ペール・ギュント 公演情報 ペール・ギュント」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.1
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★

    骨太なリーディング・ミュージカル
    約3時間におよぶ上演時間と聞いていて、途中つらくなるのではないかと危惧していましたが、逆に時間がたつほどひきこまれる舞台でした。これだけの時間、劇世界中の主役の旅路があってのラストなのだなあと納得。
    戯曲自体は主役が世界中を旅する壮大なファンタジーなのに、今回の上演では装置も衣裳もあってなきがごとし。俳優の声と体と、生で演奏される音楽とでファンタジーを描き出すのは難しいことだと思いますし、自分も入口で少しまごつきましたが、話がすすむほど「ペール・ギュント」の世界に巻き込まれていくように時の流れが加速していって、最後は主役と一緒に長い旅路を終えたような心地よさがありました。

  • 満足度★★★

    楽しめました
    あらすじは知っていましたが、かなり奥深い話なのですね。アクションのあるリーディングで、いろいろ想像できて楽しめました。オリジナルの楽曲も結構よかったです。しかし休憩をはさんで3時間弱の上演時間はさすがに疲れましたが。

  • 満足度★★

    最初に「視線」が気になって・・・
    多分、普段は練習場として使われている場所が会場。
    そして、小道具はほとんど使わず、舞台部分としては、数段段差が設けられている程度。
    衣装は、上は白色系、下はジーンズで大体統一していたようで、役柄に合わせたものではない。
    そして、リーディングではあるが、十数人が登場し、役者の振り・動きは多い。

    それで、私が初めに気になってしまったことは、十数人登場した役者は、
    振りはあるものの、視線がみんな「台本」を、じっと、しっかり見ていること。
    もちろん、リーディングだから当然、と言ってしまえばそれまでなのだが。
    ただ、普通のリーディングは、振りもなくて、言わば「話芸」の世界ですよね。
    でも、その台詞回しが素晴らしければ、観客は豊かな想像を膨らませ、
    十分に楽しむことができる。

    ところが、振りはあるものの、視線だけは、発話者でも対話者でも、
    興味のある光景にでもなく、ほとんど持っている台本に注がれてしまっている・・・。
    そうすると、どうしても振りが中途半端に見えてしまって・・・。

    ここは、見解が分かれるところかもしれないが、個人的見解としては、
    リーディングであれば、むしろ振りなどは抑制して、観る者の想像力に委ねるか、
    あるいは、ペールギュントのような内容であれば、
    豪華な舞台装置や衣装のもと、派手に(?)やるか、
    どちらかの方が良いような気がした。

    それから、ペールギュント役はじめ男性陣は、割と叫ぶように台詞を発していて、
    それが、響き過ぎるこの部屋では、大き過ぎるな、と感じてしまったり、
    特に、主役については、次第に年を重ねていくわけで、
    最後の自分の人生を回顧させられる場面など
    (不勉強だが、ペールギュントの終わりがこういう話とは知らなかった・・・
    イプセンの後年の作品を予感させる)、
    「年を経た者」としての台詞回しが欲しかったところ。
    その点、女性陣の方はもうちょっとしっかりできていたような気がした。

    それと、公演時間3時間(事前に2時間15分と聞いていたのだが)で、
    しかもキャンプなどで使用するようなビニール張りの折りたたみ椅子だったので、
    最初はクッションがあるような気がして、
    パイプ椅子より座り心地が良いと感じていたものの、
    椅子が小さいせいもあって身体のどこかが痛くなってくるような次第で、
    (若い頃は椅子が固いことなど全く気にならなかったのだが、)
    正直、きつい思いをした。

    ただ、音楽はグリーグのものの他、
    弾き語りも多用され、これは贅沢な思いがした。
    それと、まあ余談だが、パンフレットによると、結構、
    映画やTVドラマに出演歴のある方が多いようで、
    美形の女性が多かった気も・・・。

  • 満足度★★★★

    満足しました!
    個人的には、面白く満足しました!とても良い時間が過ごせた。
    公演時間が3時間ということだったので、ビビリましたが、観劇して私はむしろ短く感じたくらいだった。
    (ただ、満足したので良かったが、私も公演は2時間位で終了するのが商業演劇としては妥当だとは思う。)
    役者の皆さん、演出の石丸さん、音楽の伊藤さんがとても楽しそうに芝居等をされていたのが印象的で、こちらも楽しい気持ちになった。
    私はどなたとも面識はないが、お礼を言いたい。
    この公演は観劇がそこそこ多い方、芝居関係者にオススメしたい!
    あとはネタばれで。

    ネタバレBOX

    みささんが、とても詳しく記載しているので、あらすじはそちらに譲ります。
    私が当公演で新鮮に感じたのは、まるで芝居の稽古場のような会場で、
    素晴らしい稽古を観ているような気持ちになったことだ。
    それにしても、役者さんが皆さん上手いと思った。
    当日配布のパンフレットをみたところ、大きな舞台を経験されている方が多く、納得。
    今まで、観劇するだけで芝居を作り上げるプロセスを考えたことはなかったが、この公演を観て少しだけ作るプロセスを垣間見た気分になった。
    週末に観劇される方は、夜公演がオススメ。
    夜景を背景にしたり、蝋燭の灯を使った演出を、より効果的に楽しめると思うので。


