満足度★★★★★
構成が見事!
最初は何の話か分からない3つの話が、
関連性も不明瞭のまま展開していく。
しかし、次第にこれらが大震災の話であることや、
単なる震災の被害を訴えるというものでは無く、
誰でもが持っているであろう「人間の弱さ」を摘示したもので、
終わってみると、ずっしりと「見応えがあった」と感じられる好演であった。
満足度★★★★
やっぱり
ムーブメントはインパクトあって流石です!
ああいう状況下での正義、自分が同じ立場に立たされたらどうするか、いろいろ考えさせられる話で深いなぁと。。。
個性豊かな俳優さん揃いで大いに楽しみました!
満足度★★★
なかなか楽しめた
個人的には、なかなか楽しめた!
3.11地震により翻弄された人たちを描いた物語。
なかなか考えさせる力作であった。
上演時間約100分。
満足度★★★★★
大満足!!
今回も初見の劇団さん、ワンツーワークスさん。
段差のある舞台に椅子と机がちらばっているというモダンアートっぽいステージ、リアルに作り込んだものもすきですが、最近こういう抽象的なステージも気になってます
オープニングのダンス? いやいやパフォーマンスかな、スッゴく良かった
初見の時ってなかなか入り込みにくいものだけど、このちょっと変わった登場シーンで一気に集中力がUPしました!
ベテランさん、若手キャストが いいバランスの劇団さんですね☆
ある検査官の事情聴取、 お米屋さんと農協の事情説明、そして 警察の取調室での容疑者とのやりとり。
3つのストーリーが交互に展開されていきます。暗転を使わないので、それぞれのストーリーが舞台上で交錯するんだけど、そこは上手く演出されていて見る側もブツきり感なく転換を受け入れられます。
3つの別々の お話か!? と思いきや ストリーが進むにつれ どれもが ちょうどあの1年前の震災に関連した内容だとわかってきます。
テンポのよい会話劇 上演時間は1時間40分 「もっと観ていたい!!」感を残しながらの 秀逸なお芝居でした。
立場、正義、義憤、生活・・・ 震災を期に報道はされないだろうけど、被災地の周辺に いかにもありそうな出来事。
いろいろ考えさせられる舞台でした。
満足度★★★★
矛盾の中で生きている
相変わらずスタイリッシュで、シニカルな芝居。今回はちょっと笑いは抑え気味ですか。タイトル通り、自分と他者との利益を両立させることは難しく、えらく考えさせられます。このテーマでエンタメとしてもすごく面白いのだから、脱帽です。
満足度★★★★★
芝居上手い
オープニングから役者って凄いと体感する始まりでした。
震災で起こった3つの犯罪について、取調べという設定で鋭くえぐります。
内容は興味深く、しかも綺麗事だけでない反対の視点でもアプローチしてきます。
芝居の質も高く、演出も素晴らしいのに、空席が目立つのが残念。
芝居好きの方には、見逃して欲しくない作品です。
一蹴二跳の頃から鋭い切り口の題材を取り上げている作風が好きで観劇しています。
ぜひ、多くの方に観ていただきたいです。
満足度★★★★
覚悟
3・11で起きた3つの事件が、それぞれ取調べ・調査という形で進んでいき浮き彫りになっていく様子にどんどん引き込まれていきました。
登場人物の誰もがかかえるジレンマと、その根底にある自身の正義。
正義があるから覚悟もできる。
覚悟がどういった結末を迎えてしまうのか、という怖さは感じました。
自分にとっての正義は相手にとっての不義になるかもしれないけれど、劇中(多分)一度だけ使われる言葉が、ジレンマを生み出し、またその言葉が言えないから対立するのかもしれないと思いました。
何気なくならこんなに簡単に言えるのに、物事が大きくなっていけばいくほど正当化しようとしてこんな簡単な言葉も言えなくなってしまう。
