温室 公演情報 温室」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-14件 / 14件中
  • 満足度★★

    やっぱり不条理劇は苦手です。
    とある精神病院でのクリスマスの事件。
    高橋一生、小島聖、段田安則、半海一晃…
    キャストの顔ぶれが良く、
    ひいき俳優さんばかりなので楽しみにしてましたが、
    作品のほうは、どうも私には合わなくて。
    精神病院というのも、芝居や映画では、よくある舞台。
    赤いインテリア、ゆっくり回る舞台、囲み舞台も好きなのですが、
    やっぱり不条理劇は苦手です。

  • 全然分からなかった・・・
    久々に、全く分からない芝居を観た、というのが唯一の感想。
    あまりに作品に入り込めなくて、後半から居眠りしてしまいました。

  • 満足度★★★★

    正しい事はどこにあるのか
    ノーベル文学賞受賞劇作家にして、「不条理演劇」の大家、ピンター。

    ピンターの作品の特徴は、部分的にみると全く支離滅裂なのに
    全体でみると何故か綺麗に流れる台詞回し、全てが不確かな
    状況説明、夢幻的で不穏な舞台の雰囲気… そして痛烈な皮肉。

    本作、『温室』は、そのピンター独自の個性と魅力が最も先鋭的に
    出ている作品で、それ故演出には大変苦労されたと思います。
    演出家、役者共に健闘している、素敵で、異空間を旅するような
    感覚のお芝居を120%体験出来て本当に良かったです。

    ネタバレBOX

    今作、『温室』は療養所と思しき場所(明示はされない)で、
    収容患者の一人が死に、一人が何者かにより男子を出産
    させられたことが報告される場面から始まります。

    真紅に統一された家具が点在して置かれる他は簡素ともいえる
    舞台は客席の中央部分に設置され、丁度、観客は舞台をのぞく
    仕組みになっています。また、舞台は終始、時計回りに回り、
    時として緊迫した雰囲気をかもすかのように早くなります。

    権威を振りかざし、秩序を最大の価値と信じて疑わない所長、
    その下で、表向きは従順を装うも、その実、全く尊敬心を
    持ち合わせず、足元をすくってやろうと考える専門職員たち。

    その微妙なパワーバランスが、冒頭の事件をきっかけに一気に
    崩れ、暴力や殺意の気配が後半にかけて徐々に舞台を覆います。
    断続的に鳴り続ける不協和音の演出とあいまって、不気味とも
    いえる空間でした。

    最後の場面で、暴動を起こした収容者たちにより所長以下、
    全ての専門職員が殺され、唯一残った一人の職員が昇格して
    新しい所長になった事が報告されて、本作は終わります。
    しかし、背後関係は分からず、この職員の仕組んだことなのか
    それとも、突発的な暴動だったのか、それとも別の原因が
    あるのかは全く分かりません。ただ事実のみが淡々と語られる。

    ピンターの作品は、故に、ベケットやイヨネスコなどの
    系譜を汲む「不条理演劇」に位置付けられますが、全く
    訳が分からないのではなく、事実関係は語られなければ
    その人だけにしか分からない、そういわれているようです。

    誰かにとっての真実は、誰かにとって真実じゃない。
    やっぱりピンターの作品は最高だと思いました

    高橋一生と山中崇がすごく良かったです。両人とも、表向き
    保たれている秩序の中で、本性を現した人間の狂気をよく
    演じ切ったと思います。

    来年、深津氏が別役実(氏の作品も大好きです!!!)の『象』を
    演出すると聞いて、体温がまた上がってしまいました。
    夏なのに…。
  • 満足度★★★★

    心地良い不安定さ
    面白いんだけどよくわかんない。よくというかまったくわかんない。
    深津さんも役者さんたちもすごいなー。
    でもわかんなかったなー。

  • 満足度★★★

    難しい作品
    舞台は、興味を引くものとなっていました。

    ネタバレBOX

    センターステージで四ヶ所のではけ口、出はけ口の壁は鏡張り、
    小道具等はすべて赤色、床のみ黒。
    舞台中央が大きなお盆になっていて、照明は四角いブロックの模様を描くように床全体を照らす。お盆は常時回転し、場面によって速度を変える。

    序盤は、話がかみ合わないルートとギブス、笑い演出もあるのに、
    中盤、若い男性ラム(橋本淳)が、ギブスとカッツ嬢(小島聖)の実験台になって電気ショックを受け廃人状態になるところから、展開が一気に変わっていきます。
    ルート、ギブス、ラッシュ(山中崇)の殺意がこみ上げるシーン圧巻です。
    ラストのギブスが言っていることが、本当なのか嘘なのか...。

