しかった。ああした形の解決は、問題を投げてしまっている気がした。
    見ながら、漱石の「こころ」を思い出したけれども、あの物語はその点を肯定していたように思う。

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