  • 満足度★★★

    パイプ椅子での鑑賞は
    2時間ちょっとが限界です。2時間過ぎると、役者がどんなに熱演していようとも、「腰が痛いな~」とか「帰りのバスの時間に間に合うかしらー」とか、余計なことを考え始めて集中できなくなります。もう少しリーディングに集中して、歌は減らしてみては?主役の方は大変演技力のある方ですが、歌唱力はいまひとつだったし、女性のコーラスも声質の違いのせいかあまりまとまって聞こえませんでした。

  • 満足度★★

    リーディング・ミュージカル
    ホラ吹きのペール・ギュントが世界を回りながら己れ自身を探し求める奇想天外な冒険譚を、休憩込みで3時間弱のリーディング上演という意欲的な公演でした。
    リーディング公演とは言っても、役者の動きや照明、キーボードと歌の生演奏がふんだんに用いられていて、台本を手に持ちながらの芝居といった趣きで、視覚的にも情報があるので、見応えがありました。

    第1部は真面目な演出だったに対して第2部前半は少々ふざけた感じの趣向も取り入れていましたが、あまり笑いを取れていなくて、物語の流れを途切れさせていたように思いました。
    会場の立地条件を生かした演出は、空間の広がりを感じさせて素敵でした。第2部後半からラストまでの演出はペールの生きた時間の流れを象徴的に描いていて、効果的でかつ美しかったです。

    役者達は熱演でしたが、元々そういうシーンの多い物語とはいえ、声を張って台詞を言うところが多すぎて、疲れました。会場のサイズに合わせた発声をした方が観客に感情が伝わるし、喉も痛めなくて済むと思います。
    マイム的な身体表現を用いるならば、もっとこだわって欲しかったです。

    今回の公演のためのオリジナルの音楽は、ミュージカル音楽でよく見られるコード進行が多用されていて分かりやすさやシーンを盛り上げる力はあったのですが、オリジナリティが感じられず、印象に残りませんでした。グリーグ作曲の名作と比べるのは酷かもしれませんが、グリーグの曲を使った方が情景や情感が伝わってきたと思います。
    しかし、ミュージカル的な場面を入れて作品にメリハリをつけるアイディアは楽しかったです。

  • 満足度★★★★

    ババリました(^^;)
    家に帰れないかと思って終盤にはソワソワしちゃったよ(^^:)
    リーディングだから公演時間90分くらいかな・・と考えたのが甘かった。なんと休憩時間15分込みで3時間の長丁場。だから19時開演でも22時になっちゃう。こういった3時間公演の場合、先に教えてくれないとダメだよね。週末に観に行くべきだった。

    舞台は普通のリーディングではない。音楽と半分芝居がかった、リーディング劇。全ての役者の演技力は秀逸でまったく欠点はない。役者の感情移入が激しくちゃんと泣く場面で涙していた。ビルの6Fでの観劇は新宿の夜景も芝居に計算されており、やはり夜の観劇がお勧め。事前に公演時間を知らされてなかった為、-1とした。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    ペールは20歳。母親のオーゼと一緒に暮らしていたがペールは、王様になる、皇帝になると大きな事ばかり言うほら吹きで、仕事もせず喧嘩ばかりしていた。ある日ペールはイングリッドという娘の結婚式に、呼ばれてもいないのに出かけていきます。そこで、美しく、清楚で、手には讃美歌を持った可憐な少女、ソルヴェイグに惹かれ恋をします。

    その時ペールは花婿から花嫁のイングリッドがこの結婚を嫌がって、蔵に閉じ篭ってしまったと告げられます。何とかしてくれよ、と花婿に泣き付かれたペールは何と!花嫁イングリッドをかかえ、険しい崖を登っていくではありませんか!
    「花嫁奪略だ!」「ペールを殺せ!」村中は大騒ぎになってしまいます。

    一夜明け、すっかりイングリッドに飽きたペールはイングリを捨ててしまいますが村中が、村一番の富豪の娘を略奪したペールを探し、山々からは「ペールを殺せ」という声が聞こえ、ペールはそのまま山の奥深くに逃げ込む羽目になってしまいました。

    逃げ惑う中、ペールは一人の緑色の服を着た少女に出会います。彼女こそがドブレの国の王女、魔王の国の娘だったのです。ペールは彼女に結婚を申し込み、ドブレ王国を我が物にしようとし、魔王に会うため、魔の国・ドブレ王国に行く事になったのでした。

    そしてペールは魔王の宮殿で、魔王とその手下の不気味なトロル達の前での結婚条件に驚き、魔王の国から逃げ出そうとしますが、興奮したトロル達に追い詰められ、あと一歩で殺される!という所で教会の鐘が鳴り、トロルの国もろとも消え失せ、ペールは一命を取り留めたのでした。