  • 演出が良かった
    内容は疲れていたのか、途中寝てしまい良く解らずに終わってしまった。初めて観る演出がなかなか良かったです。

  • 満足度★★★

    じわじわと染み出てくる感じ
    舞台が回転し、色調は赤。舞台は病院か。少しづつ、少しづつにじみ出てくるように芝居は展開していく。なぜか息苦しくなった。

  • 二階席で
    二階B席舞台真上の鑑賞でした。役者が近くて見やすかった。ハナシ、装置、照明、音楽、美術共に不思議な演劇体験。面白って思うのに、長台詞で睡魔に襲われ。。。Z席でもう一回見ようかな。。。

  • 満足度★★★★

    異常さと、ある意味健全かもと
    3月のダム・ウェイター(料理用エレベーターのこと)に続くピンター作品。

    回転スピードに緩急をつけた回り舞台、人間性を無視した施設内の不思議な話でしたが楽しめました。

    ネタバレBOX

    何かの施設、一般職の人たちは収容されている人たちのお世話をしたり施設を掃除したりする人たちで、専門職の人たちは収容されている人たちを調べたり観察したりする人たちのようです。

    施設内の鍵を管理する係に着任したばかりの男に対する電気ショックを与えるような性格判断の実験を見ても、被験者への行為は過酷なものがあったと思われます。所長に仕えていたギブスの報告によると、最終的には専門職の人たちはギブスを除いて全員が収容されている人たちの暴動によって殺されてしまったそうです。ギブスの策略のようにも思えますが真相は分かりません。

    そして、殺された所長もそうでしたが、今度はギブスが所長に昇格することになりました。

    変な話ですが、内部昇格があることがある意味健全なような気がしました。日本じゃ責任者は本省から新たに天下りで派遣されて来るでしょうからね。

    最後に少しだけ登場した半海一晃さんの、東海林太郎が足を悪くしたような本省の役人振りが印象に残りました。鍵の管理者の行方を探せという適格なアドバイスをする一方で、見つかろうが見つかるまいがどうでもいい、施設に秩序が戻ればそれでいい、報告書を綴り込めばお終いという役人らしさがよく出ていました。
  • 満足度★★★★

    奇妙な感覚
    赤と黒を強調して、場面によって廻り舞台の速度が速かったり遅くなったり。
    小島聖さんは益々色っぽい。
    常に笑顔が張り付いているがそれが次第に不気味に見えるギブス。
    時折出てくる愛嬌と凶暴さのバランスが良いラッシュさんとか、良かった。
    この出演者、ここで終わるの?って終わらす手法を最近よく目にする気が。久々に不穏な面白さのある舞台でした。

    ネタバレBOX

    冒頭から、所長と職員=権力を持った者による官僚的な発言の数々。
    所長と職員の愛人、人体実験、閉鎖的な施設内での出産による父親=犯人探し、閉鎖的な施設内の環境は、秩序の崩壊した現在の国の内情にも見えたのかも。
    舞台が回る事によって、見ている迷宮感覚が深まる。
  • 満足度★★★★

    初日
    ミステリアスというかシリアスというか、不思議な空気感、良いですね。

  • 満足度★★★

    ハロルドピンターの
    シアタートークを聞かなかったら、公演の価値が正直わからなかった。
    それにしても最近の新国の美術は、モノトーンが好きらしい。

  • 満足度★★★★

    気持ち良いくらい
    居心地の悪い芝居だった。
    予想していたほど難解ではないけど、一様な解釈には収まらない芝居ですわな。
    役者は高橋一生が素晴らしいんじゃないかな。

    ネタバレBOX

    ほぼ全編回転している舞台は初めてかな。
    シーン毎に変わる回転速度にも意味があるんだろうけど読み取れなかったなぁ。
  • 満足度★★★★

    敵も味方も、嘘も本当も、生死も、、
    怖かった~!意味わからない~!けど、面白い!ストーリーも結末も確かにあるのですが、何が本当で嘘なのかわからない…。でも面白かったんです。出演者では山中崇さんが素晴らしかった!

    ロビーで戯曲の文庫本を買って、家に帰ってからパラパラと読んでみたんですが、私のような素人にはどう読むのか見当もつかない…やはり深津さんは凄い演出家だと思いました。

    ネタバレBOX

    最後に登場する“本省”の役人が、すべて計算通り、何もかも知っていた…といったニヤニヤとした態度なのが恐ろしいです。でも高橋一生さん演じる“専門職員”の報告だって、本当かどうかわからないですよね(実は誰も死んでなかったりして?)。
    色々想像をめぐらせてみると、今の日本の政治に似てるとも思えてきます。

このページのQRコードです。

拡大