実演鑑賞
満足度★★★★
なんとも言えない濃い舞台だったなぁと
生きる事って
そんなに難しい事じゃないんじゃないかと
舞台上の人物らに言いたくなったなぁ・・・
軽いコメディは入っているのだが
基本は重いストーリー展開だった
二時間の作品
実演鑑賞
満足度★★★★★
ポアンカレ予想とか聞いたの何年ぶりだろう
数学者の端くれ、それも落魄した男鈴木が主人公
飼っていたカナリアを逃がして自殺しようとするところから始まる
そこへ部屋を間違えてやってきたデリヘル嬢、続いて現れる新興宗教の連中
鈴木を核に3つの舞台が展開される
鈴木を巻き込んでいく新興宗教、鈴木の計算を元にプログラムを組む元部下の立ち上げたファンド、推し活のために風俗に身を置く娘たちとその芸能プロと風俗の両方の事務所を兼ねるヤクザの手下(らしい)
生きている意味はあるのか、生きた証を残せるのか
芸能&風俗の世界はあくまでコミカルに
中国娘を騙る風俗嬢ケイコは岩田がなり切っていて、事務所を取り仕切るタカノの助川は実にいい味を出して憎めない男を演じていた
宗教とファンドは狂気である
そしてそれがつながる
トラ丸は正直最初の窓を開けるシーンでは?と思ったのだが、、人生に疲れた男を実に良く演じていった
新興宗教のメンバーもいかにもそれらしく演じていた
ファンドを経営するヒロのどうにもならなくなっていく様子を東別府が好演
最期の涙するシーンはこちらも涙が止まらなくなった
ここで終わりか、暗澹たる気持ちで帰るのかと思ったら、カナリヤが帰ってきて、鈴木が死んでも最初の風俗嬢の役に立てるよう生命保険の受取人にサインさせて、もう少し生きてみようと考え(たらしく)終わったのは救いだった
実演鑑賞
満足度★★★★
ほぼ素舞台ながら劇場(楽園)の特性と大小の箱馬を活用する休憩無し約2時間、自殺を図った中年男が巻き込まれるシチュエーションコメディ的開始から、新興宗教・怪しいファンド・推し活など絡めて転がる展開は、この劇団にしてはややありきたりの感もありつつ、脚本家曰く「数学への復讐」が独特のスパイスとなり、その流れから予想外な形でタイトルの意味が氷解するところが素敵。あとヒジカタ役がいい声。
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白かったです。
主人公、そして闇を持った登場人物達の行く末は?と、どんどん惹き込まれました。
様々な社会問題について考えさせられる内容で、観応えがありました。
役者さん達の演技も素晴らしかったです。
何とも言えない余韻を残す、良い舞台でした。
実演鑑賞
満足度★★★★★
最初はTPOに合わせて笑うのを我慢していましたが、やがて同じ思いをしていたであろう忍び笑いが耐え切れずにあちこちから
あぁ~これで少しは解放できる、それにしてもブラックでずるいなぁ(笑)
何より役者さんの等身大な感じの演技がとても心地よい
自虐が入った女優さんに対しても「等身大」というのは失礼な話だけれど、いやホントそんなスピリッツも素敵でした
当事者には全く見えていないけれど、観客には見えてくる彼等の“鳥かご”
がんじがらめの“鳥かご”は当の本人の思考や行動が材料になっている事を興味深く体感できる公演
第10回記念公演、拝見するのはまだ3回目が言うのも何ですが、甲斐ファクトリーさんの真骨頂キターーーーという思いがしました
何故に甲斐ファクトリーさんの描かれる“闇”がこんなに魅惑的なのか
日常生活の中で存在は知っていても、危険な香りがしてとても近づけない世界
そこを覗き見できる魅力というのもありますが、その磁場から派生する偏った価値観
当人がそれを絶対だとこだわるほどに”闇”は甘美に広がっていくよう
心の震えは恐怖なのか歓喜なのかもはや見分けられない
先に「とても近づけない世界」と書いたけれど、それは本当にさりげなく日常に入り込んでくる場合もありそうで自分だけは安全圏にいるとは決して言い切れず
