温室 公演情報 新国立劇場「温室」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    異常さと、ある意味健全かもと
    3月のダム・ウェイター(料理用エレベーターのこと)に続くピンター作品。

    回転スピードに緩急をつけた回り舞台、人間性を無視した施設内の不思議な話でしたが楽しめました。

    ネタバレBOX

    何かの施設、一般職の人たちは収容されている人たちのお世話をしたり施設を掃除したりする人たちで、専門職の人たちは収容されている人たちを調べたり観察したりする人たちのようです。

    施設内の鍵を管理する係に着任したばかりの男に対する電気ショックを与えるような性格判断の実験を見ても、被験者への行為は過酷なものがあったと思われます。所長に仕えていたギブスの報告によると、最終的には専門職の人たちはギブスを除いて全員が収容されている人たちの暴動によって殺されてしまったそうです。ギブスの策略のようにも思えますが真相は分かりません。

    そして、殺された所長もそうでしたが、今度はギブスが所長に昇格することになりました。

    変な話ですが、内部昇格があることがある意味健全なような気がしました。日本じゃ責任者は本省から新たに天下りで派遣されて来るでしょうからね。

    最後に少しだけ登場した半海一晃さんの、東海林太郎が足を悪くしたような本省の役人振りが印象に残りました。鍵の管理者の行方を探せという適格なアドバイスをする一方で、見つかろうが見つかるまいがどうでもいい、施設に秩序が戻ればそれでいい、報告書を綴り込めばお終いという役人らしさがよく出ていました。

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    2012/07/06 11:05

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