純白観想文 公演情報 純白観想文」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
1-7件 / 7件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    泣いてしまいました。心理描写、脚本、安定した演技力・・・。「手毬歌」とは全く違う臨場感が素晴らしいです。新作も期待どおりでした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     流石、演奏舞台の公演、華5つ☆。ベシミル!! (内容詳細、及び解釈詳細は新生館スタジオ公演終了後に追記する)

    ネタバレBOX

     観想という言葉に少し戸惑うかも知れない。無論作家がこの言葉を用いるには訳がある。元々は仏教の用語であるから哲学的な意味を持ち、その第一義は、特定の事物に心を注ぎ迷いを除こうとする修行を指す。第二は一定の対象を観察、その対象に一心に思いを凝らすこと。第三に実際の利益などを離れ純粋に知的で経験を越えた存在と真理を捉えようとする考察を意味する。まあ、単語の解説は辞書によって様々な違いがあるからこの程度でよかろう。納得のいかない方々は、30種類以上の国語辞書は参照することができようからご自分でお調べ頂きたい。
     さて、拝見したのは演奏舞台の常打ち空間GEKIBAである。今作久しぶりの新作であるが3月20日から23日迄中板橋新生館スタジオでも上演される。GEKIBAでご覧になれなかった方々は新生館スタジオでご覧頂きたい。
     今回のGEKIBA公演で特に普段の公演と変わっていた点は、演奏者たちの生演奏の位置である。通常下手に位置を占める彼らが今回は正面奥、ホリゾントの手前に陣取って生演奏を聴かせてくれた。いつも通り作品内容によくマッチした良い曲目を確かな腕前で聴かせてくれたが、矢張り正面から聴くのは音のバランス等の点からも側面からの音を聴くより数段音曲の良さを楽しめてグーであった。
     無論、作品内容も極めて優れたもので表現する者の持つ一種のカルマが、日常の生計を立て周囲の人々との諸関係の只中で暮らし、日々これら家族を含む人々と己が密接に関わり合いつつ葛藤や悩みを抱え、同時に己の真の悩みは最も近い肉親であっても伝わり難く時に取り返しようのない悲劇を生むということ。
     その考え得る原因と処方箋についての詳細は、全公演が終了後追記することとする。一種宙ぶらりんの状態に読者を置くことになるが、ご勘弁頂きたい。解答が早く欲しい方々は、是非ご自分で作品をご覧になり先ずはご自分の解釈をして頂き、その後追記をお読み頂ければ幸いである。GEKIBAでご覧になった方々でもう一度新生館スタジオで観る方々は、劇空間が違うことで様々に変わってくる演出や効果等の違いも楽しめよう。自分は予定が詰まっていて新生館スタジオへは伺えないが。二度観できる方々が羨ましい作品であることを告白し現段階では此処迄とする。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    とても面白かったです。一時間のお話なのにとても内容の濃いお芝居で役者の皆さんの演技も素晴らしかったです。重いテーマなのに何故かラスト爽やかな感じがしたのは生演奏のお陰でしょうか。前回作も拝見していますが、お芝居と生演奏が上手く重なりあっていて見ごたえありました。
    良い時間を過ごせました。ありがとうございました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    面白い、お薦め。
    物語は、あらすじにある通り 東京郊外。春に、孫の読書感想文を一生懸命 手伝っている元高校教師・源三。彼を訪ねてきたのは かつての教え子 斉藤潤二。前半はシュールで軽やかなコメディタッチ、しかし或る出来事を境にシリアスな展開へ。内容や展開などは分かり易いと思っていたが、ラストの暗転後のシーンが何を意味するのか手強い。その捉え方によって、物語に描かれている内容がまったく違ってしまう と思えるからだ。

    劇団演奏舞台の公演は何度か観ているが、いずれも演奏ブースは下手にあり目立たないような配置になっていた。が、今公演は中央真後ろに楽器が置かれていた。この公演は今月、中板橋の新生館スタジオでも上演する予定になっており、演奏ブースはどうするのか気になっていたが、なんとなく想像がついた。演奏舞台の特色は、バンドによる生演奏と俳優陣のエキサイティングなアンサンブルだけに、演奏ブースは気になるところ。