そして、大事になってしまえば言葉だけでは済まされない。
それは劇中にある3つの事件だけでなく、物事全般に対して言えることでもあり、自分自身に問いかけるものでもありました。
アフタートークも聞いてきたのですが、出演者の方がセットがヒエラルキーになっているのが面白いと言われてて、そこで初めて気づきました。
効果音について役者さん自身の解釈も聞けて面白かったです。
社会派の内容をきっちり伝えられるのは役者さんの力量がしっかりしているからだと思いました。
満足度★★★★
囚人のジレンマとは違うジレンマ
マイムのようなダンスのようなオープニングが素晴らしい。どうしたらあんなに写真のようにピタリと止まれるのだろう。すごい。泥棒と産地偽装(放射性物質は検出されているのだろうか?)は被疑者が何を言ってもただの言い訳。保安員は…その危険性を知っているだけに怖かったと思う。逃げたからと言って私には責められない。それより正しい情報を正しい時期に開示しなかった政府の役人の方が問題だ!と、いうように色々考えさせられる作品。劇の構成がおもしろく、舞台美術もそれに合っている。
満足度★★★★
まさにジレンマの観劇
ここの紹介文から想像したのとは、ずいぶん趣の違う演劇でした。
三つの部屋で進行する、3つの取調べが、演劇的な効果を生んで、巧みな構成で描かれて行くので、観ていて、ある種、ワクワクする感覚が宿るのですが、描かれる題材は、震災後の現実社会に根ざしているので、演劇として、舞台を楽しむ感情と、現実社会の現状を憂える気持ちが相反し、何となく、居心地が悪い心境で観てしまいました。
出演者全員の役者力が優れ、小劇場では珍しく、華のある若手も揃っていて、一跡二跳の時より、遙かに、劇団力もアップした印象。
東京新聞社会部の、実際、震災現場に何度も取材に赴いている片山記者と、古城さんのアフタートークは、大変、考えることの多い、実のある時間でした。
満足度★★★★
す、すごいっ これぞTHE演劇!
いい意味でTHE演劇というか、見応えたっぷりなお芝居でした。テーマが明確で、これを3通りの見せ方で演じた、という感じですね。シンボリックで奥行きのある舞台芸術にまず期待が高まりましたが、前説は???。私は前説もお芝居への期待を高める上でかなり重要なのではないかと思っていますが・・・・・。開演直後のストップモーションを多用した動きも、人間の筋肉の動きがよく感じられて面白かった。このパフォーマンスを取り入れる劇団は多いですが、ここまで長く、完璧な動きを見たのは初めて。役者さんたちのよく鍛えられたボディにほうっとため息が出ました。
脚本も素晴らしいし、役者さん達もすごい。もう、ものすごく緊迫した壮絶な会話劇なのですが、でも絶対に、絶対に噛んじゃいけない劇だなぁ、とも感じた。台詞の噛みは少なかったですが、これだけの会話バトルだとそのわずかな噛みが却って気になる。場面転換に遊びやゆとりがない分だけ、演出家の目指しているものの高さに瑕僅が出てくる感じだ。う~ん、もう少し場面転換の時に面白い動きを入れるとか、音楽を入れるとか、ゆとりがあったほうがよかったんじゃないかな。ミニマムな効果音も素晴らしかったですが、これも却って緊張感を高める感じでしたね。
劇全体のレベルの高さと緊迫感に、私達観客は知らず知らずのうちに完璧を求めてしまうような、そんな劇でした。
満足度★★★
3声のカノン
「囚人のジレンマ」の形式を用いた、疑心暗鬼になっていく会話を通して、社会的な正義と個人的な正義の葛藤を描き、正義の成立し難さを考えさせられる作品でした。
