満足度★★★★
覚悟
3・11で起きた3つの事件が、それぞれ取調べ・調査という形で進んでいき浮き彫りになっていく様子にどんどん引き込まれていきました。
登場人物の誰もがかかえるジレンマと、その根底にある自身の正義。
正義があるから覚悟もできる。
覚悟がどういった結末を迎えてしまうのか、という怖さは感じました。
自分にとっての正義は相手にとっての不義になるかもしれないけれど、劇中(多分)一度だけ使われる言葉が、ジレンマを生み出し、またその言葉が言えないから対立するのかもしれないと思いました。
何気なくならこんなに簡単に言えるのに、物事が大きくなっていけばいくほど正当化しようとしてこんな簡単な言葉も言えなくなってしまう。
そして、大事になってしまえば言葉だけでは済まされない。
それは劇中にある3つの事件だけでなく、物事全般に対して言えることでもあり、自分自身に問いかけるものでもありました。
アフタートークも聞いてきたのですが、出演者の方がセットがヒエラルキーになっているのが面白いと言われてて、そこで初めて気づきました。
効果音について役者さん自身の解釈も聞けて面白かったです。
社会派の内容をきっちり伝えられるのは役者さんの力量がしっかりしているからだと思いました。