高き彼物 公演情報 (公財)可児市文化芸術振興財団「高き彼物」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度

    みた
    トンデモ芝居。こんなのみちゃだめ。

    ネタバレBOX

    この作品に感じた不満または違和感というのはいくつかあって、ひとつは役者の魅力。石丸謙二郎演じる先生が舞台に顔を出すまで、開演から20分くらい。その間、彼を取り巻く人々がやたら彼を褒める。見ている私としては、その人物に対するハードルを上げてしまう。けれども石丸謙二郎という役者の存在感や台詞の中身が、そのハードルを超えてはくれなかった。説得力に欠けていた。

    物語の方では、シノケンの死というのが序盤の鍵となるわけけれども、誰も秀一を無免許の件で責めない。責めることをすっ飛ばして、いきなり弁護や同情に入っていく。先生に至っては、実際に会ったこともないシノケンの言葉を借りて激励までしていたはず。ここまでくると、作家の眼差しは温かいというより独り善がりに見えた。
    先生の抱えた秘密も唐突で、何より×××である意味はあったんだろうか。もし女生徒だったら…という台詞もあったものの、取って付けたような気がし、むしろ女生徒であった方が、高き彼物というあの言葉が、しっくり来たのではないかと思った。
    終盤、先生の苦悩は取り越し苦労と判明する。過ちと思っていたことは、過ちではなかったと告げられる。でも人間なのだから苦しみ続けてもいいじゃないか、と私は思った。過ちは犯さないに越したことはないけれど、しでかしてしまうこともまた人間の姿ではないかと肯定して欲しかった。ああした形の解決は、問題を投げてしまっている気がした。
    見ながら、漱石の「こころ」を思い出したけれども、あの物語はその点を肯定していたように思う。

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    2012/07/06 22:55

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  • こんにちは。
    メッセージありがとうございます!
    ネタバレ欄も読みました。わざわざ追記してくださってありがとうございます。
    (って、別に私のためだけではないのでしょうが)

    農家の娘さんはこのように感じられたのだなというのが、分かりました。
    私も、漱石の「こころ」を思い出しましたよ。
    私は、あの猪原先生(元)の告白が女子生徒じゃなくってよかったと思った方です。
    本当に、感想はそれぞれですよね。

    これからも宜しくお願いします。

    2012/07/08 13:50

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