3重の入れ子状になったフレームの中に散乱している椅子や机が冒頭のマイム的なパフォーマンスが行われる中で整頓されて本編が始まり、メルトダウンが起こる危険性のある現場から逃げた原発の保安検査官、風評被害で売れない地元の米の代わりに他の地方の米ばかりを売る米販売者、避難区域に指定されて人がいなくなった地域で空き巣を行った大学生の3人の被疑者がそれぞれの取調官に尋問されるストーリーが入れ替わりながら展開し、別室で共犯の容疑者が同じく取り調べを受けていることを知らされ、心理的な駆け引きが繰り広げられる話で、3つのストーリーが相似的な展開をしていて、音楽の3声のカノンを演劇化したかのような構造が面白かったです。
後半、それぞれの共犯の被疑者が現れるところから流れに勢いが出てきて、正義というテーマが強く打ち出されていました。
敢えて大団円を迎えない終わり方が、簡単には答えの出ないテーマに合っていて良かったです。
明瞭な構成が魅力的でしたが、物語的には絡まない3つの話が演出上は絡む仕掛けや、エピソードの切り替わりの見せ方にもっと工夫があっても良いと思いました。
演技が少々オーバーに感じられたのが残念でした。
満足度★★★★
ジレンマな感じ。
社会的に共通の大きな問題を抱えたその結果を個々に落とし込んだ時、それぞれには選択の瞬間があって、そこから各々自分のできる方向に進んでいったがために個々人の事情や立場で立ち位置が大きく違ってくるのだ、ということを突きつけられる厳しい内容の舞台でした。
結果や、どうすればいいのかという具体的な示唆はなかったものの、問題提起として、思考停止を許さない、という厳しさ、を感じたといいますか。
それを堅苦しくなく淡々とした会話で綴られていくので、しずかに言葉が心に積もっていくようでした。
冒頭シーンの役者さんたちの動きがパペットのようだったので、その後の舞台が箱庭のように感じられて、全体を俯瞰して見ているような、客観的視点を強調してくれているような、そんなところも観やすくて、舞台に、というよりは提示された問題に、気持ちが入り込みやすかったです。
スポットを浴びていない人たちの静止した存在にも、彼らの抱える物語(人生、問題)は続いているということを強く訴えかけられているようで、とても面白い演出に感じました。
面白かった、というのも語弊があるかもしれませんが、面白かったです。
満足度★★★
説明文とは違う
私の癖ですが、説明文はわりとしっかり頭に入れて(下手するとかってな推測や妄想もしながら)観劇します。
今回は、「これまでの人生で選択の岐路に立たされた数々の場面を振り返り始める」のはいつなの?とか思っているうちに、話が半分以上終わっていました。早く気づけよ!ってことですが。
「囚人のジレンマ」に想を得て繰り広げられる、壮絶なる会話のバトル劇・・・・・・というよりも、「今、起きていること」を切り取って、こんなことあるよね的な話に見えました。
役者さんたちは熱演で好感持てましたが、今日も少し台詞が飛んだり噛んだりしてましたね。
一緒に見た友人は「面白かった」と言ってくれたのでよかったです。
満足度★★★
噛みすぎだろ
主要登場人物はほぼ全員しかも何度も噛んでた。初日だからという言い訳はきかない。噛むととにかく白ける。ある程度は許せるが今回は度を越えてた(と感じたのは私だけか?)。俳優がダメというより稽古が足りなかったか?
満足度★★★★
全編シリアスでストイックな手触り
初日を観賞。
三段に分割された舞台で三組の事情聴取が同時進行する。
ご時世との地続き感が強烈なのでほとんど再現ドラマの様相で、個々のドラマはいい意味で演劇空間的ではないのにそれらが同じ空間で並行進行するという進行。
終局のでの落し処が「それぞれ個々人はよかれと思ってやってんだよ」的な帰結というか観客に判断を委ねるようなところがあるので、正直な感想としては正義云々いうにはややアレじゃないかなと思ったが、高技量の演者とシニカルで客に媚びない建て付けは個人的に満足でした。
前々回公演は観ていますが、いつも質の高い芝居で安心して体をあずけられます。