    未だ追われる身のペールは山の中に雨風をしのぐ小さな小屋を作ります。するとある日その汚い山小屋にソルヴェイグが現れたのです。彼女は家も家族も捨て、愛するペールの元に来たのでした。ペールは喜びでいっぱいになり、穢れなきソールヴェイを王女の様に大切に、小屋に招き入れます。

    しかしそこに、魔王の娘が赤ん坊と一緒に現れます。魔王の娘は、その子はペールの子、もしソルヴェイグと結婚するならトロルの魔法を使ってでも邪魔してやる!と脅します。ペールはソルヴェイグを守る為、そして穢れ無きソルヴェイグにふさわしい自分自身を見つける事が出来るまで、旅に出かけます。これがペールの自分探しの旅です。
    ソルヴェイグには「取ってくるものがあるから、ここで待っていてくれ」と言い残して世界中を駆け巡る冒険に出かけるのでした。

    ペールは母オーゼの家に向かいました。ずっと姿をくらましていたペールの無事を見て、母は安心しますが、彼女自身、臨終の時を迎えようとしていたのです。死を恐れる母に、ペールは最後の優しい空想話で、彼女を穏やかに神の元に導きます。ペールの腕の中でオーセは静かに眠る様に息を引き取ったのでした。ここから本格的なペールの自分探しの旅の始まりです。

    時は流れ50歳になったペールはモロッコの西海岸にいました。彼は怪しげな商売で大金を儲けるも全財産を船に積んで地中海航海の真っ最中に航海を共にした4人の客人にペールの全財産を持ち逃げされてしまうのです。

    無一文になったペールは砂漠をさまよいます。ある時、ほら穴の前で盗賊の宝石や武器、豪華な衣装を見付け、運が向いてきたとばかりその盗品を丸ごと頂き、今度は予言者になりすまします。

    ベドウィン族の酋長の所で、大予言者としてもてなされるペールでしたが、その祝いの席で酋長の娘アニトラに出会い、すっかり彼女の魅力に夢中になったペールは、アニトラにせがまれるまま、宝石や貴金属を次々彼女に渡します。ついにアニトラはペールの財産が積まれた馬ごと盗む事に成功し、又もやペールは一文無しになるのです。

    ペールはその後エジプトにも行き、メムノン像やスフィンクスも訪れます。スフィンクスで出会った男に連れられ、彼はカイロの精神病院で皇帝として迎え入れられたりもします。

    こうして各国を廻り奔放に旅を続けたペールも、すっかり白髪交じりの老人になりました。今や金を掘り当て、充分な財産を得たペールは、故郷ノルウェーに帰るべく船に乗っていました。しかし、ペールの乗った船は激しい嵐に掴まり、沈んでしまいます。どうにかボートに掴まったペール。一緒にしがみついてきたコックを蹴落とし、自分だけ故郷に辿り着いたのでした。

    故郷で、ペールは皮肉交じりに自分の人生を振り返りながら、行く当てもなく森を彷徨う内、見覚えある山小屋を発見します。小屋からは何と!!ソールヴェイがペールを待ち続け歌う声が聞こえるではありませんか!ペールはたちまち自分の人生を後悔し、そこから逃げ出します。

    ペールの前に、死神の使者であるボタン職人と名乗る男がペールの前に現れます。
    ペールの人生は出来損ないで、天国にも地獄にも行けない為、柄杓に入れて溶かしてくる様に言い遣ってきたと言います。
    自分の人生とは一体何だったのか?答えを見つけるまで待ってくれ、とペールは嘆願し、すがる様に、道行く人に問いますが、誰もが、ペールの人生の無意味を気付かせただけでした。

    疲れ果てたペールが辿り着いた所は、あの山小屋でした。ソルヴェイグは、ずっと待っていてくれたのです。彼女はペールがいつも自分の信仰の中、希望の中、愛の中に存在していた、と言い、ペールを優しく包みます。助けを求め、彼女の膝に顔を隠したペールは、ソルヴェイグのその言葉に救われたのです。

    ソルヴェイグは静かに子守唄を歌い始め、ペールは彼女の膝の中で静かに息をひきとったのでした。

    ・・・っとまあ、こんなに場面転換の多い戯曲なので芝居での表現が難しくリーディング向きな物語なのだ。キャストらはきっちり豊かな表情で演じていたので直にその世界に入り込むことが出来た。場面転換が目まぐるしい分、スピーディーな会話でコミカルに表現していくので、3時間まったく飽きずに堪能出来た。そして奇想天外なファンタジー性抜群の物語に重なるように美しい女性陣のキャストらが目の前で、時には色気ムンムン娼婦のように、時には清楚な美しさを引き出しながら熱演していたので視覚的にも楽しめる。

    またペール・ギュント役の石母田史朗が出ずっぱりな舞台だったがひじょうに素晴らしい演技力だった。またこの舞台を補佐的に盛り上げた生音楽と生歌も功を奏していた。灯を巧みに操った演出も絶妙で全体的に美しい舞台だったと思う。ここで衣装にも手を抜かなければ完璧だったと思う。

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