その立場になれば”闇”の中で陶酔し、冷静な判断はすっかり消え去り、自ら破滅の方へと進んでいくのではないかと想像できてしまうのにはゾクッとしてしまいます
エピソードの絡み方、個々の存在感、観客目線の移させ方、象徴のように置かれた鳥かごと主人公の絡み方、どれもが素晴らしかったです
実演鑑賞
満足度★★★★★
タイトルからして覚悟して行ったのでしたが、甲斐さんがおっしゃるように「突き抜けたエンターテインメント」でした。
冒頭、え、このおじさんが・・・。こういう人は大抵・・・以下ネタバレなのでまっさらでご覧になりたい方は読まないでください。
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/04/23 (火) 19:00
小劇場「楽園」と本作品の「絶望という名のカナリア」
劇中には天国の下りと、巧みな関連付けが上手いです。
上手いと言えば、劇場内の狭い空間を上手く利用した対角線上の舞台と客席。
オムニバス形式にすることで場転の多さをカバーしていて、嫌みのない暗転が良いです。
本公演が10回目という記念に観劇出来ましたが、物語自体は新興宗教や風俗営業など、どろどろしたブラックコメディな内容。
決してすっきりする物語では無いものの(好みもあるので)、お芝居のクオリティとしては惹きつけられるものがありました。
実演鑑賞
満足度★★★★★
本団体さんはどの作品も素晴らしく良くできたお芝居を見せてくれていますが、10周年記念作品の本作も良かったです。主な主人公となる鈴木さん(役名)の悲哀を感じながら拝見してましたが、彼は何を失って何を得たのか。ほんとに得たのか?と思いながら見ていました。そこに繋がる他のエピソードたちも一つ一つきちんと出来ていて、良く考えられてるなあと関心です。いつもどおり、伊藤さん(トラ丸)さんの演技はいいですね。久しぶりに見た東別府さんを始め、役者の皆さんすべてのお芝居も心に届きました。よい時間を過ごせました。大変満足の二時間でした。
実演鑑賞
満足度★★★★★
なかなか良くできた台本で面白かった。出だしこそ映画「幸せなひとりぼっち」のパターンかと思わせたが、その後は孤独と虚無感に苛まれた初老の男の物語を軸に新興宗教とヘッジファンドと風俗業と推し活という一見無関係なストーリーが巧みに絡みながら群像劇風に展開し、すべて丸く収まってめでたしめでたしの結末を避けながらもカタルシスと心地良い余韻を心に残してくれる作劇は見事。俳優たちもしっかりした演技で活き活きと演じていて好感が持てる。
実演鑑賞
満足度★★★★★
素晴らしかったです。オムニバス形式の舞台でテンポよく話が進みよかったです。意外とR指定な内容でワクワク(というかニヤニヤ)しながら観させていただきました^^
実演鑑賞
満足度★★★★★
第10回記念公演。面白い、お薦め。
人の生きる価値とは…。答え(解)があるような無いような漠然とした問い掛け、それを舞台という虚構性を通して浮き彫りにしていく。その独特の世界観が観客の関心と興味を刺激する。人間はモノではない、そこには喜怒哀楽といった感情がある。しかし物語ではモノ扱いのようで、世間の無関心であり哀れみといった光景が見えてくるようだ。
少しネタバレするが、物語は3つの場面で構成され 必ずしも夫々が直接的に交わることはないが、それでも交錯した展開といった感じがする。タイトルから想像はつくが、人生に「絶望」した1人の男を巡る狂気にして驚喜(語弊があるかも)、そして喪失と再生のドラマ。
現実にありそうなシチュエーション、そこに男の孤独・悲哀といった心情を描く。全体的に澱のような不快さ、そして滑稽でありながら どこか不気味な雰囲気を漂わす。公演の面白さは、脚本・演出は勿論、表現し難い情況をしっかり伝える役者の演技力であろう。見応え十分。
(上演時間2時間 途中休憩なし)