実演鑑賞
満足度★★★★
拠点とする北海道を主題とし、その土地と人の足どりを登場人物とともに観客も辿ることができる、短編ながら重要な意義を持つ意欲作である。
実演鑑賞
満足度★★★
北海道・札幌を拠点に活動する若手劇団ポケット企画。昨年まで学生劇団として活動し、演劇祭や賞レースなどへの積極的な参加を経て、今年からは社会人劇団へ。新たな創作の日々へと乗り出したばかりのポケット企画が本作で目指したのは「今と繋がり、過去を問うこと」ではなったのではないかと感じました。
本公演は、旭川を拠点に活動する演劇集団シベリア基地との同時上演という形式。
北海道内他地域の劇団と積極的に繋がり、ともに舞台芸術を盛り上げる心意気に溢れた企画でした。
当日パンフレットには、2つの団体とその作品詳細はもちろん、ワークショップ情報、本年度のイベントラインナップ、今後の出演情報をカレンダー方式で掲載するなど端々までみっちりと工夫が凝らされており、一目で団体の今と今後、そして、周囲や社会との繋がりにリーチすることができました。また、4日の昼公演は「やさしい回」と銘打って、控え目の音響・照明、ゆとりある客席、上演台本貸し出しなど、観劇アクセシビリティ向上への取り組みも行っていました。こうしたインクルーシブな公演デザインは、演劇やその活動が社会の一部であるという自覚なくしては叶うものではありません。社会人劇団となった1年目から、カンパニーでの公演や取り組みをより外へと拓き、「今と繋がる」その姿勢にいち演劇関係者として敬意を抱きました。
そんな風に「今」と手を繋ぎながら、創作では「過去を問うこと」にも実直に取り組まれたことが伺えました。
『さるヒト、いるヒト、くる』は、「この先も仕事をしながら表現活動を続けると決めた若者」が造形作家のもとに数日滞在するところから物語が始まります。「この先も仕事をしながら表現活動を続けると決めた若者」が社会人劇団一年目のポケット企画の面々であることは早々に察しがつくのですが、この造形作家もまた北海道・恵庭市で暮らす実在の人物(タケナカヒロヒコさん)をモデルにしているそうです。
(以下ネタバレBOXへ)
実演鑑賞
満足度★★★★★
社会の中での演劇の位置と役割、それに対する自分の関わり方に向き合った意欲作。地域と時間との縦横の軸で考え、今ここで自分たちがやることの意義を追う誠実さのある作品。自分はそういったことを理解しているとは言えないがそのように感じた。時間的にも同時上映の「発熱」とセットでちょうどいい感覚。「発熱」は化学反応ということなんだろうか。どちらも面白かった。
実演鑑賞
満足度★★★★★
北海道恵庭市の山中で暮らす実在の人物を元に描いた作品で、実際に出演陣が件の人が住む森へ赴き交流を重ねた厚みが垣間見える表現がたくさんあり説得力がありました。都市部で仕事をしながら表現活動をすることを決めた若者2人が森の中へ滞在しているところから、美しい描き方で森にまつわる歴史なども浮き彫りになっていきます。とても面白い作品でした
実演鑑賞
満足度★★★★★
タイトルの演目「さるヒト、いるヒト、くる」は、葉っぱが堆積してできた土の上で、100年後を考えて作られた林の下で、言葉が湧いてくる/降ってくる瞬間を体感できるような観劇だった。時間の軸(過去未来)と場所の軸(緯度経度)が、同じであること(今、ここ)、がはっきりと感じられて、劇場に来てよかったなと思った。
実演鑑賞
満足度★★★★★
年齢で観え方も違ってくるのかもしれない…と思った。装置も音も照明もステキだった。
劇場が変わった時に装置がどう変わるのか?気になる。
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/05/04 (土) 15:30
ポケット企画「さるヒト、いるヒト、くる」観劇しました。
今回はせんがわ劇場演劇コンクール参加作品であり、とても貪欲な作品作りを行っている様子が伝わってきました。
舞台は「森」を模した抽象的な装置で(コンクールでの転換時間の制約を意識した)同時上演のシベリア基地の転換もスムーズでした。新鮮なところはいくつかありましたが特に暗転の処理は面白かったです。出演者のアンサンブルにも好感を持ちました。
シベリア基地は旭川で活躍している劇団ですが、シリアスだけどペーソスがある舞台に惹かれるものがありました。
#ポケヒト