    本公演は、役者であり奏者の池田純美さんが2度目の演出に挑んでおり、演奏配置と回転模様のような照明が印象的だった。少しネタバレするが、エコーを利かせた台詞も心情面を強調しているかのようだ。結論の捉え方を別にすれば、全体的に分かり易い作風、音楽<『Faraway』(opening)・『霞 草』(ending)>も印象的で良かった。

    説明では、「『家族』という小さなコミュニティの中で、わずかな綻びから生じてしまった悲劇を描いたヒューマンドラマ」とあるが、家族という身近な存在・関係だからこそ逃れようのない怖さ。文庫本「羅生門」と散乱した肌着は、この物語を象徴する小道具で、タイトルの所以でもあるような。この濃密な会話劇、生きるためならという理性と本能の鬩ぎあいが 狂おしいほどに伝わる。
    (上演時間1時間)

    ネタバレBOX

    舞台美術は、奥に演奏スペース。部屋中央の座卓の上には、孫の橋爪武彦が小学校5年生の時に書いた「『羅生門』を読んで」と書かれた原稿用紙(読書感想文)と文庫本「羅生門」、そして散乱する肌着。

    一人黙々と感想文に向き合う元高校教師で芥川賞作家である源三、そこへ元教え子がやってきて他愛のない会話が続く。そして孫が8年前に亡くなり、その顛末が語られるところから人の心ーその深淵を覗き込むような展開へ。娘 沙織は夫 肇からDVを受けており、生活費に事欠いていた。父の源三に金を借りようとするが 断られる。武彦は白いブリーフが黄ばみ学校では苛められていた。或る日 万引きをして、悪いことと知りながら、生きるためと自分自身に言い訳をした。そして…。一方 沙織は肇を刺し罪に服す。

    源三は娘 沙織や孫 武彦を見ているようで観ていなかった。その悔悟のような気持が終わりのない読書感想文の執筆。人を観察し見極めることの難しさ、理性と本能ー生きることとはを問う「羅生門」のテーマと重なるよう。書き終わることがない、そして読まれることのない読書感想文こそが、源三の贖罪。前半に語られる 源三と潤二の止め処も無く漂流するような会話は、人にとっての最後の衣装がパンツなら、源三の最後の砦(生きる より所)は感想文だと、そんな落ち着き方だ。

    暗転後のラストシーンが手強いと思った。明転して、沙織が潤二に父 源三の様子を尋ねるシーンへ。それは、単純に考えれば 行方不明になった娘 沙織が潤二と再婚し、父の様子を聞くといったもの。もう一つは、この物語全体が源三の妄想、呆けてきた老人の戯言(回想)を娘が心配したもの、といった捉え方も出来る。そう考えれば、平凡な家族に襲い掛かった現代(普遍)的なテーマが浮かび上がるような気がするのだが…。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    なかなかの頑固者とみえる老人と来客(老人が教師時代だった時の教え子)お調子者とのコントラスト、音響効果(生音が大活躍)も手伝って、何とも珍妙な空気感
    オーバーアクション気味に感じるやり取りにはどこか懐かしい味わい深さがあるも、これはしっかり現代のお話し
    ここに棲む老人の部屋だけ時の流れが滞っている様にも感じるし・・・頑固だけなのか・・・正常ならざる者の欠片が散らばっている様にも

    芥川龍之介「羅生門」がキーポイント
    やり取りの流れから、やがては絶望的な哀しみに包まれていくのだけれど、最終的にはこちらに問いかけ、語りかけ、こじ開けてでも前向きな方へ進む活力を受け取る事ができました
    舞台一丸(いちがん)となって生で伝わってくる気迫がハンパなく、もし本気の熱量でなかったら(直接的な応援台詞があったわけでもないので)ここまで手ごたえあるメッセージを受け取ることは出来なかったのではないかと
    アトリエ公演は今日1日だけでしたが今月には中板橋 新生館スタジオでも公演されるようですので是非

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    受付から終演後の対応までとても丁寧で良かったです。
    前半から後半に向かって空気が変わっていく感じが凄かった。
    1時間余りなのに中身の濃い舞台でした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    素晴らしかったです。BGMも効果音もすべて生演奏で最高でした。クラシックギターを弾いていられた方(孫役をされていた方)、ギターうまいですね^^(いちおう私ギター歴50年のなんちゃってギタリストです^^) 大満足の舞台でした。というか、まさかあのビルのあの5階がああなっているとか…でした。

このページのQRコードです。

拡大