ぼっちりばぁの世界 公演情報 ぼっちりばぁの世界」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2024/02/20 (火)

    育ってきた環境で「普通」も違い、でもどうにか一つになろうともがく有り様が痛々しいけど面白い。年齢の差もありそれぞれが嵌り役で青年座ならではの作品と思いました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    「いびしない愛」で劇作家新人戯曲賞を受賞(2021)して以来しばらく作者の名を見なかったが、昨年末の「他人」(見逃した)から、今度の劇団(ばぶれるりぐる)公演、その間に青年座に書き下した本作と竹田モモコ氏戯曲の上演が目白押し状態である。
    個人的には劇作家協会戯曲賞の「新人のその後」を見守る思いでいたが、今回の青年座「ぼっちりばぁ」公演、出来はどうか、幡多弁にこだわる劇作は継続中なのか、が実は心配だったのが全くの杞憂。納得の戯曲であり、舞台であった。
    当地の事情を偲ばせる(実話にせよフィクションにせよ)ドラマで、特異な部類の登場人物の納得できる輪郭と他者との化学反応の描写がある。思い余った瞬間の人物の(解説抜きの)幡多弁が、意味が分からないのも小気味良い。久々に見た尾身美詞の立ち姿もよろし。
    なお「他人」は2022年劇団協「日本の劇」戯曲賞受賞作、着実にキャリアを重ねていた。劇団公演も観たい。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2024/02/22 (木) 14:00

    座席1階

    「ぼっちりばぁ」とは高知県土佐清水市の方言・幡多弁で「ちょうどいい」という意味だそうだ。劇作を担当した竹田モモコは大阪の演劇ユニット「ばぶれるりぐる」を主宰していてるが、旗揚げの理由は幡多弁を使った芝居を打つためという。こまばアゴラであったこのユニットの「川にはとうぜんはしがある」を見たかったのだが見逃した。注目していた劇作家が青年座によって見られたのはとても幸運だった。

    夫婦で経営しているさびれたキャンプ場が、近隣の浜辺が夕日がきれいということで注目され、東京のアウトドアの会社がアドバイザーを送り込んできた。リニューアルオープンに向け、地元の人たちを「教育」しようとするのだが、昔ながらのやり方を変えられず、アドバイザーたちは悪戦苦闘する。テンポのいい会話劇が繰り広げられる。
    中でも注目されるのは、アルバイトの女性。彼女はフロントでお客を受け付ける役なのだが、お客が来ても電話が鳴っても何もしゃべらない。なぜそうなのかは劇が進むと明らかにされるが、この女性を取り巻く騒動もおもしろい。エピソードの面白さや物語の構成などは、IAKUの横山氏をほうふつとさせる出来栄えだ。
    演じる俳優たちはベテランの尾身美詞ほか安定した演技。特に、アルバイト役の角田萌果は取っ組み合いの場面もある中で体当たりの演技。「空気を読む」ことが苦手な発達障害と思われるコミュニケーションの悩みなどもうまく表現していた。

    ただ、初めて聞く「幡多弁」は難しい。耳で聞くだけだと意味がくみ取れない場面もしばしば。劇団「普通」が茨城弁の舞台をやり続けているが、方言で構成する舞台の難しさを感じる。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    冒頭の、キャンプ場の受付の杓子定規すぎてシュールなオーナー(綱島郷太郎)の受け答えから笑える。面白い方言だなあと聞いていると、これが高知の幡多弁らしい。若手の角田萌果が演じる、引きこもり系女子の、殻に閉じこもったくら―い感じがとってもよかった。若いよそ者のアドバイザーの男(伊東潤)の天然系いい男ぶりはトクなキャラ。彼の「ショートコントのつもりでやれば? おれもそう。ショートコント社会人と思って、もう5年やってる」という、明るく社会人を演じていくという発想が根底にあって、明るい舞台にしている。髪をまだらに赤く染めた、破天荒に明るい女性も、尾島春香の髪までキャラに合わせた役作りが光る。尾身美詞が、角田の対極にある、やる気で引っ張るキャラを好演していた。

    ネタバレBOX

    「ルールを教えてよ。年休とった翌日は、みんなにお菓子を配んなきゃいけないなんて。それもポッキーひと箱ずつ配ったら、やりすぎって言われて…」「全部紙に書いてよ」「そんなの学校で教えてくれないじゃん」というのは、アスペっぽい言い分。なるほど、そういうこともあるよなあ、と思った。

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